キングダム「王翦と王賁の関係は史実でも険悪?」


王翦

 

大人気春秋戦国時代漫画キングダム。こちらの漫画、バトルばかりではなく親子の愛憎(あいぞう)や上司と部下や、男女の恋愛模様も入るのですが、なかでも王翦(おうせん)王賁(おうほん)の親子関係は、読者をもハラハラする内容になっています。でも、王翦と王賁は史実ではどんな関係だったのでしょうか?

 

キングダムファン向け:キングダムに関する全記事一覧

関連記事:キングダム632話ネタバレ予想「キングダムのリアルなあの世に迫る」

関連記事:キングダム631話ネタバレ冥界編終了!「遠い記憶」レビュー考察


史実では共に戦う二人

王賁

 

漫画においてはギクシャクする二人ですが、史実においてはおよそ正反対のようです。紀元前226年、王賁は、燕の王都(けい)を攻めていますが、大いに兵士を集めて、王翦の軍勢に(もう)でるとあります。

 

実は、この時、父である王翦は、燕を攻めあぐねており、王賁の援軍を受けて燕を平定することに成功しました。つまり燕攻めは王翦と王賁のワンツーだったのです。これを見ると、現在のような親子のギクシャクは見受けられません。険悪な間柄だと、このような親子で一つの国を攻めるのは難しいでしょう。


春秋戦国でも親子共に戦うのは珍しい

嬴政(始皇帝)

 

そもそも、春秋戦国時代でも、親子で将軍になるくらいならまだしも、同じ戦場で共に将軍として戦うというのは珍しいです。もうひとりのエリート蒙恬(もうてん)蒙武(もうぶ)蒙驁(もうごう)と共に軍を率いたケースがありません。親子で軍を率いらせるのは、親子共々、秦王政から絶大な信頼を受けていた可能性がありますし、それ以上に王翦と王賁の関係が良好であり、共に作戦を指揮させても問題ないと考えられていたのでしょう。

 

また史記には、さらに重要な記述があります。燕を落とした後に、王翦は病を理由に隠居を願い出ているのです。その翌年には、王賁が魏の王都大梁(たいりょう)を水攻めして、魏を滅ぼしていますから、王翦の隠居は、王賁が家督を継ぐのを前提としたものと言えます。ここには、立派に成長した息子の雄姿を見届けてから引退を決意するパパ王翦の心情までが読み取れるのです。

 

史実の二人には、実の子がどうのとか、そういう雰囲気は見受けられません。

では、どうしてキングダムにおける両者はギクシャク設定なんでしょうか?

キングダムの親子喧嘩は前フリ

同年小録(書物・書類)

 

キングダムにおける史実とは正反対描写、しかし逆にこう考える事も出来ます。王翦と王賁はギクシャクしていたが、燕攻めで王翦が苦戦している状態の時に、王賁が兵士を徴発して、救援に向かい見事に王翦を救う事により、親子関係が円満に解決するという伏線です。

 

確か、(ぎょう)攻めでは馬南慈(ばなんじ)に奇襲された王翦を王賁がわずかな手勢で救援して、冷たく役に立たないと言い放たれ叱責(しっせき)された事がありました。王賁は何も言いませんでしたが、その言葉を胸に、さらに軍略を磨き、燕攻めで窮地に陥る王翦を救うのでしょう。なんだかんだで、王翦は迂闊(うかつ)な所と過剰に人フンな部分がありますから、今後も、なんだかんだでポーカーフェイスで大ピンチは起きそうです。

 

また、王賁は独自に兵を徴発しているとも読めるので、この時点ではすでに大将軍であり、自らの判断で援軍を出したと解釈する事も可能です。それを見て取った王翦が、もう王氏の家督を王賁に譲っても大丈夫と考えて、一旦は世代交代が起きるわけです。


王翦復帰して楚を滅ぼすもまた王賁にタッチ

 

一度はリタイヤするも、李信が楚の項燕(こうえん)に大敗したので、秦王政は、またしても王翦を呼び戻します。しかし、60万の大軍で楚の地を平定した後は、再び隠居し、紀元前222年には、再び、王賁が前面に出るようになります。

 

そしてそのまま王賁は、最後に残った斉を滅ぼし中華を統一してしまうのです。やはり、王翦は息子の王賁を完全に信頼しており、一刻もはやく隠居したかったのでしょう。そして、この後、王翦も王賁にも活躍の描写はなく、二世皇帝の時代には王翦と王賁はすでに死んでおり孫の王離の時代になっている事が告げられるのです。

【次のページに続きます】

次のページへ >

1

2>

関連記事

  1. キングダム53巻
  2. キングダム45
  3. 馬に乗って戦う飛信隊の信
  4. kawausoさんのキングダムがキター!

コメント

  • コメント (3)

  • トラックバックは利用できません。

    • 回鍋肉
    • 2020年 2月 20日

    大将・麻鉱が李牧に討たれ崩壊寸前の左翼軍を立て直し、臨時将軍として離眼軍を抑え込んだ智謀と将器で、知将として覚醒した蒙恬。

    敵将岳嬰を一刀の下に両断、趙左翼の大将格の藺相如の盾・趙峩龍を一騎討ちで斃し、李牧と並ぶ趙三大天の一・武神ワレブを倒すなど現役最強の武を備え、戦勘と統率力を身に付けた闘将、崩壊寸前の右翼軍を率いて趙左翼を撃破し、朱海平原の勝利を決定させた信。

    この両名と比べると王賁はまだ成長途上で、見えている世界が2人とは違う。

    いずれ文武を高いレベルで兼ね備えた李牧に近い万能型の将軍になり得る器なんだろうが、王翦の見立てのように、まだ彼らのような信頼は置けないのだと思う。

    • 2020年 2月 18日

    おうせん将軍が独立国宣言してひと悶着起こすことになるんじゃないかな
    そのせいで引退扱いになるが、ピンチで再雇用

    • 通りすがりの金毛
    • 2020年 2月 17日

    キングダムの世界では作者にコンプレックスの塊のような業を背負わされてるオウホン、笑った顔なんて見た事無い。
    出会った時から自由奔放に生きる信に対するコンプレックス凄かったし・・・過去に王騎絡みでなんかあったのかな?。
    朱海平原で亜光が討たれた後、オウセンは頑として息子を右翼の大将に認めなかったけど、あの時オウホン自ら信を大将にって父ちゃんに推薦しとけばオウセンも「ホウ!」って息子を認めてくれてただろうに。気づいてたよね多分、自分より信の方が大将にふさわしいってオウホンだけは右翼の中で・・・。
    父ちゃんが挟撃されピンチの時も部下だけ送ってオウホンは行くべきじゃなかった。万が一父子して討たれりゃ王家は断絶、家を何より大事にしてたあの時代、そりゃ激オコプンプンされるのは仕方ない。
    恐ろしいくらいに人を見抜くスキルが高い父ちゃんと持って生まれた才能は高いのに様々なコンプレックスが邪魔してそれを生かせぬ息子、いつか認め合うときがくるのかな?




はじめての三国志企画集

“はじめての三国志企画特集"

3冊同時発売

“三国志人物事典"

“ながら三国志音声コンテンツ"

ASMR

“近代オリンピック




PAGE TOP