今回は西遊記のヒーロー、孫悟空について話しましょう。そしてお題はズバリ「出生の謎」について。
「そもそも西遊記はフィクションでは?」と思われるかもしれませんが、物語というのは生まれる中で、完全な「無」から生まれることはありません。どこかしらの「発想を得るもの、時」が必ずあると思います。
なので色々と楽しく妄想してしまおう!というのが今回のテーマでもありますので、どうかお付き合い下さいね。
この記事の目次
花果山の仙石が産んだ石卵が孵化して生まれた孫悟空
さて、孫悟空は石から産まれました。それもまたちょっとややこしく、花果山の山の頂にある仙石が割れて産まれた卵。この卵から孵った猿が、孫悟空です。
産まれたばかりのこの猿は、その眼光は天をも貫くほどの輝きと力強さを持っていました。流石に驚いた天界ですが、まあ猿だし……ということで放置してしまいます。このため後からとても困っちゃう訳ですが、今回は置いておきましょう。
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どうして孫悟空は石の卵から生まれるのか?
西遊記の冒頭、そして孫悟空が産まれた経緯は以上のようになります。筆者も幼い頃は「ふーん石からうまれたんだー……」くらいの認識でしたが……よくよく考えてみると、どうして石から産まれたんだ?
考えなおしてみるととてつもない謎がスタートから始まっています。尚、本編中にこれに対する回答はありません。つまり読者が妄想して良いってことだな!というのが今回のテーマのようなもの。
そこで今回提唱したいのが、五行説です。
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西遊記には中国の五行説が影響していた
五行説とは、この世界の全て、万物は「木・火・土・金・水」という五種の物質の関係により生み出されるもの……という考えで、この間の関係を「相生」「相剋」と言います。
相生とは、相手を生み出す関係。相剋とは、相手に厳しくする、もしくは相手に打ち克つという関係です。この内、今回は孫悟空の出生ということで、相生関係についてもうちょっと見てみましょう。
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当時の科学、五行説から誕生する孫悟空
では五行説の相生の関係について。
木は火を生み出す:木を擦ることで火が着く
火は土を生み出す:火が燃えた後には灰(土)が残る
土は金を生み出す:土の中に金属はある、つまり金属は土から生まれる
金は水を生み出す:金属の表面には水滴が付く、つまり水を生んでいる
水は木を生み出す:水を与えることで木は育っていく
これが五行説の相生関係です。
「灰と土って同じか?」「金属の水ってそれは空気中の水分では?」と色々あると思いますが、五行についてはこういう考えからだとお思い下さいね。
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