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三国志の雑学

三国時代にも「ザ・たっち」は存在した?後漢時代に存在した双子についての記録が凄い!





芥川龍之介

 

史書ではよくその人物の兄弟姉妹のことが紹介されますが、

ふと疑問に思うのが「双子や三つ子はいなかったのか?」ということ。

中国四千年の歴史の中で、まさか誰一人としていなかったなんてこと、ないですよね。

それを調べるために、まずは「双子」が当時どのように呼ばれていたかを探ってみましょう。




中国最古の方言辞典『方言』での双子について

三国志大学 公孫瓚

 

中国最古の方言辞典『方言』によると、双子の言い方には当時規準の標準語で「双産(双生)」と、

その他方言で「釐孳」、「僆子」、「孿生」、「嫁子」があったようです。

更に北宋代に作られた韻書(発音字典の一種)の『広韻』には、

釐(孷)、孷孳、兹(孖)、緜(𩕰)、輦(僆)、字(孖)、㝈(孿)、双生、双生子 とこれまたたくさんの表現があります。

※覚えなくて大丈夫です。




電子テキストを見れば無料で情報収集ができる!

photo credit: Note PC mode Surface Book T&T 21 via photopin (license)

 

では次に、これらのキーワードを使って史料を検索してみます。

ちなみに中国史の文献史料については、

台湾の「中央研究院漢籍電子文献」や中国の「中国哲学書電子化計画」など、

電子テキストが数多くネット上で無料公開されています。

もちろん誤字脱字もあるので取扱いには注意が必要ですが、大変便利な世の中になりました。

 

双子について調べた結果!

さて結果はというと、数は少ないもののいくつかの記事が出てきました。

確認できた限りで一番古いものは前漢に書かれた思想書『淮南子』で、

「世に瓜二つの孿子 (双子)を見分けられるのは母親だけである」とあります。

これは似て非なる物事について、その道のプロにならばその微妙な違いを見極められるという喩えです。

 

後漢末に編纂された考証本『風俗通義』

次に古いのは、後漢末に編纂された考証本『風俗通義』の記録です。

オリジナルの文章はすでに失われていますが、北宋代の『太平御覧』にその内容が保存されています。

ある時、済北(現在の山東省あたり)の李登という官吏が病気になり、

療養のため実家で長期休暇をとっていたところ、府(役所)から呼び出しを受けました。

しかし自分の姿があまり病み衰えていないことを気にした李登は、

双子の弟の李寧に「僕らは瓜二つで他人には見分けがつかないし、

君の方がよほど病人のようだから、僕の代わりに役所まで行ってきてくれ」と頼みます。

李寧は「太守(知事)は厳格な人だし駄目だよ」と断りますが、

李登が「大丈夫大丈夫、僕はまだ新人であまり知られていないし、むしろ今僕が出頭したら殺されてしまう」と懇願するので、

仕方なく李登のふりをして府に赴き、診察の結果病 気と診断され、無事誰にもバレることなくやり過ごしました。

ところがその後、他人の口から事が発覚して、李登は殺されてしまうのでした。

要はズル休みを職場に疑われ(案外本当に仮病だったのかも)、双子の弟を身代りに騙し通したものの、

結局バレて処罰されてしまったという何ともいえないオチですが、双子入れ替わりエピソードとしてはとても興味深いものです。

 

北魏の正史『後魏書』

photo credit: Daisy via photopin (license)

 

三つ目の記事は南北朝時代に北斉で編纂された北魏の正史『後魏書』です。

崔光韶とその 双子の弟の崔光伯は性格もそっくりで、非常に仲が良かったと記されています。

その北斉の正史として唐代に書かれた『北斉書』には、

武明婁皇后という皇帝のおきさき様が男女の双子を生んだことが記録されています。

異性の双子とはなかなか珍しいですね。

 

後晋代に書かれた『旧唐書』

photo credit: Pink love via photopin (license)

 

更にその唐代について、後晋代に書かれた『旧唐書』には、

楊貴妃でも有名な玄宗皇帝の奥さんの一人・王皇后と、その兄・王守一は双子であったと書かれています。

これも珍しい異性の双子です。

 

何故、急に正史に双子の記述が現れたの?

氐族

 

しかし魏晋十六国時代までの正史には見られなかった双子の記述が、

何故南北朝になって急に連続で出てくるようになったのでしょう。

単純に、たまたまそれまでいなかったからかもしれませんが、

一つの可能性としては民族性の違いが挙げられるかもしれません。

【次のページに続きます】



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