ハイ、それでは、三国志の世界をいろいろな角度から掘り下げていく
「ろひもと理穂の今日の三国志!」のコーナーです。
前回は諸葛亮孔明の南征について話を進めてきました。
反乱の首謀者である建寧郡の豪族・雍闓(ようがい)は
すでに亡きものになっているのですが、異民族は収まりません。
首領である「ゾトアオ」を反乱軍のリーダーにして抵抗を続けます。
今回はそんなゾトアオと諸葛亮孔明について掘り下げていきましょう。
前回記事:ゾトアオとはどんな人?人間を超越している異民族の首領【前編】
異常な成長を遂げるゾトアオ
このゾトアオは、生まれて7カ月で立って歩いたといいます。
普通の赤ちゃんはだいたい生まれて1年で立って歩けるようになるそうですから、ゾトアオは早いです。
しかも3歳で山に登っています。まあ砂山なら現代の3歳児も登れますが、
きっとゾトアオの登った山はもっと険しいものだったのでしょう。
今も昆明の近郊にある九竜山あたりを登りきったに違いありません。
さらに10歳で身長が七尺だったそうです。
古代の中華では1尺が約18cm。呂布は10尺(1丈)だとして約180cm。
ゾトアオは10歳で126㎝となります。
あれ、現代の10歳の子供の身長って140㎝ぐらいですから逆に低いですね。
どうやら基準が違うようです。
張飛が八尺で約184㎝だそうですから、比例式で計算すると、一尺23㎝ですね。
そうなると呂布は230㎝(え!?)、ゾトアオは10歳で161㎝です。
お!!タモリさんと同じ身長ですね。10歳なら凄いです。
ちなみに江戸時代の日本人男性の平均身長は155㎝だそうです。ゾトアオ凄い!!
七緃七擒(別に七擒七緃でも問題なし)
諸葛亮孔明の南征軍とゾトアオ率いる異民族は激突します。
勝敗は諸葛亮孔明の7勝0敗。7回ゾトアオを擒にし、
7回すべて緃つという伝説に残る戦い方をします。(7回捕らえて7回解き放つということです)
このことでゾトアオは諸葛亮孔明に心服するようになるのです。
ちなみに地元・昆明の伝承では7勝5敗だそうです(諸葛亮孔明の方が7勝)。
ふたつの話の差は大きいですね。完封されたのと何回か勝っているのでは全然違います。
という以前に12回戦って長すぎです。日本シリーズですら先に4勝した方が優勝ですからね。
まあ、それだけゾトアオは負けず嫌いだったということでしょう。
ここまでくると完全にフィクション
ゾトアオの部下には毒の泉を利用する朶思大王や、獣を操る木鹿大王、
体が鱗で覆われている兀突骨、祝融神の末裔である祝融など、オリジナリティ溢れるキャラ全開です。
これまでの三国志の世界観をぶち壊す勢いです。
しかも、このゾトアオは首を斬られても復活できる力があるのです。
チートですね。
どちらかというと西遊記の世界です。
伝承ではこの不死の力を使って諸葛亮孔明を苦しめたのだそうです。
そんな相手にどうやって勝ったのでしょうか。何か致命的な弱点があったのでしょうか。
ちなみにゾンビでも首を斬られたら大抵死にます。
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諸葛亮孔明に名前をつけてもらう
山猿が三蔵法師に孫悟空という名前をつけてもらったように、
ゾトアオは諸葛亮孔明に名前をつけてもらいます。
長男、一番などという意味を含む「孟」と、
それを蜀は手に入れたということから「獲」の字をとり、孟獲と名乗ります。
そのまま諸葛亮孔明は異民族1万の兵と共に成都に連れて行き、
孟獲に御史中丞の官位を与えたそうです。
劉禅の孟獲を初めて見たときのリアクションも知りたいですね。
その後、孟獲は北伐にも従事しています。
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三国志ライター ろひもと理穂の独り言
こうやって改めて紹介してみると孟獲って、魅力的なキャラですね。
北伐でぜひ活躍してほしかった。
魏延、孟獲コンビとか強そうです。
三国志のシュミレーションゲームでぜひ孟獲から始めて、天下統一したいですね。
皆さんはどう思いましたか。
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