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始皇帝の偉大な業績!漢字を統一し意思疎通を容易にした中国の産みの親

2018年1月19日


 

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「ローカルスタッフとは言葉もろくに通じなかったでしょう」

長沙太守(ちょうさたいしゅ)韓玄(かんげん)の記事で、私はそう書きました。

え~、嘘っこだべさそんなの。

おんなじ中国語どうし、ちーとなまってるだけなんでないかい?

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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中国語ってなに?

 

「中国語」は、中国の言葉、という意味です。中国、めっちゃ広いです。

内モンゴル自治区とか新疆ウイグル自治区とかも、中国です。

モンゴル語やウイグル語も中国語と言えてしまう。

首都の北京で生まれ育った人が聞いて一言も分らない言葉でも中国語。

「中国語」には、少数民族の言葉も含まれるんですね。

 

じゃあNHK中国語講座とかでやってる中国語ってなに?

 

日本でふつうに「中国語を勉強しようっと」って思った時に習うやつ、

あれは「普通話(プートンフア)」というものです。

中国人の多数を占める漢族と呼ばれる人々の言葉をもとにしてできました。

主に北京語をもとにしてできているようですが、北京人の言葉ともずいぶん違っており、

普通話を普通にしゃべる人なんかいないんじゃないでしょうかね。

人工的に整備された言葉です。この普通話の発音記号を、

中華人民共和国の人たちは小学校で習いますよ。

少数民族でも普通話を習うことが推奨されています。中国の公用語なんで。

 

―熱き『キングダム』の原点がココに―

 

公用語「普通話」は通じるんでしょ?

 

いかに中国広しといえども、テレビやラジオがあり、学校でも習う普通話は、

よほどの秘境でない限り、けっこう通じます。自分では上手に発音できなくても、

言われたことは聞いて分るという程度には普及しています、秘境でない限り。

私は以前、北京人と重慶人が全く会話できていない現場を目撃したことがありますが。

(重慶は秘境じゃないよ。水上交通の要衝、工業都市、中国で四つ目の直轄市)

北京人は普通話をしゃべっていたから、その時の重慶のおばちゃんが

たまたまテレビやラジオをあまり視聴しない人だったんでしょう。

おばちゃんは自信満々に漢語(漢族の言葉)をしゃべっていたのですが、

発音や語彙が普通話からかけ離れすぎていて、これは漢語であるらしい、

という程度しか分りませんでした。私あ外人だからいいんですが、

北京っ子にも通じないってのはすさまじい方言ですよ。

 

テレビやラジオがなかったらお手上げ!

 

現代ではテレビやラジオで気軽に普通話の発音を学べますが、それがなかったら

身近に交流する機会のある人同士でしか言葉なんか通じませんよね。

春秋時代(しゅんじゅうじだい)の呉(ご)王の夫差(ふさ)斉(せい)を攻略しようと

した時に、幕僚の伍子胥(ごししょ)がこう言ってますよ。

「だめです。斉と呉とでは習俗が違い、言葉も通じませんから、

その地に落ち着くこともできなければ民を使うこともできません」

 

言葉が通じなければ民を統治できない?

 

始皇帝(しこうてい)が統一する以前の中国は、バラバラの国に分かれていて

人の行き来も自由じゃなかったでしょうから、しゃべり言葉も土地によって

バラバラだったはずです。始皇帝さん、天下を統一したはいいけれど、

言葉が通じない各地の民をどうやって統治したのでしょうか。

その問題は、文字を統一することで解決されました。

秦が統一する以前は各国で異なる文字を使っていましたが、

始皇帝が文字を統一して、筆談ができるようになったのです。

 

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始皇帝は偉大!

 

中国語のできない日本人ビジネスマンが中国へ出張に行き、

仕事終了後の息抜きに女の子のいる楽しいお店に入った時に、

紙とペンを持って筆談で女の子との交流を図る、なんていう絵面、よく見ませんか?

中国なら漢字が通じるから意思疎通できるんですね。

私の父は中国でトイレに入った時にトイレットペーパーがないことに気づき、

外の人に「無厠所的紙」と書いたメモを差し出したら無事トイレットペーパーを

持ってきてもらえた経験があるそうです。

文法も語彙もちょっぴり変ですが、漢字の字面を見れば意味は通じます。

そんなことができたのも、始皇帝のお影ですね。

始皇帝が統一したばかりの各国の人たちも、こんな要領で

コミュニケーションをとっていたことでしょう。

 

三国志ライター よかミカンの独り言

 

ところで、「ベトナム」という国名、何語だと思いますか?

もちろんベトナム語なんでしょうけど……。

中国語ではベトナムのことを「越南(ユエナン)」と言います。

ベトナムとユエナンは全く別物のように見えますが、「越南」を

日本語の漢字の音読み通りに「エツナン」と読むとどうでしょう。

「エツナン」と「ベトナム」、ちょっと似てますよね。

いずれも「越南」という漢字の古い読み方の音が残ったものです。

ベトナムとエツナンとユエナンが同じものであるというのは耳で聞いただけでは

想像もつきませんが、漢字で「越南」と書いてもらえばナットク。

始皇帝が統一したばかりの中国で、はるか離れた(そ)の人と(えん)の人が

筆談で交流するなんていう光景は、日本人とベトナム人が漢字で筆談する

というくらいのミラクルだったのです。

 

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■古代中国の暮らしぶりがよくわかる■

 

 

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よかミカン

よかミカン

三国志好きが高じて会社を辞めて中国に留学したことのある夢見がちな成人です。 個人のサイトで三国志のおバカ小説を書いております。 三国志小説『ショッケンひにほゆ』 【劉備も関羽も張飛も出てこない! 三国志 蜀の北伐最前線おバカ日記】 何か一言: 皆様にたくさん三国志を読んで頂きたいという思いから わざとうさんくさい記事ばかりを書いています。 妄想は妄想、偏見は偏見、とはっきり分かるように書くことが私の良心です。 読んで下さった方が こんなわけないだろうと思ってつい三国志を読み返してしまうような記事を書きたいです!

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