ハイ、それでは、三国志の世界をいろいろな角度から掘り下げていく
「ろひもと理穂の三国志の医学の時間」のコーナーです。
私は最近頭痛がひどくて湿布を肩に貼ったり、頭痛薬を飲んだりしていますが、
実はあの三国志の英雄・曹操(そうそう)もかなりの頭痛持ちだったことで知られています。
ヘルニアでたいへんだった英雄とか、
リュウマチで苦しんだ英雄などは登場しないのに頭痛だけ歴史に記されているのは不思議な話です。
曹操の頭痛は正史にも三国志演義にも記載されているので間違いない事実なのでしょう。
しかし頭痛にもいろいろと種類があります。曹操の頭痛はどれだったのでしょうか。
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片頭痛
慢性頭痛のひとつに片頭痛があります。
睡眠不足や生活のリズムが乱れることでなるそうです。
曹操は若い頃からの頭痛持ちです。
好奇心旺盛な曹操は、書物を読んだり、武芸を磨いたり、
詩や歌のお稽古をしたりと忙しかったでしょうからそれで不規則な生活になったのかもしれません。
睡眠時間も3時間くらいだったのでは・・・。
ちなみに片頭痛にはカフェインが効果あるそうです。
コーヒーやお茶がいいそうですね。曹操がお茶好きだったら間違いないです。
あまり聞いたことはないですね。
緊張型頭痛
慢性頭痛のひとつに緊張型頭痛というものがあります。
これは姿勢が悪かったり、骨格が歪んでいたり、歯のかみ合わせが悪いとなるそうです。
私はおもいっきり該当していますね。
緊張型頭痛は鎮痛剤があまり効果ないそうです。
マッサージや指圧が効果あります。
そういえば曹操はよく華佗に鍼灸してもらって頭痛を対処していました。
鍼灸も指圧も整体マッサージのひとつと考えると、曹操も緊張型頭痛だったかもしれません。
曹操って寝ているときに歯ぎしりが凄かったとか・・・
卞夫人にどうだったのか聞いてみたいですね。
症候性頭痛
曹操の頭痛は片頭痛だったとか、死因は脳腫瘍だったとかいろいろな説があります。
もしも脳腫瘍、くも膜下出血、脳梗塞などの症候性頭痛だったらたいへんです。
命にかかわります。もちろん、若い頃の頭痛と亡くなる直前の頭痛は種類が違ったのかもしれません。
頭への外傷から慢性硬脳膜下血腫だったという話もあります。
だとすると対処は頭蓋骨に穴を空けて血腫を出すことだそうですから、
華佗が冗談交じりに言った「頭を切って治します」という言葉は的を射ていたかもしれませんね。
怒った曹操は華佗を処刑してしまったようですが。
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華佗の反抗はなぜ?
このように華佗は曹操に反抗的だったことから処刑されたと記されています。
若い頃から曹操の頭痛を対処してきたのに、いつまでたっても士人として待遇してもらえなかったことが原因だったとか。
医者の地位が儒教家などの士人階級よりも下だったというのは驚きです。
それは現代の中国でも変わらぬそうですね。
日本だと医者といえば尊敬されまくりですが、中国では驚くほどに社会地位が低いそうです。
それが中国が科学分野で他の先進国に抜かれていった原因と言われています。
ちなみに華佗が死んだのは赤壁の戦いの前とされていますので、
三国志演義に登場するような毒矢で傷ついた関羽を治療するのは無理だったようです。
関羽が樊城を攻めたのは西暦219年のことですからね。
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三国志ライター ろひもと理穂の独り言
慢性的な頭痛の苦しみはなってみないとわかりません。対処法も難しいですからね。
私はおとなしく病院で医者に診てもらったほうがいいのでしょうか。
ちなみに私は歯ぎしりが凄いです。もしかするとそこだけが曹操との共通点かもしれません。
他にも頭痛持ちの武将はいたかもしれませんが、
血で血を洗うような戦乱の時代の三国志で、
頭痛が・・・とか言ってる余裕があったのは曹操ぐらいなものでしょう。
皆さんはどうお考えですか。
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—古代中国の暮らしぶりがよくわかる—