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曹操と劉備がライバルの理由 革新と伝統
曹操は、常に新しい乱世にあう価値観を創出しようとしています。
曹操自身は漢を滅ぼしませんでしたが、とっくの昔に、漢を見限り
新しい時代に会うような新王朝を志していました。
一方の劉備は、自身が漢の血縁者でもあるので滅びようとする
漢を救い、曹操を討ちたいという考えを全面に出します。
そして、劉備に集う人々は、復古的で漢の時代を再興しようとし、
逆に、曹操に集う人々は、漢に絶望し、新しい曹操の時代を
待ち望む人々が多くなります。
これは、伝統と革新の激突で、どちらが正しいとも言えず、
答えは人間の数だけあります。
こちらの違いも、曹操、或いは劉備に読者が、
感情移入しやすくなっている布石なのです。
曹操と劉備がライバルの理由 ハンティングと人間磁石
曹操が人材集めに熱心であった事はよく知られています。
味方を増やすには、有能な人物なら敵方でも、張遼(ちょうりょう)や
よいしょしまくり、細かく気を使って部下を繋ぎ止めます。
曹操は能動的でハンター型人物であると言えるでしょう。
逆に劉備は、自分から人材をスカウトしたのは伏龍先生の
諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)位で、それ以外は、
劉備の名前を聞くと、皆、ぞろぞろと「仲間にしてください」とやってきます。
劉備は受動的な人物なのです。
この人材への態度の違いも、曹操と劉備を対照的にして、
ライバルとして浮き上がらせているのです。
曹操と劉備がライバルの理由 万能と落第生
曹操は、武芸から、軍事、詩、政治、著作、芸能に至るまで、
殆ど、何でもできた万能の人物として知られています。
3世紀のレオナルド・ダ・ヴィンチと言っていい位です。
一方の劉備は人徳こそ大きいものの、武芸も知略も中途半端で、
特に、曹操相手には負けてばかり、落ちこぼれのような人です。
普通なら、楽々曹操が勝ちそうですが、戦下手の劉備は毎回、
なんとか運が味方して逃げのび、ついには軍師孔明を得て、
天下三分の計を実行に移し、中国の西のはずれをちゃっかりと
領有してしまうのです。
この何とも言えない、二人の人物の個性の落差が、
人間的魅力として映り、曹操と劉備をライバルたらしめている
とも言えるでしょう。
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三国志ライターkawausoの独り言
数多の英傑が登場する三国志でも、劉備と曹操程に性格や、
考え方、生い立ちが対照的な人物はそうはいません。
二人は、赤と白であり、善と悪であり、陰と陽なのです。
この魅力的な二人を物語の軸に据えた事で、三国志演義は、
成功していると言っても過言ではありません。
漫画でも面白い漫画は、よいライバル、よい悪役に
恵まれていますしね。
本日も三国志の話題をご馳走様・・