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諸葛孔明の影に隠れる劉備

2015年2月18日


 

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㈱三国志

 

戦国武将の理想の上司ランキング、というのをメディアでしばしば目にしたことはありますが、三国志の理想の上司ランキングはあまり見たことがありません。それならば、本場中国ではあるに違いないと思い、知り合いの方数人に尋ねてみたのですが……

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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中国人の友人に好きな武将を聞いてみた・・・

超雲 阿斗 守る ゆるい

 

なぜか私の周りには「趙雲」と答える人が続出。……みなさん、顔で選びましたよね!?サンプル数が少なすぎて、あてにならず、すみません。

 

諸葛孔明を自分のもとに入れたくて堪らない劉備

 

そこで、普通に想像してみると、一番に名前が挙がりそうなのは、諸葛孔明、そして劉備あたりな気がします。特に、本人はいたって凡庸でありながらも、数々の英雄を従えた劉備は、理想の上司の名前にふさわしいのではないでしょうか。

 

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四川省の観光地『武侯祠(ぶこうし)』

蜀の姜維

 

かつての蜀の都であった四川省には、現在、三国志関連の遺跡はほとんど残っていません。その中で、あえて言えば、ここは外せないというのが『武侯祠(ぶこうし)』です。ここは、武侯すなわち諸葛孔明が祀られているやしろです。敷地面積は約3万7千平方メートルというので、かなり広大です。

 

 

この広い敷地内の最奥に諸葛亮殿があり、その前座に劉備殿があります。劉備の方が主君のはずですが、諸葛孔明の家に居候している感じです。また、この武侯祠には、劉備の陵墓の恵陵もあります。

 

墓にまで居候する劉備

劉備 だらしない

お墓まで、諸葛さん宅に居候です。観光客のほとんども、目当ては諸葛亮殿であり、前座の劉備殿やまして陵墓などは、素通りする方も……。完全に主役は諸葛孔明、脇役が劉備の配置になっています。

 

しかし、当の劉備なら、これを見ても「いいよ、そんなの気にしないし」と笑顔で言ってくれるような気がします。劉備が三顧の礼で諸葛孔明を迎えたとき、あまりに年若く、実績もまったくない孔明を、劉備がやたらと重宝することに対して、義兄弟の関羽と張飛は難色を示しました。

 

水魚の交わり

 

すると劉備は、「俺にとって孔明の存在は、魚が水を得たようなものなんだ。だからみんな、文句を言わずに認めてくれ」と言うのです。堂々と皆の前で開き直られては、関羽も張飛もぐうの音も出ませんでした。劉備の人柄をよく表しているエピソードだと思います。ヒーロー凡庸説というのがあります。

 

水魚の交わり

 

実際に歴史を動かしたとされる英雄たちは、実は平凡な人で、ただ人を惹きつけるカリスマに優れていたという説ですが、劉備こそが、そんな人物だったのではないでしょうか。

 

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