大人気春秋戦国時代漫画キングダム。現在秦には、15名以上の将軍クラスのキャラがいて、その人材の充実ぶりは、もちろん七国一です。これだけキャラがいれば、もう新しいキャラはいないと思いがちです。
ところがどっこい、秦には王翦とコンビを組んで燕軍を撃破する見登場の大将軍、辛勝がいるのです。趙の司馬尚なみに気になる、辛勝について今回は考えてみます。
キングダムファン向け:キングダムに関する全記事一覧
関連記事:キングダム632話ネタバレ予想「王翦と王賁の関係は史実でも険悪?」
関連記事:キングダム632話ネタバレ予想「キングダムのリアルなあの世に迫る」
この記事の目次
実在する謎の将軍辛勝
いまだ、キングダムに登場しない将軍、辛勝は史実に登場します。
紀元前227年、燕の太子丹、秦兵が燕に隣接したことを思い悩み恐れ、荊軻をして秦王を暗殺しようとする。秦王これを察知し。軻を八つ裂きにして、恨みに報いる。しかして王翦・辛勝に命じて燕を攻めさせる。燕・代、兵を発し秦軍を撃つ。秦軍、燕を易水の西に破る。
このように、燕の太子丹に刺客荊軻を差し向けられた秦王政は報復として、燕に王翦と辛勝を向かわせています。そして易水の西で燕と代の連合軍を破るのです。
辛勝は女性かも?
この辛勝、史記に登場するのはこの部分だけで後は消えてしまいます。実在の人物とはいえ、情報量が乏しいので、どんな人物かよく分かりません。しかし、このパターンの人物、どこかで見た事があります、そう羌瘣です。
羌瘣も実在の人物ながら、活躍していた時期が紀元前229年と228年しかなく、出自も不明で、やはり忽然と姿を消しています。だから作者は、この謎だらけの人物を女性と解釈したのでしょう。情報が乏しい以上、羌瘣が男だと断定しようもないからです。
まあ、多分、男でしょうが・・・
辛勝もそのデータの乏しさから、女性キャラとして造られる可能性もあります。
王賁とくっつくかも知れない
そして、戦死とも病死とも分からない形でフェードアウトするという事は、結婚して一線を退くかも知れない可能性を示唆しています。燕攻略戦で一定の手柄を立てた上で、王賁と結ばれて消えるという筋なら無理はなくなりそうです。しかし、問題は、そんな都合のよい戦いが起きるかどうかですが、調べてみると、なんとなく使えそうなネタがありました。
秦始皇本紀にそれらしい記録
燕と代の連合軍を易水の西で破った王翦と辛勝ですが、翌年の紀元前226年には、王賁が出陣しています。秦始皇本紀には、以下の通り出て来ます。
紀元前226年、王賁、燕の王都薊を攻める。すなわち益々兵士を徴用し、王翦の軍に合流、遂に燕の太子の軍を破り、燕の薊城を落とし太子丹の首を獲る。燕王は、東の遼東を収めて王となる。王翦、病を謝して隠居する。
この部分を見ると、一度は代と燕の連合軍を撃破した、王翦と辛勝ですが、燕の太子、丹の軍勢に翻弄され動きが取れなくなるのではないかと考えます。
それに対し、秦が行動を起こす事が出来ないなかで、王賁が独自に兵を集めて援軍を構成し、窮地に陥っていた王翦と辛勝を救援し、薊を陥落させ太子丹を討ち取る所まで持っていくとも推測できます。
全体としては、辛勝の軍勢がかなりの窮地にあり、王賁がそれを救出する事で二人の関係が進展するのではと考えてみます。
【次のページに続きます】