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老荘思想(道家)ってどんな思想?ありのままに?

2015年7月14日


 

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老荘思想(ろうそうしそう)

 

諸子百家(しょしひゃっか)の時代には数多の思想家が現れ、さまざまな思想を展開していますが、特に現代にも影響を与えていると言えるのは、『人徳と礼儀で国を治める』徳治主義を説いた儒教(儒家)、君主の人徳ではなく厳正な法律による法治主義を説いた法家

 

そしてもうひとつ、哲学的・観念的な思想を説いた道家

(老荘思想:ろうそうしそう)ではないでしょうか?

 

果たして、道家の思想とはどのようなモノだったのでしょうか?

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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老荘思想(ろうそうしそう)ってどんな思想?

西遊記の三蔵法師(はてな)

 

道家の大家である老子と荘子の名を合わせ、老荘思想とも呼ばれます。『好きの反対は無関心』という言葉があります。

 

え、『好きの反対は嫌い』じゃないのか?

そう思われる方も多いでしょう。

 

『好き』も『嫌い』も、その対象に関心を向けているという点では、実は同じベクトルにあると言うことができます。

 

どっかのアニメソングにも『大嫌いはちょっと好きなこと』、なんて歌詞がありましたね。『無関心』とは、その対象に対して文字通り関心のないことです。『嫌い』が『好き』と同方向の意識であると言えるのに対し、『無関心』は『好き』と対極にある考え方だと言えるでしょう。

 

……いきなり、何の話をしてるんだ?と思われるかもしれませんが、つまり儒家や法家の思想に対する『無関心』、つまり対極にあるのが道家の思想なのです。

 

 

 

道家の思想が生まれたきっかけ

 

諸子百家が隆盛を誇った時代、春秋戦国時代は生き馬の目を抜くような駆け引き、騙し合いの横行した時代でした。儒家や法家の人たちは、国家の理想を説き、『国はこうでなければならない』と主張、彼らの言葉は常に『~するべきだ、~しなければならない』で締められ、人に理想の実現を強要してきます。

 

しかし、それは同時に人々に、社会や政治への『疲れ』を生じさせる原因にもなりますね。なんで『~せねばならない』のか? 別のそうでなくてもいいんじゃないのか?

 

理想に疲れた人の多くがそう考える(少なくともそう考える瞬間がある)でしょう。道家の思想は、まさにそんなニーズに応えるべく現れた思想だったのです。

 

 

道家の思想の基本は「あるがままに」

 

道家の思想の基本は『自然に、あるがままにある』ことを最も良しとすることです。この世界には『道』と呼ばれる真理があり、人の生き方は無理に立身出世を目指すのではなく、ただその『道』に身を委ねて自然に生きるのが良い……道家の思想はそう説いています。

 

それはまた、国家についても同じことが言えます。国のあり方は、その国を強くしたり、人民を厳しく統治することではなく、ごく自然に、まるで王朝も国家もないように感じられることそれこそが理想であるとされました。

 

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三国時代に大ブーム!!の老荘思想

同年小録(書物・書類)

 

老荘思想の三大著書と言われる『老子』『荘子』そして占いを記した書『易経』。この三つを合わせて三玄と呼び、これを元にした学問を『玄学』と呼びます。この『玄学』を創始したのが、三国時代に魏に仕えた学者の王弼(おうひつ)と、同じく魏に仕えた何晏(かあん)でした。(何晏は曹操の養子でした)

 

何晏

 

三国時代もまた、春秋戦国時代と同じく、闘争と政争が飽くことなく繰り返されている時代でした。政治に携わり、立身出世しようと志しても、いつ誰がその足元を救うかわからい、そんなすさんだ時代です。

 

竹林の七賢

 

この時代、老荘思想に基いて世俗と関係のない哲学的な議論を行うことを『清談』と呼びました。清談は王弼や何晏によって代表される魏の時代の『正始の音』(せいしのおと)と呼ばれる学風に始まり、後に『竹林の七賢』と呼ばれる人々を生み出しました。

 

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はじめての諸子百家

 

 

現代に再評価される老荘思想

 

価値相対主義の時代と言われる現代、老荘の思想は再評価されつつあります。正しさに疲れた時代、あるいは正しさの見えない時代だからこそ、現代の価値相対主義にも通じる老荘の思想が人々の心を捕らえるのかもしれませんね。

 

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石川克世

石川克世

三国志にハマったのは、高校時代に吉川英治の小説を読んだことがきっかけでした。最初のうちは蜀(特に関羽雲長)のファンでしたが、次第に曹操孟徳に入れ込むように。 三国志ばかりではなく、春秋戦国時代に興味を持って海音寺潮五郎の小説『孫子』を読んだり、 兵法書(『孫子』や『六韜』)や諸子百家(老荘の思想)などにも無節操に手を出しました。 好きな歴史人物: 曹操孟徳 織田信長 何か一言: 温故知新。 過去を知ることは、個人や国家の別なく、 現在を知り、そして未来を知ることであると思います。

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