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三国志武将たちの意外な流行!そのおヒゲが[物語る]もの

2024年6月15日


禰衡と曹操

 

 

男性のシンボルといえば、下半身の方を思い浮かべてしまいがちですが、もっと目につくところにありますよね。ほらほら、顔にあるアレですアレ。そうそう、思春期になると生えてくるアレ。そう、おひげです。ひげを漢字で書こうと思って辞書を引いたら髭・鬚・髯といった3種類の漢字が出てきます。これらの3つのひげは、どこから生えているおひげかによって使い分けられます。

 

「髭」は口の上に生えるいわゆる口ひげ、「鬚」はあごから生えるいわゆる顎ひげ、「髯」は頬っぺたから生えるいわゆる頬ひげだそうです。

 

ちなみに英語でも口ひげは「mustache」、顎ひげは「beard」、頬ひげは「whisker」といった具合にやっぱり使い分けられているようです。ひとえにひげと言っても人によって薄かったり濃かったり、口元にしか生えなかったり、もみあげまでつながって生えたりと千差万別。その表現が多種多様なのも当然と言えば当然のことでしょう。

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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『三国志』のひげといえばやっぱり…

関羽

 

 

三国志 ひげ」でGoogle検索をしてみると、その筆頭に出てくるのはやっぱり関羽(かんう)。「美髯公(びぜんこう)」の愛称で知られる関羽のおひげはそれはもう立派なものだったことでしょう。

 

コンディショナーのCMに出ている美しい髪をなびかせる女優たちも真っ青になるほどの黒々と艶やかで美しいお髭を持っているイメージが強い関羽ですが、きっとその美しいひげを維持するために世の女性たちもびっくりするほどのこだわりがあったのではないかと邪推せずにはいられませんよね。

 

ヒゲが美しい関羽

 

 

主君劉備(りゅうび)はおひげが薄いことで有名でしたが、そんな主君の欠点を見事にカバーしている関羽。やっぱり男の中の男ですよね…!

 

 

負けるな!虎ひげ・張飛

張飛

 

ひげの美しさで名を馳せる関羽の義弟・張飛(ちょうひ)もおひげを生やしていたことは『三国志』をモデルにした数々の漫画やゲームからも想像できます。『三国志演義』では張飛は「虎鬚」を持った男として描かれていますから、この記述に則って張飛のイメージが作られているのですね。

 

「虎鬚」とは、ごわごわしていて突っ張ったような印象の顎ひげのこと。艶やかな関羽のひげとは正反対の印象を受けますね。

 

獺祭と称される晩唐の詩人・李商隠(りしょういん)は「驕児詩」において「或いは張飛の胡(ひげ)を謔(あざけ)り、或いは鄧艾(とうがい)の吃を笑う」というように得意とする典故表現として張飛のひげを引いています。やんちゃ坊主が客人のひげを指して「張飛のひげみたい」と馬鹿にしはじめるので困ってしまうということを詠っているのです。

 

この詩に代表されるように、あまり良いイメージが持たれていない張飛のツンツンごわごわのおひげですが、『三国志演義』の作者は勇猛果敢でカッコいい虎の姿と張飛の姿を重ねようと「虎鬚」という言葉を用いたのでは…?とプラス方向に捉えておきたいところ。頑張れ、張飛。

 

 

おひげが黄色!?曹彰

曹彰

 

変わったおひげの持ち主といえば、曹彰(そうしょう)を思い浮かべる人も少なくないかもしれません。何せ彼は父・曹操(そうそう)に「黄鬚」と称されているのですから。黄色いひげ…?髪は黒かったけれど、おひげだけは黄色かったってことかな?と思う人もいるでしょう。

 

しかし、どうやら黄色というのは虎の体毛の色のことを表していたようですよ。「虎鬚」というと悪口のように聞こえるけれど、「黄鬚」といえば虎の勇敢なイメージがわいてくる…。この印象の差は一体何なのでしょうか?おそらくそれは魏のシンボルカラーが黄色であることに関係しているのでしょう

 

黄色というのは魏にとってとても縁起の良い色とされていたため、曹操はその色を使うことによってプラスイメージをわき上がらせることに成功したというわけです。文学を愛する曹操の言葉の魔術がここに現れていますね。しかし、その一方で曹彰は本当に鬚だけ黄色かったようだという説も…。実際のところ曹彰はどんなおひげをたくわえていたのでしょうか…?

 

 

これは縁起がいい!孫権のおひげ

孫権のおひげ

 

 

蜀にも魏にもおひげがチャームポイントの武将がいますが、呉は君主のチャームポイントがおひげなのです。その君主こそ赤壁の戦いで名を馳せた孫権(そんけん)です。『三国志演義』によれば、なんと彼のおひげは紫色!しかもお目目は碧眼、すなわち青だったのだそうですよ。

 

 

三国志ライターchopsticksの独り言

三国志ライター chopsticks

 

まるで漫画のキャラクターのような色合いのおひげとお目目をお持ちの孫権ですが、本当にそんな色だったのでしょうか?

 

どうやら紫色というのはそのへんのオバチャンがよく白髪染めに使っているあの真紫ではなく、どちらかというと赤紫がかった茶色だったようですね。孫権は全体的に色素が薄かったのでしょう。その容貌を見た父孫堅はこれは至高の面相だと言ってその将来を嘱望していたようですね。 

 

 

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清朝考証学を勉強中。 銭大昕の史学考証が専門。 片田舎で隠者さながらの晴耕雨読の日々を満喫中。 好きな歴史人物: 諸葛亮、陶淵明、銭大昕 何か一言: 皆さんのお役に立てるような情報を発信できればと思っています。 どうぞよろしくお願いいたします。

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