周瑜伝説の核心「天は周瑜を生みながら」の真意とは?

2023年12月24日


 

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呉志(呉書)_書類

 

 

さてタイトルのセリフから分かるかと思いますが、今回のメインは基本的に三国志さんごくし演義のものとなります。三国志さんごくし演義の周瑜しゅうゆのセリフであり、強烈な印象を残すのが

 

 

朝まで三国志2017追加22 周瑜

 

「天は周瑜しゅうゆを生みながら」

 

このセリフ、字面のインパクトは屈指と言っても良いでしょう。しかしもちろん、正史における周瑜しゅうゆにこのような言葉はありません。でもこのセリフ、実は周瑜しゅうゆにとって名言となった!?ここではそれを考えてみたいと思います。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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既生瑜、何生亮(点は周瑜を生みながら何故諸葛亮も生んだのか)

周瑜

 

さて二度目になりますが、この周瑜しゅうゆの言葉はかなりのインパクトがありますね。三国志さんごくし演義においても周瑜しゅうゆは強者の一人であり、その優れた才能は別格の人物……でもあるのですが、何とも皮肉なことに、それは諸葛亮しょかつりょうの出番が来るまで……という印象。

 

周瑜と孔明

 

その周瑜しゅうゆが自らもまた「別格」である存在、諸葛亮しょかつりょうを知ってしまい、その命が尽きる前に慟哭した言葉。それこそが「既生瑜、何生亮」です。三国志さんごくし演義のセリフ回しの極みの一つ、と言って良いと筆者は思います。

 

 

 

既生瑜、何生亮の後に続くシーンも実はえぐみ

華佗(華陀)と周瑜

 

因みに三国志さんごくし演義では周瑜しゅうゆのこの言葉の後、盛大に吐血して周瑜しゅうゆは退場。ただでさえ三国志さんごくし演義では周瑜しゅうゆの性格はいまいちというか、ちょっと難があるのに加えて諸葛亮しょかつりょうの引き立て役に押さえられている上に、更にこの後の葬儀でも諸葛亮しょかつりょうに……と書いた人(濁した言い方)は周瑜しゅうゆに怨みでもあるのか、と思うほど。魯迅ろじんもこれには「物語だとしてもやりすぎ」と言っているほどです。

 

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どうしてこのようなシーンが生まれるに至ったか

四輪車に乗る孔明

 

 

ではどうしてこんなシーンが生まれたかと言うと、基本的なこととは言え、三国志さんごくし演義はしょくを主人公として描かれた物語であり、その中心人物である劉備りゅうび、及び諸葛亮しょかつりょうは完全超人……とばかりも言えないけれど。
ともかく諸葛亮しょかつりょうの割を喰う形に周瑜しゅうゆはなっているんですね。

 

周瑜の魅力

 

 

まあそのままの周瑜しゅうゆを出したとしても名家出身のイケメンで武勇に優れ頭脳明晰性格も良く忠義心に溢れて音感センスばっちりなイケメン(二回目)が出てくるので、逆にそのまま出すと諸葛亮しょかつりょうが影が薄くなってしまいますから。こんなタイプを三国志さんごくし演義の被害者(羅漢中先生の被害者)とも言われてしまうのはちょっと苦笑いポイント。しかし、本当にただ被害者、なだけでしょうか?

 

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周瑜という人物と、三国志

周瑜、陸遜

 

さあ周瑜しゅうゆという人物、三国志さんごくしではどんな人物かは凡庸な言葉の羅列ではありますが説明したばかり。加えて言うならば36歳という若さで途中退場、ということでしょうか。

 

水面に弱気な自分が映る周瑜

 

 

そう、様々な見せ場も活躍もあるものの、三国志さんごくし周瑜しゅうゆの出番というのは短く、更に前半と言っても良い部分で退場してしまいます。また周瑜しゅうゆは稀代の名将でもありますが、同じく三国志さんごくしの時代というのは様々な英雄が綺羅星の如く活躍しては流れ星、という時代でもあるのです。綺羅星の中に生まれた綺羅星、それが周瑜しゅうゆなのではないでしょうか。

 

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苦悩する存在、周瑜とそこへのスポットライト

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この周瑜しゅうゆの「天は周瑜しゅうゆを生みながら」というシーン、様々な作品で再現がなされています。三国志さんごくしを取り扱い、そこに周瑜しゅうゆ諸葛亮しょかつりょうが出てくるなら出てきて当然とも言えるシーンの一つでしょう。そしてそこは間違いなく、名場面です。作品によってはやや周瑜しゅうゆの性格に難を感じるものの、それでも懸命に生き、それでも叶わず、であるがしかし、周瑜しゅうゆが慟哭するのは天を相手にして。ある種、ここで諸葛亮しょかつりょうではなく天へ叫ぶのは周瑜しゅうゆというキャラクターをどう扱うべきか、どんな人物像として見ているのか、注目するべきポイントだと思います。

 

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「既生瑜、何生亮」

 

敢えて漢文表記にしてみましたが、それでいて尚、字の流れが美しく文字だけでもその意味は伝わってきます。もしかしたらこれはあの時代に様々な武将たちが抱いていた言葉ではないでしょうか。相手が諸葛亮しょかつりょうでなくとも、自分が周瑜しゅうゆでなくとも。歴史に残せなかった名前がどこかにあった。

 

周瑜の魅力

 

 

それを三国志さんごくし演義での周瑜しゅうゆというキャラクターで表現した……と思ってしまうような、そんな深みを周瑜しゅうゆに与えた言葉ではないかと思うのです。だとしたらやはり「天は周瑜しゅうゆを生みながら」はやっぱり、名言の一つなのかもしれませんね。

 

 

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周瑜

 

さあ最後で流れを思いっきり変えてみましょう。「天は周瑜しゅうゆを生みながら」というセリフ、哀しいセリフではあるものの実は一回言ってみたいセリフではありませんか!?こういうカッコいい言葉回し、三国志さんごくし演義の良い所でもあると思います!皆さんはどんなセリフが好きですか?いずれまたアンケートなどでぜひ、思い入れのあるセリフを伺いたいですね。因みに筆者は「ここにいるぞ!」です!

 

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三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

三国志さんごくし演義の周瑜しゅうゆに偏ってしまいましたが、正史の周瑜しゅうゆは寿命以外はほぼ完璧超人、という人物です。逆を言うとできすぎていて面白くないから、三国志さんごくし演義で人間味を増した……とも取れます。それはそれとしてここまで周瑜しゅうゆをいじめなくてもいいだろー、とか思ってしまう分、もしかして中途半端に引き立て役にするよりも、印象は良かったのかな?なんて思った筆者でした。

 

センさんのとぷんver1

 

中々バランスが難しいな、なんて。羅貫中先生も悩んでいたのかもしれませんね。どぼん。

 

参考:三国志さんごくし演義

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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