周宣(しゅうせん)とはどんな人?夢を占わせれば、九割の精度を誇った魏の夢占い師

2016年1月22日


 

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魏の占い師・周宣(しゅうせん)

 

呉や蜀には占いの天才がおり、彼らは国の運命や個人の運命などをぴたりと言い当てます。魏にも占いの天才がおりました。その名を周宣(しゅうせん)。彼も夢を占いその人が起きる出来事を予見する占い師です。また嘘の夢を彼に伝えても占ってくれその内容をぴたりと予言する恐ろしい占い師でした。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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夢の内容その一:曹操が杖と薬酒をあたえてくれる

曹操

 

周宣は楽安郡の出身で、地元の役人として働いておりました。楽安太守楊沛(ようはい)は周宣に「友人が私に『曹操が8月に来て君に杖と薬酒を与えてくれる』と言う夢を見たらしい。いったいどういう意味かわかるかい」と相談します。

 



占いの結果:黄巾賊は曹操軍によって八月に壊滅する

表情 曹操02

 

周宣は相談を受けるとすぐに占いを開始。占いの結果を楊沛に「杖は弱者を立たせるもの。薬は病を完治させるものです。この占いの結果は八月に曹操が来て賊を壊滅させてくれるでしょう。」と彼に告げます。彼の占いはあたり、八月に入ると曹操が軍勢を率いて、楽安にいた黄巾賊は壊滅します。

 

夢の内容その二:宮殿の二枚の瓦が落下し、二羽の鴛鴦(おしどり)に代わる

曹丕 残忍

 

彼はその後魏に仕え、色々な武将を占っていきます。そんな中、皇帝である曹丕(そうひ)から呼び出しがかかります。曹丕は「宮殿の瓦が二枚落下すると、二羽の鴛鴦に変化した夢を見たのだが占ってくれないか」と頼まれます。彼は曹丕の夢を占い「後宮で亡くなる方が居ます」と占いの結果を伝えます。

 

曹丕は彼を試すため適当な夢を伝える

曹丕皇帝

 

曹丕は周宣の占い結果を聞く「悪いな。オレが適当に作った夢の内容だ。お前を試すために占ったのだ」と笑い出します。しかし周宣は真顔で「夢というのは心が現れるのです。私は心が言葉に現れた以上、それだけで占うことができます。」と曹丕に反論します。曹丕はこの言葉を聞いた数日後、後宮で宮女が亡くなったと知らせが届きます。

 

周宣を信頼し様々な夢占いをさせる

曹丕

 

曹丕は彼の夢占いの凄さを目の当たりにし、彼を重用します。周宣は曹丕の夢を占い、甄皇后が無罪の罪で亡くなる事や弟である曹植を亡き者にしたいのだが、母親である卞太后の反対で実現できない事などを的中させ、曹丕の信頼を勝ち得ていきます。

 

まだ漢王朝で消耗してるの?

まだ漢王朝で消耗しているの  

 

夢占いその三:芻狗(すうく)に三度会う

 

周宣はある日読書を楽しんでいると友人が駆け込んできます。

 

そして「昨日の夜、夢の中に芻狗(祭祀を祀る際に使う藁の狗人形)が出てきた。どういうことか占ってくれ」と息をきらせながら夢の内容を伝えます。周宣は友人の夢を占い「今夜すごい御馳走が食べれますよ」と告げます。

 

この結果を聞いた友人は「マジ。すげー嬉しい。ありがとう。」と感謝の言葉を伝え走り去っていきます。

友人は数日後再び彼の家に来て「こないだはありがとう。君の言う通り本当においしいご飯を食べれた。また夢で芻狗に会ったんだが、どういうことか教えてくれ」と彼に占いをしてくれるよう頼みます。

 

周宣は再び彼の夢を占うと「あなたは車から落ちて、足を折る事になるでしょう。気を付けなさい。」と注意を促します。

友人はため息をつき、彼の元を去っていきます。そして数日後杖をついて友人が彼の家を訪れ「また芻狗が夢の中に出てきた。どういうことか教えてくれ」と彼に三度目の占いをさせます。周宣は嫌な顔をせず夢占い開始。結果を彼に伝えます。

 

「あなたの家が数日後、火事になるそうです。気を付けなさい」と伝えます。友人は震えながら家路につきます。そして数日後友人の家は火事になり、全焼してしまうのです。三回とも彼の夢占いは見事に的中します。

 

適当な夢でも当ててしまう

 

友人は彼の家に行き「実は三回とも芻狗の夢はみていないだ。お前を試すために適当に夢の内容を伝えたのだが、どうして当てる事が出来たんだ」と彼は質問します。すると周宣は「夢の内容はあなたの口を借りて、神霊が言わせたのだ。だからあなたは本当に夢を見たのと変わらないんだ。だから私はあなたがこれから起きる出来事を当てる事が出来たんだ」と答えます。

 

友人は頷くが「でも三回も芻狗を見たのになぜ毎回起きる出来事が違うのだ」と疑問を口にします。友人の疑問にも彼は丁寧に解説します。「そもそも芻狗は神をまつるための人形だろう。神をまつる人形の前にはお供え物が必ずある。だから一度目にはごちそうが出ると占った。芻狗は祭りが終わると車に轢かれる事になっている。だから私はあなたが車に轢かれ、足を折ると占った。そして最後に芻狗は必ず焼かれる。だから三度目に芻狗を見たと聞いた時あなたの家が火事になるなと占いました。」と彼に伝えます。

 

友人は周宣の夢占いの内容に納得し、彼の家を後にするのでした。

 

三国志ライター黒田廉の独り言

三国志ライター黒田レン

 

 

周宣は曹丕が亡くなると曹叡に仕え、239年ごろに亡くなります。彼は自分の夢を見て亡くなる時期も悟っていたのかもしれません。それにしても嘘の夢を占わせても当ててしまう彼の夢占いはすごいを通り越して恐ろしい程の精度ですね。もし誰かを殺した夢を見たから占ってくれと言ったら現実になってしてしまう可能性が高いから恐ろしいですね。

 

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魏のマイナー武将列伝

 

 

 

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黒田廉(くろだれん)

黒田廉(くろだれん)

三國志が大好きです。オススメのマンガは曹操を描いた蒼天航路がオススメです。三國志の小説のオススメは宮城谷昌光氏が書いた三國志です。好きな食べ物はマグロ、ぶり、アジが大好きな猫です。

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