キングダム




はじめての三国志

menu

デザイン担当:よりぶりん

王莽(おうもう)史上初、帝位を簒奪した男 

この記事の所要時間: 231

三国志 戦場

 

三国時代以前、中国全土を統一支配していたのは『漢』という王朝でした。

トータルすると400年の長きにわたって中国を支配した漢ですが、その途中、わずか15年の間だけ、漢王朝の帝位を簒奪(さんだつ)し、

中国全土を支配した王朝が存在しました。

 

その名を『新』といいます。

(新以前の漢を『前漢』、新以後の漢を『後漢』と呼びます)

 

中国史上初となる、帝位簒奪を行った人物。

それが王莽(おうもう)です。

 

 

簒奪って何?

秦 王騎

 

簒奪(さんだつ)とは、本来君主の地位の継承資格が無い者が

、君主の地位を奪取すること。あるいは継承資格の優先順位の低い者が、より高い者から君主の地位を奪取する事。

 

 

王莽とは?

王莽

 

果たして、王莽とはどのような人物であったのでしょうか。

また、彼が興した『新』の王朝は、なぜこれほど短命に終わったのでしょうか?

 

王莽の青年時代

東方 光

 

皇帝の外戚でありながら貧しい青年時代を過ごした王莽

 

皇帝や王の母親や妃の一族のことを外戚(がいせき)と呼びます。

 

伯母が皇后であった王莽も、皇帝の外戚に当たります。

しかし、彼の伯父たちが朝廷から高い地位を与えられたのに対し、王莽はその父や兄が早くに死んだことから地位を与えられず、貧しい環境で育ちました。

 

 

若き日の王莽は慎み深く、質素な身なりをしていました。

勉学に勤しみ儒学を深く学び、母親や兄嫁に孝行を尽くしたといいます。

 

 

王莽の人生に転機

かわうそ 不思議

 

王莽の人生に転機が訪れたのは、彼が壮年期を迎えた頃でした。

王莽の伯父であり大将軍を努めていた王鳳(おうほう)が病に倒れると、王莽は甲斐甲斐しくその看病を続けました。

王莽の孝行ぶりに感心した王鳳は当時帝位にあった成帝(せいてい)に彼を推挙。それをきっかけとして王莽は出世の道を歩むことになります。

 

王莽の野望

三国志 月

 

皇帝を殺害し、新たに即位した帝を傀儡化、そして簒奪。

 

ついに『三公』(さんこう)と呼ばれる朝廷で最も位の高い3つの役職のひとつである大司馬(だいしば)にまで上り詰めた王莽は、

その権力を私利私欲のために奮います。

 

成帝が崩御した後に即位した哀帝(あいてい)によって一度はその地位を追われますが、哀帝を殺害。新たに平帝(へいてい)を擁立して大司馬の地位に復帰します。

 

更に彼が擁立した平帝が崩御すると、今度は自らが『仮皇帝』を自称、朝廷の権力を掌握します。

王莽は漢王朝を創った高祖、劉邦(りゅうほう)が記したとされる書物を偽作し、そこに自分が皇帝となる根拠が記されているとして、皇太子に禅譲を迫ります。

そしてついに、王莽は皇帝の地位を簒奪し、新たに『新』(しん)という国を興しました。

 

新はどんな国?

三国志 ヒカリ

 

懐古主義的な政治を理想とした王莽

 

若き日の王莽は儒学思想を熱心に学んでいました。

その影響なのか、彼は自分が生きている時代よりも1000年も昔に栄えた『周』(しゅう)の政治を理想としていました。

宮廷に多くの儒学者たちを招き入れ、周の時代の政治を研究しそれに倣った政策を取ります。

彼が帝位簒奪に利用した偽書も、彼自身が儒学に精通していたからこそ、作り得たものであると言えるでしょう。」

 

 

しかし、彼の取った政策の多くは時代錯誤なもので、国は混乱し、財政も逼迫してしまいます。

各所で反乱が続発し、王莽が派遣した討伐軍も大敗。結局王莽は反乱軍が首都長安に入城した混乱の中で殺害されてしまいます。

 

 

学校の語源

95fce483f2ea915a6cc9a3e0b99d0943_m

 

 

初の『簒奪者』が遺した意外な“名称”

中国史上、初めて帝位を簒奪したということから、王莽は後世の学者たちから政治指導者としてのみならず、

その人格すべてを否定するような、厳しい批判を受けています。

 

 

そんな王莽が、現代の日本で日常的に使われる、ある単語を創ったとする説があります。

王莽は儒学を学ぶための学び舎を各地に設けましたが、その施設は「学」、あるいは「校」と呼ばていました。

この「学」と「校」が、日本語の「学校」の語源であるというのが有力な仮説とされているのです。

 

耳で聞いて覚える三国志

 

 

こちらの記事もよく読まれています

劉禅 韓非子

 

よく読まれてる記事:劉禅が読んだ韓非子ってどんな本?

 

 

孔明 軍師

 

 

よく読まれてる記事:軍師ってどんな職業なの? <三国志豆知識>

 

 

お酒 三国志 曹操

 

よく読まれてる記事:三国時代のお酒は発泡酒レベルだった?

 

賈詡

 

よく読まれてる記事:ある意味、戦乱時代の勝者? 賈詡とはどんな人物だったか?

 

 

この記事を書いた人:石川克世

石川克世 三国志

 

自己紹介:

小太郎さん(スキッパーキ オス 2歳)の下僕。

主食はスコッチウイスキーとコーヒーとセブンイレブンの野菜スティック。

朝風呂が生きがいの小原庄助的ダメ人間。ヲヤジ。

好きな映画:

未来世紀ブラジル

パンズラビリンス

タルコフスキーのストーカー

座右の銘:

・事象に惑わされるな。ここがお前の現実だ(押井守)

・私に3分、時間をください(鈴木健二)

・これでいいのだ(バカボンのパパ)

 

関連記事

  1. 梁習(りょうしゅう)とはどんな人?曹操も惚れた不安定な幷州を安定…
  2. かつて日本で大流行したカリスマコメント付き三国志が存在した!
  3. 驚愕!蜀漢の塩の精製が意外にハイテクだった!
  4. ひとりしかいない筈なのにたくさんいた? 『皇帝』のお話
  5. 【曹操の人心掌握術】身内よりも部下を優先せよ
  6. 舛添都知事「五千万問題」三国志の時代だと、どんな罪?
  7. 【徹底調査】諸葛恪の欠点とは一体何!?
  8. 姜維も食べた剣門豆腐の由来と中華豆腐レシピを紹介

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 蔡琰(サイエン)とはどんな人?翻弄された運命をたどった詩人
  2. 【シミルボン】元祖、褒めて伸ばす!曹操のヨイショ作戦が止まらない
  3. 幻の必殺陣形・八卦の陣とは?三国志演義と諸葛亮孔明の八陣図
  4. 実は笑い上戸のちっこいオッサン? 『曹瞞伝』に見る曹操像
  5. 蔡夫人、張允、蔡瑁、トリオ攻撃が劉備を追いつめる!
  6. 徐邈(じょばく)とはどんな人?曹操の禁酒令を破ったのに逆に出世した男

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" “広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

【日中清廉潔白対決】北条泰時VS諸葛亮孔明 島津斉彬と天璋院篤姫は実際どんな関係だったの? 坂本龍馬の髪型はハゲ隠しだったの? kawauso編集長のぼやきVol.24「楽天」 132話:もうやりたい放題!曹叡の乱心で魏の暗黒時代へ突入 37話:人を信じられなかった豪傑呂布、戦場に散る 75話:周瑜の計略で曹操の水軍が弱体化 杜幾(とき)とはどんな人?魏の国内で素晴らしい統治をおこなった名行政官

おすすめ記事

  1. 竹中半兵衛重治と黒田官兵衛はどっちが凄かったの?
  2. 【徹底追及】劉備はどうしてあんないい加減な性格なのか?
  3. 自称皇帝、袁術のトホホな部下列伝 Part.1
  4. スーパーDr華佗が曹操に殺された意外な理由に涙・・
  5. 陳泰(ちんたい)ってどんな人?司馬昭の親友でもあり正義感が強く清廉な将
  6. 【曹叡なんか目じゃないぜ】キングダムの秦王政は土木工事が大好きだった件
  7. 張悌(ちょうてい)とはどんな人?呉の滅亡に殉じ、壮烈な死を果たす最後の宰相
  8. 王儁(おうしゅん)とはどんな人?曹操を認め親しく付き合っていた孟徳の友人

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“西遊記"
PAGE TOP