馬超、カッコいいですよね。カッコいいわりに、物語全体では出番が少ないのが、勿体ないですよね。あまりに勿体ないから、いわゆる「歴史シミュレーションゲーム」としての三国志で、以下のことをした人は、きっと私だけではないはず。
すなわち、馬超を主人公に選んで、そこから中国統一を目指した人が!
馬騰の死後、馬超は西涼の地方君主として、自前の領土と軍隊を持って登場するわけですから、やりようによっては「馬王朝」を立てるチャンスも、ゼロではなかったはず!
「いや、既に曹操が中央を固めている時代に出てきたから、どうあがいても無理だったでしょ?」と常識的には思うところですが、そこをあえて、一度、マジメに考察させてください!
この記事の目次
馬超は帝位を狙えるポジションにいた!その根拠!
まず、馬超の君主としてのポジションを整理させてください。意外に、悪くない条件なのです。本拠地が西涼であること、これがなんといってもアドバンテージです。
というのも『正史』の中に、馬超が反曹操軍を挙兵したとき「その呼びかけに10万人の兵が集まった」という記載があるからです。
ハイ、『演義』ではなくて『正史』のほうです!
西涼という土地が、かなりの人口と食料を蓄えており、ここの軍勢を集めれば相当な規模になったことがうかがえます。そしてこの西涼という土地、かの董卓が洛陽に入る前に統治していた領土でもあります。
「董卓は、この地で自前の軍を鍛えつつ、異民族の羌族とも友好関係を保ってチャンスを待っていた」とされています。馬超についても、曹操軍の楊阜が「あの馬超という男は羌族も味方につけているから油断なさるな」というセリフを吐いています。
「西涼で軍勢を養い、羌族を味方につけながら、中央へ南下するチャンスをうかがう」というのは、董卓が一度成功している黄金パターンなのです!
この董卓のやり方を真似れば、馬超が中央政界を乗っ取ることもあながち夢ではなかった?!
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実際に帝位を得るには人材が不安!そこでこんな奇策はどうでしょう?
「なるほど、馬超が意外にいい可能性をもった勢力のリーダーであったことはわかった。しかし馬超軍の人材を見てみると、馬岱と龐徳くらいしか英雄レベルの存在が思いつかないぞ。この人材ではしょせん、長続きする軍勢ではなかったのでは?」
と思われるかもしれません。
これについては、ウム、たしかに。決定的な弱点が馬超軍にはありますね。
君主の馬超を含め、勇猛な指揮官には恵まれているのですが、いわゆる「軍師タイプ」がいないのです。
韓遂がいちおうその役割だった、という解釈もできますが、結果としては馬超・韓遂コンビは曹操側からの計略に「かかり放題」で、智謀ではぜんぜんダメでした。
もしここに、諸葛亮や龐統クラスの軍師が一人入っていれば!誰か、ちょうどこの時期、活躍の場を失っている名軍師キャラは余っていなかったでしょうか?
…と考えていて、ア、思いつきました!
まとめ:ムチャとわかっていても空想してニヤニヤしてしまう。馬超・徐庶の夢の競演!
曹操の配下に、この時期、徐庶がいるじゃないですか!
しかもこの徐庶、赤壁の戦いの際に、連環の計に巻き込まれるのを避けるために「西涼への備え」という理由で曹操から帰国を許される、という描写がありましたよね。
劉備と相性のよかった徐庶と、のちに劉備と良好な友人関係になる馬超。ならば、徐庶と馬超が直接会って話をすれば、存外、意気投合する相性の良さだったのではないでしょうか?
西涼の備えをしていた時期の徐庶と、その西涼でまだ反曹操の旗を明確にしていない時期の馬超なら、まだ敵ではなかった時期に同じ土地に関係していたわけですから、「西涼の異民族問題について協議しましょう」などと、挨拶をしたくらいの経緯はあるかもしれません。
それが縁になって、馬超が反曹操の決起をしたときに、
「もし」徐庶に「一緒に働かないか」という手紙をひとつ、送っていたら?
徐庶としては、「そうか! 私は曹操に使われたくないと言って才能を封印したが、曹操じゃない君主に仕えれば、また軍師として活躍しても劉備様に文句は言われないじゃないか!」とひらめき、名軍師としての夢をもう一度と馳せ参じたかもしれません。
10万の軍隊を連れた馬超に軍師として徐庶が帷幕に加わり、馬岱と龐徳を使いこなして活躍する。
劉備・関羽・張飛・孔明の四人の物語ならぬ、馬超・馬岱・龐徳・徐庶の四人の物語!これで董卓の黄金パターンである、「西涼から南下して洛陽と長安を取り、さっさと漢王朝の後継を宣言してしまう」という戦略を貫く。
三国志ライター YASHIROの独り言
こんなイフ展開はいかがでしょうか?これでも曹操に勝つというのは、ムチャですかね?やっぱり?
でも馬超好きとしては、いったん始めてしまったこの空想、どうにも止まらないのでした。
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