はじめての三国志

menu

三国志の雑学

【三国志女性列伝】実は貂蝉は呂布の正妻だった!?

この記事の所要時間: 22




連幹の計 呂布 貂蝉

 

三国志演義にのみ出てきて、正史には存在しない美女、貂蝉(ちょうせん)

彼女が果たすのは、美女連環の計における美女の役割。言わばものすごく大事な役割です。

そんな彼女は、実は三国志演義以前――元の代に刊行された

三国志平話』の頃から存在したということを、皆さんはご存知でしょうか?

三国志平話』においても、貂蝉は美女連環の計の要の役割を果たします。

しかし、『平話』の貂蝉王允の家の養女にして歌妓ではありませんでした。

なんと、呂布と臨チョウ府で離れ離れになってしまった、呂布の正妻だったのです。

では、何故呂布の正妻である貂蝉が、董卓と関係を持つに至ったのか。

このあたりは、私も『平話』原典を読んだわけではないのでハッキリしたことは言えませんが、

どうやら王允の家で世話になり、その関係で董卓と関係を持つに至ったようなのです。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら




儒教の影響

孔子 儒教

 

では、何故『演義』の貂蝉は呂布の妻から王允宅の歌妓に変わってしまったのか。

それには、中国の儒教中心の考え方が影響しています。

儒教においては、妻が夫以外の男性と関係を持つのはもってのほかです。

これは不貞だと言われます(まあ現代日本でもそうですが……)

こんな不貞な、儒教に背いた女を、漢王朝のために尽くした人物には到底できない。

『演義』の作者の毛宗崗は、きっとそう考えたのでしょうね。




妻じゃなかったら、浮気してもいいの?

貂蝉 董卓 呂布

 

ここも気になるところだと思います。

まあぶっちゃけて言ってしまえば、当時の中国においては、

歌妓の地位なんてめちゃくちゃ低いです。

将軍の正妻とは雲泥の差です。まあだって、元来が売られた女なのですから、

日本の江戸時代の芸妓さんみたいなものだと思ってください。

だから、求められる倫理コードも、正妻と比べては、めちゃくちゃ低かったのです。

また、『演義』における貂蝉は、歌妓でありつつも、王允の養女という設定であります。

自分を実の娘のように育ててくれた人物のために、身も心も犠牲にする……

その姿勢こそが、儒教で言う「孝」だと、毛宗崗は考えたのでしょうね。

 

関連記事:儒教が引き金?外戚と宦官の対立はなぜ起こったのか

関連記事:孔子・孟子・筍子?儒教(儒家)ってどんな思想?

 

まとめてみると

三国志平話

 

つまり、『三国志平話』の方だと、貂蝉が美女連環の計に加わることによって、

董卓は倒すことができますが、

同時に功労者である貂蝉は不貞を働くようなけしからん女になってしまいます。

これでは、作品内で大きな矛盾を生んでしまいます。

それに比べて、『三国志演義』の方では、貂蝉は王允に育てられたら歌妓。

求められる倫理コードは正妻よりずっと低いし、

むしろ「自分を娘のように育ててくれた王允のために自らを犠牲にしてまで孝を尽くした立派な女」

ということになりますから、かえってプラスに働くのです。

 

関連記事:三国志平話って何?三国志演義の元ネタ

 

史実としては……。

呂布 バックブリーカー

 

史実としては、董卓と呂布の間には確かに女性を巡る諍いがあり、

それが原因で呂布は董卓に離反したようですが、

美女連環の計のようなたいそうなことはなかったようです。

ちなみにこの部分の描写は、作家によって、

貂蝉を登場させる作家から完全にフィクションを描く作家(北方謙三など)、

貂蝉から呂布への恋愛観感情を描く場合(ドラマthe Three Kingdomなど)など、

様々なパターンがあります。

そこを読み比べてみても、なかなか楽しいかもしれません。

 

関連記事:北方謙三の『三国志』のココが凄い!男の生ざまをガンガン感じたいならこの小説も超絶オススメ!

関連記事:悪女か?恩義に生きた美女か貂蝉の生涯とは?

 

三国志ライター・秋斗のつぶやき

秋斗

 

というわけで、今回は貂蝉について書かせてもらいました。

この三国志女性列伝シリーズは、不定期に更新される予定です。

男は何人もの女とも結婚してよいのに、女は謀略のためでも姦通のためなど、もってのほか。

ただし歌妓はそれが目的のようなものだから許される。

何とも男尊女卑的な世の中だなあと、私なんかは腹が立ってしまいます。

儒教は結構女性蔑視なところがありますよね。

三国時代に生まれなくて良かった……としみじみと思う秋斗でした。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:三国志時代に降伏や降参するときはどうやってサインを出していたの?

関連記事:【素朴な疑問】三国志時代はどうやって兵士を集めていたの?

 

—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—

 




 

草津仁秋斗

草津仁秋斗

投稿者の記事一覧

■自己紹介:

三度の飯より歴史と本が好きな三国志女です。

イチオシは周瑜さま。周家の家人になって周瑜さまのおはようからおやすみまでを見つめたい日々です。

■好きな歴史人物:

周瑜、項羽、土方歳三、今井四郎兼平

■何か一言:

数少ないかもしれない女ライターですが、女ならではの視点でやっていきたいと思います。

どうぞよろしくお願いいたします!

関連記事

  1. 陸遜の出自と出身は?三国志演義では完全な脇役の陸遜に分析
  2. 三国志の時代にもいた遊侠(ゆうきょう)とはどんな人達のこと?
  3. 諸葛亮孔明の愛に溢れた手紙に感動!歴史に残るほどの親バカぶりに思…
  4. 劉備の人肉食は何故美談になったのか?よかミカンが考察
  5. 【真田丸】日本一の兵と称された真田幸村と魏の張遼、名将の類似点を…
  6. 魯粛と関羽の一騎打ちの行方は?
  7. 意外に似ている曹操とナポレオン、英雄対比してみた
  8. なんか意地悪なイメージがあるけど、曹丕って実際どんな人だったの?…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 曹丕のグルメエピソードがまたひとつ鍾繇が送った五熟鍋とは?
  2. 諸葛亮の死因は過労死らしいけど、一体どんな仕事してたの?
  3. 【シミルボン】進化する名将?張飛は決して脳筋ではなかった!
  4. あけましておめでとうございます、2015年も「はじめての三国志」をよろしくです
  5. 後漢を滅ぼす原因にもなった宦官(かんがん)って誰?
  6. 劉備の人肉食は何故美談になったのか?よかミカンが考察

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" “広告募集"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

五虎大将軍なのに趙雲の扱いが色々雑すぎる気がする件について 今川家のポンコツではなかった今川義元の前半生に迫る! 【シミルボン】ドキッ!全員男!三国志の時代にあった男同士のひざまくら まだ漢王朝で消耗してるの?第5話:統一国家 晋の礎 司馬懿 超爽快シミュレーションRPG「三国志CROSS」の後半イベント『帝ちんの宝貝ザクザク祭』がスタート 後漢の時代のお金の常識に迫る!当時の金融はどんなモノだったの? 大戦乱!!三国志バトルとはどんなゲーム? 秦国の六虎将軍・李信の妻となるのは誰かを大胆予想!羌瘣?それとも河了貂か?

おすすめ記事

  1. 【三国志星座占い】諸葛亮は双子座?
  2. 徐晃(じょこう)ってどんな人?魏において、もっとも功績を挙げた無敗将軍
  3. 土方歳三、新選組副長の刀はどんなモノ?
  4. そうだったのか!武器の特徴を知ると三国志の時代の戦い方が分かる!
  5. 52話:袁紹を破った曹操は、中原最強の勢力に成長
  6. 【三国夢幻演義 龍の少年】深いい解説その1
  7. 井伊直弼の画像、死の前に描かせた肖像画に込められた志とは?
  8. 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース20記事【12/12〜12/18】

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“邪馬台国"
PAGE TOP