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曹操と劉備はどうしてライバル扱いなの?【三国志の素朴な疑問】

2016年6月10日


監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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曹操と劉備がライバルの理由 革新と伝統

 

曹操

 

曹操は、常に新しい乱世にあう価値観を創出しようとしています。

曹操自身は漢を滅ぼしませんでしたが、とっくの昔に、漢を見限り

新しい時代に会うような新王朝を志していました。

 

一方の劉備は、自身が漢の血縁者でもあるので滅びようとする

漢を救い、曹操を討ちたいという考えを全面に出します。

そして、劉備に集う人々は、復古的で漢の時代を再興しようとし、

逆に、曹操に集う人々は、漢に絶望し、新しい曹操の時代を

待ち望む人々が多くなります。

 

これは、伝統と革新の激突で、どちらが正しいとも言えず、

答えは人間の数だけあります。

こちらの違いも、曹操、或いは劉備に読者が、

感情移入しやすくなっている布石なのです。

 

曹操と劉備がライバルの理由 ハンティングと人間磁石

曹操 ヨイショ

 

曹操が人材集めに熱心であった事はよく知られています。

味方を増やすには、有能な人物なら敵方でも、張遼(ちょうりょう)

張郃(ちょうこう)賈詡(かく)のように引き抜き、

よいしょしまくり、細かく気を使って部下を繋ぎ止めます。

 

曹操は能動的でハンター型人物であると言えるでしょう。

 

三顧の礼 ゆるキャラ 孔明

 

逆に劉備は、自分から人材をスカウトしたのは伏龍先生の

諸葛亮孔明(しょかつ・りょう・こうめい)位で、それ以外は、

劉備の名前を聞くと、皆、ぞろぞろと「仲間にしてください」とやってきます。

劉備は受動的な人物なのです。

 

この人材への態度の違いも、曹操と劉備を対照的にして、

ライバルとして浮き上がらせているのです。

 

曹操と劉備がライバルの理由 万能と落第生

曹操 詩

 

曹操は、武芸から、軍事、詩、政治、著作、芸能に至るまで、

殆ど、何でもできた万能の人物として知られています。

3世紀のレオナルド・ダ・ヴィンチと言っていい位です。

 

劉備 黒歴史

 

一方の劉備は人徳こそ大きいものの、武芸も知略も中途半端で、

特に、曹操相手には負けてばかり、落ちこぼれのような人です。

普通なら、楽々曹操が勝ちそうですが、戦下手の劉備は毎回、

なんとか運が味方して逃げのび、ついには軍師孔明を得て、

天下三分の計を実行に移し、中国の西のはずれをちゃっかりと

領有してしまうのです。

 

この何とも言えない、二人の人物の個性の落差が、

人間的魅力として映り、曹操と劉備をライバルたらしめている

とも言えるでしょう。

 

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三国志ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

数多の英傑が登場する三国志でも、劉備と曹操程に性格や、

考え方、生い立ちが対照的な人物はそうはいません。

二人は、赤と白であり、善と悪であり、陰と陽なのです。

 

この魅力的な二人を物語の軸に据えた事で、三国志演義は、

成功していると言っても過言ではありません。

 

漫画でも面白い漫画は、よいライバル、よい悪役に

恵まれていますしね。

 

本日も三国志の話題をご馳走様・・

 

 

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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