やってきました!「麒麟がくる」第5話。今回は、第1話以来の松永弾正も登場し、おっさんの魅力爆発の回でした。破壊力はスゴイが撃つまでに時間が掛かりすぎる鉄砲、それを何故、足利将軍が本能寺で製造させているのか?それを探る為に十兵衛が戦乱の京都に向かいます。
それでは行ってみよう!麒麟がキターーーー!!
前回記事:麒麟がくる第4話 感想あらすじ「尾張潜入指令」麒麟がきた!
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この記事の目次
麒麟がくる第5話 感想あらすじ「光秀本能寺へ」
短期間で人に指南できるほど、鉄砲の腕前を上げた十兵衛光秀。斎藤利政も、レッスンを受けるや一発で標的の甕を撃ち抜くほどになりました。多分、槍の達人で姿勢がいいんでしょうね。
子供のように喜ぶ道三ですが、「この鉄砲を公方様が・・」と警戒感を露わにします。
そして、光秀は家臣の藤田伝吾に、明智荘の暴れ者の伊平次という男が近江の国友村で鉄砲づくりに従事しているという噂を聞きます。十兵衛は、国友村に伊平次を尋ねますが、将軍直々の緘口令のせいで誰も伊平次の居所を語りません。いよいよ怪しいと思う十兵衛ですが、お金と引き換えに若い鍛冶が、伊平次は京都本能寺に引き抜かれたと明かしました。
利政に京都までの旅費を請求する十兵衛、ドケチ利政は嫌そうな顔をしますが、渋々全額の旅費を認めました。何度も振りまわされる間に、利政の扱い方に慣れてくる十兵衛でした。
麒麟がくる第5話 感想あらすじ「盟友細川藤孝との出会い」
光秀は、ものものしく兵士に取り囲まれた本能寺に到着しますが、どうも本能寺には、将軍、足利義輝が来ていて、何人たりとも入れぬと言うのです。さらに、赤い皮で包んだ鉄砲を下げた十兵衛に、若い侍が因縁をつけます。
お主が背おうているのは鉄砲だろう?
こんな高価な道具をお主のような者が買えるとは思えぬ盗んだのか?それとも、これで本能寺の中の御人を撃てと頼まれたか?
ともかく、鉄砲は預からせてもらう。
もちろん、十兵衛は「理不尽な要求には応じられない」と拒否します。まあ、確かに理不尽な要求ですね。ここで、若い侍と十兵衛は抜刀し斬り合いになりますが、途中で本能寺から帰る足利義輝が馬上から仲裁しました。その後、第一話以来の登場になる三渕藤英が、斬り掛かった若い侍は細川藤孝といい、自分の異母弟だと告げます。
麒麟がくる第5話 感想あらすじ「松永爆弾上と再会」
藤英に、松永久秀に会いに行くがお主も来ぬか?と誘われる十兵衛、しかし、本能寺に行き、伊平次と会う用事があるのでと断ると、藤英は「伊平次は本能寺にはいない、一カ月前に雲隠れし、我らも探しているが見つからない」と告げます。
松永久秀は京都で、ものものしく兵に守られ、しゃっくりをとめる為にお灸をしていましたが、あっつうういいいーーーと叫ぶと、灸を払いのけるように部下に命じます。
一見、ボンバーマンの伏線のようですが、実は、お灸は戦国時代に盛んになった温熱療法で、曲直瀬道三という医師が得意としていました。松永はこの曲直瀬道三から、いわゆる房中術のマニュアルを伝授されているので、お灸も道三直伝かも知れません。松永は十兵衛を見ると、おお美濃の若い衆と大喜びし上るように言います。
麒麟がくる第5話感想あらすじ「鉄砲は抑止力か?」
三渕藤英と松永久秀は、鉄砲について話をしています。大量の鉄砲を集める為に伊平次を探しているのは、松永も同じで多くの鉄砲を備えて次の戦に備えると豪語します。それに対し、藤英は公方様は戦を望んでおらぬと言い、自身も平穏な日々を楽しみたいと言いますが、久秀は、今後の事は分からないと釘を刺しました。
藤英が退出すると、十兵衛は松永に「どうして撃つのに時間がかかる鉄砲などを大量にもちたいと願うのか分からない」と正直に打ち明けます。すると、松永は、いきなり鉄砲の銃口を十兵衛に向け、引き金に手を掛け「うごくな」と一喝します。
「どうだ?動けるか?動けまい!鉄砲は、槍や矢と違い避けられぬ、当たるか、当たらぬかは問題ではない。銃口を向けられれば、誰でも恐怖で動けなくなる」
これが鉄砲の力であり、多くの鉄砲を保有する国はそれだけで抑止力になり、気軽に他国を攻められなくなると松永は力説します。
「わしは死が怖ろしい、死にたくない。だから攻められないように鉄砲が欲しい」
これは、なかなか新しい、鉄砲抑止力説ですね。新鮮な解釈だと思います。一通り、十兵衛を脅すと、松永は伊平次に会わせてやると言います。実は松永は、すでに伊平次の居場所を突き止めていたんですが、藤英を出し抜く為に黙っていたのです。
麒麟がくる第5話感想あらすじ「十兵衛は伊平次の恩人だった」
松永に連れられて十兵衛が来たのが、京都の色街、当時の傾城屋でした。
色街というと非合法に見えますが、事実は室町幕府も税収のために傾城局を設けて、竹内新次郎という男に取り締まりを任せています。そういう意味では、中では色々非合法な事はしていたでしょうが、商売そのものは当時は真っ当なものでした。松永は、ここの檀那なのでしょう。遊女は半裸の姿を見られても、驚く様子もなくすりよってきます。松永は愛想を振りまきつつ、二階で遊女と戯れている伊平次の部屋に上がり込みます。
松永は、大金を積み上げ、鉄砲を二十挺作ってくれと頭を下げます。しかし、伊平次は一度鉄砲を造ると、注文が殺到して遊んでいられなくなると断ります。つまり、松永が二十の鉄砲を注文すれば、次は細川晴元が三十頼む、細川が三十なら公方様は五十頼み、寝る暇もなくなるというのです。
つまり、これは軍拡競争ですね。松永は鉄砲を多く保有する事が戦争を抑止すると力説しましたが、現実には、相手が百の鉄砲をもてば、こちらは二百と歯止めがかからなくなります。そしてそれは戦いが好きというより相手に負けたくない、死にたくないという本能から来るのです。本能寺だけに、なんちて、ウヒョ!
とりつくしまもない伊平次ですが、十兵衛は伊平次の顔を見て、幼い頃に古井戸に落ちたのを救った事がある。瓜泥棒の伊平次だと思い出します。今でも、光秀に恩義を感じている伊平次は鉄砲を分解して、その構造を一から知りたいという十兵衛の頼みを快く引き受け、鉄砲分解を引き受けるのでした。
すれ違うお駒さん
今回の駒は、京都に帰る挨拶をしようと明智荘に行くと、十兵衛が近江に出かけて留守など、すれ違いが続きます。また、十兵衛の母にも、十兵衛への淡い思いを婉曲的に伝えようとして、身分違いの恋は夢見るだけつらいと厳しく諭されるなど散々でした。
色々な事をひきづり、ちっさいおっさん(菊丸)にはついてこられ、やっと京都に戻ると、そこで伊平次に連れられた十兵衛を目撃するなど、運命に翻弄されるお駒さんでした。
麒麟がきたライターkawausoの独り言
麒麟がくるは、まるで戦後の高度経済成長期を生きたおっさんのようなキャラが多いです。織田信秀、斎藤利政、松永久秀、バイタリティがあり偏見が強く、清々しく自分勝手です。逆に十兵衛は、バブル期以降な印象ですね。どうして人を斬るのか?
そうしないと殺されるとは知っていても、これでいいのか?と自問自答する。なんだか、「働くだけの人生ってどうよ?」と言っている感じです。
参考文献:NHK大河ドラマ麒麟がくる公式ガイドブック(前編)
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