史上最悪の宦官、趙高(ちょうこう)、現在は影も形もありませんが、
実はすでにキングダムに登場している事は御存じでしょうか?
そう、毐国(あいこく)の乱で太后の側に立っていた顔を布で隠した宦官が趙高です。
反乱の失敗により罪人になり蜀に流された趙高ですが、史実通りなら
李斯(りし)のように、再び登用される可能性が大であると言えます。
では、そんな趙高が復活するタイミングはいつなのでしょうか?
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実務能力に優れ、太后の信任が厚かった趙高
実は、毐国の建国には趙高の手腕が大きく貢献しています。
太后もキレ者ではありますが、秦の国内を出ては、その力は限られます。
しかし、趙高は楚とも密かに連絡をつけて項翼(こうよく)と白麗(はくれい)が
秦を攻めていて、その対策に忙殺された秦は、みすみす毐国の建国を許してしまいます。
こうして、太后は秦王政の加冠の儀にあわせてクーデターを決行しますが、
それも趙高の暗躍が無ければ、本来は不可能だったでしょう。
どうして、一宦官の趙高が楚と渡りを付けられたのか不明ですが、、
あるいは、春申君(しゅんしんくん)を通して繋がっているのかも知れません。
春申君、孝烈王と秦とゆかりが深い楚
楚が秦と繋がっていると書くと、突拍子もない感じがしますが、
そんな事はありません。
楚で宰相まで昇りつめた春申君は、元々、人質となった
楚の公子、完(かん)のお付きとして秦に送り込まれた人物だったのです。
その公子完は、後に即位して楚の孝烈(こうれつ)王になりました。
また最近の事例では、昌平君は元々楚人で人質として、
秦に入っている事を見逃す事は出来ません。
キングダムを見ていると遠いように感じる楚と秦は、
実は、繋がっていない事もないのです。
元より、春申君が秦の後宮へ出入りできるわけもありませんが、
後宮より宦官の勢力が接触を求める事は充分にあり得ます。
もし、そういう伝統を趙高が引き継いでいたなら、
楚に手をまわして秦を撹乱する事は不可能ではないでしょう。
では、趙高はキングダムではいつ頃、浮上してくるのでしょうか?
睡虎地秦墓竹簡(すいこち・しんぼちくかん)によると、
趙高は、紀元前258年の産まれで、17歳の時に史官として入学し、
20歳で試験を受けて通り、23歳の時に、尚書郎になり、
その行政能力の高さを買われて宮廷に入るとされています。
尚書台という役所は、元、皇帝の秘書官で上奏文や皇帝の詔を書く仕事です。
性質上、漢の時代には大きな権力を持つのですが、宦官が多く就任しました。
秦の時代でもそうだったのかも知れません。
象徴的なのは、趙高が23歳の時とは、紀元前236年です。
つまり、キングダムの世界ではズバリ今!趙攻略戦を行っている
現在の年なのです。
趙高が毐国の乱に加担した罪を許されるとすれば今年!
では、どのような経緯で浮上してくるのでしょうか?
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予想、李斯の上奏により趙高が許される・・
秦王政は、六国の併合という大事業を達成する為に、どうしても、
元の太后派、そして呂不韋派の人材を再登用する必要に迫られるでしょう。
李斯を赦免したのは、その一例に過ぎないと思います。
この頃、秦では、尉繚(うつりょう)という人物が対秦包囲網を砕く為に、
大金を使って、六国の要人を買収するという計略を提言し、
その実行者として李斯が暗躍します。
おそらく、李斯は楚の動向を探る為に、楚とパイプを持つ趙高が必要になり
秦王政に上奏して、その赦免を願い出るような気がします。
こうして、一度沈んだ趙高は浮上し、以後、次第に秦王政の心を掴み
秦の政治に食い込んでいくのです。
キングダムウォッチャーkawausoの独り言
史実に忠実であるなら、趙高の再浮上はキングダムでは間近です。
それから、趙高は再登用されてから、大罪を犯し、蒙毅(もうき)によって、
死刑の判決を受けますが、始皇帝の仲裁で罪が許される話もあります。
これもキングダムではアレンジがありそうですが、
秦を陥れる謀略として趙高が、別の六国と繋がる可能性も否定できません。
初登場の時にはオドオドした雰囲気でしたが、
次に現れる時には、どんな表情をしているのでしょうか?
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