漫画キングダムでは、山界の死王として登場する楊端和(ようたんわ)。恐ろしげな仮面をつけている戦闘力抜群のむさくるしい山の民の戦士達の中で、彼女は色の白い美女として描写されています。そんな、楊端和について、『はじめての三国志』では、徹底解剖しちゃいます。
楊端和は実在の人物なのか?
楊端和は、史実にも登場する実在の人物ではあります。しかし、史実の楊端和は山の民でも女性でもありません。紀元前3世紀に秦王政(せい)に仕えた将軍で、もちろん男です。史書に記されているキャリアは、僅かに9年ほどであり、魏を攻めたり、趙をせめたりして手柄を立てています。
活躍していた期間が短いという事は、逆に考えれば、それ以外の期間は、何とでも描けるという事にもなりますから、今後、漫画の中で大胆に活躍するかも知れませんね。
楊端和の武力はどの程度なのか?
強者揃いの山の民を統率しているだけあり、楊端和は武力もあります。秦王政の弟の成蟜が飼っていた猿の化物のようなランカイに、山の民のバジオウは一騎打ちで勝利しましたが、そのバジオウですら、楊端和には敗北を喫している程です。ランカイは明らかに人外の存在にしか見えず、武力だけなら六大将軍にも匹敵しそうなので、楊端和は武力ではすでに、六大将軍クラスだと言えるかも知れません。
関連記事:【キングダム】秦の旧六大将軍と新六大将軍を大胆予想!
関連記事:白起(はくき)ってどんな人?|キングダムでお馴染みの六大将軍
ピンチの時に駆け付けるナイスな役
楊端和のイメージをより強く印象づけているのは、政がピンチの時に駆け付けてくれるタイミングの良さでしょう。キングダムの序盤では、味方が昌文君(強いがお爺ちゃん)と壁(そこそこ強い)と信(めちゃ強いけどバカ)位しかいなかった
秦王政に味方して山の民を引き連れて現れ、王弟成蟜(せいきょう)の陰謀を挫き、また、合従軍の李牧(りぼく)と龐煖(ほうけん)が咸陽の奥深くまで迫った秦軍絶対絶命の時にも颯爽と山の民を連れて出現しました。李牧は、この楊端和軍の予想外の参戦で、咸陽急襲を断念したのですからその功績は、六大将軍に推挙されてもおかしくない程に大きいです。
関連記事:【キングダム】李牧(りぼく)とはどんな人?趙国最後の守護神・三大天
関連記事:【キングダムネタバレ】ちょ~先読み!桓騎(かんき)李牧(りぼく)に負ける!宜安の戦いを徹底解説!
史実では、山の民は秦に協力したのか?
山の民は、秦の穆公(ぼくこう)の時代に相互不可侵の一種の軍事同盟を結んでいましたが、穆公の死後は、秦人が一方的に同盟を破棄してしまい、逆に山の民の住処を奪い、迫害した事を当初、恨んでいました。
当初、楊端和は、その事で秦王政を殺そうとした程です。歴史上も、圧倒的に数の多い漢民族に少数の異民族が圧迫されて、土地を奪われたり、奴隷のように使役されたりというケースがあります。
※もちろん、五胡十六国時代のように逆になったケースもあります。
一方で漢民族が利益で異民族を釣り、自軍に加える事で軍事力を強化したというケースも無数に存在します。
三国志の時代、曹操(そうそう)を追いつめた馬超(ばちょう)は、西涼の羌(きょう)族や氐(てい)族を手懐けて、強力な騎馬兵を自軍に組み込んでいますし、諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)も涼州と結んで、強力な異民族の兵力を当てにして北伐を有利に展開しようとしています。また、周の幽王を滅ぼした申公は、これを討つのに、犬戎(けんじゅう)という異民族の武力を当てにして周軍を撃破しました。そのような事から、山の民のような山岳民族が、秦に協力して戦うというのは、まったくの絵空事ではないと言えます。
キングダムライターkawausoの独り言
史実で見ると、楊端和は秦の将軍として戦っているので、楊端和が六大将軍の一人として、登場する可能性はあります。しかし、同時に異民族として、友好的ではあっても、秦との間に厳格な一線を引いている感じの楊端和が、おいそれと秦王政の六大将軍任命の勅を受けるとも思えません。
その場合には、やはり六大将軍には、羌瘣(きょうかい)が就任して、楊端和は助っ人として秦軍に加わるという形になるのかなとも思えます。もし、羌瘣とコンビで戦うとなると、キングダム女性パワー炸裂の展開でこれも新鮮だなーとも思いますね。
関連記事:キングダムの羌瘣(きょうかい)は実在したの?飛信隊の美女にはモデルが存在した!
関連記事:秦国の六虎将軍・李信の妻となるのは誰かを大胆予想!羌瘣?それとも河了貂か?
—熱き『キングダム』の原点がココに—