三国志平話
濡須口の戦い




はじめての三国志

menu

三国志の雑学

九品官人法(きゅうひんかんじんほう)は悪法?どうして曹丕は採用したの?

この記事の所要時間: 330





 

三国志の魏(ぎ)の時代に制定された人材登用制度「九品官人法」

コネのある人ばっかり有利で上級官僚層が貴族化する原因を作った

悪法です(よかミカン独断)。

そんな悪法を、魏の皇帝曹丕(そうひ)はどうして採用したのでしょうか。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:まだ漢王朝で消耗してるの?第4話:九品官人法 陳羣(ちんぐん)

関連記事:陳羣(ちんぐん)って九品官人法以外の実績ってあるの?

 




 

九品官人法ってどんな法?

 

九品官人法では、各土地にいるナイスガイをランク付けする係の

中正官(ちゅうぜいかん)というお役人さんが中央政府によって任命されています。

中正官は自分の任地の人物を一品~九品のいずれかにランク付けし、

中央政府に報告します(最上級の一品にランクされる人はめったにない)。

政府はそのランクによって官吏を登用します。

公務員の役職は一品~九品にランク分けされており、例えば中正官に

二品とランク付けされた人物は最初に四段階下の六品の役職につき、

順調にお仕事をこなしていけば最高で二品までは偉くなれる、という制度です。




 

それのどこが悪法なんでしょうか。

 

これから官職につこうという人たちが、なんにも仕事を始めないうちから

中正官の胸先三寸でどこまで偉くなれるかあらかじめ決められているっていうのは、

おかしな法ですね。こんな人材評価方法は、中正官とコネがあったり、

圧力をかける権力があったり、銭の束で中正官の横っ面をひっぱたいたり

できる人たちの思うがままじゃないですか。

その結果、勢力のある人の子弟ばっかりがいい評価を得られるようになり、

しまいにはパパの官位に準じるような形でランク付けされるようになっていき、

上級官僚層の門閥貴族化につながりました。

どんなに有能でも、代々下級官僚の家柄の人は活躍できなくなっちまいました。

こりゃ悪法ですぜ。

 

三国志の武将に特化したデータベース「はじめての三国志メモリーズ」を開始しました

 

曹丕(そうひ)はどうしてそんな悪法を採用したの?

 

九品官人法は、名士の陳羣(ちんぐん)が魏(ぎ)の皇帝曹丕(そうひ)

献策し、曹丕が認可して施行されました。

曹丕が帝位についてすぐの西暦220年のことです。

パパの曹操(そうそう)が亡くなったのもこの年ですね。

曹操は後継者をなかなか決められずにおり、亡くなる三年前にやっと

曹丕を皇太子に決めました。

その時までは、曹丕と、弟の曹植(そうしょく)との後継者争い状態になっていました。

この時、曹丕を応援してくれていた人たちが、司馬懿(しばい)

陳羣(ちんぐん)などの名士たちでした。

曹丕が皇帝になれたのは名士たちに助けてもらったおかげなので、

曹丕は恩を受けた負い目があって陳羣が提案した九品官人法を

却下できなかったのでしょう。

 

名士ってどんな人たち?

 

私が「名士」という言葉を意識し始めたのは渡邊義浩(わたなべよしひろ)先生の著作を

読むようになってからなのですが(弟子でもなんでもないのに勝手に「先生」と呼ぶ)、

先生のご説明をざっくりまとめますと、名士とは儒教的な教養を身につけて名声を得て

高官についてきた階層の人たちです。

九品官人法施行前の人材登用方法は「郷挙里選(きょうきょりせん)」と言って、

魏の前の後漢(ごかん)王朝が儒教重視の政策をとっていたために

「郷挙里選」でも儒教の徳目を重視した人材登用が行われていたので、

高官についてきた階層の人たちは当然儒教の教養を身につけた人たち

だったわけです。そういう人たちが権力を握って魏を牛耳っていたんやね。

 

名士がゴリ押しした九品官人法

 

わたし思うに、九品官人法は、名士たちが自分らの権威を盤石なものとするために

ゴリ押ししたんじゃないでしょうかね。献策した陳羣は名士でしょ?

自分たちが手助けして皇帝になったばかりの、まだ独自の権力を

確立していない曹丕に、これまでの恩をちらつかせて言うこと聞かせて

九品官人法を認可させて、施行されたら現在の自分たちの権力にものを言わせて

中正官に圧力かけて、自分たちのお仲間の子弟ばかりに高いランク付けさせて、

次代以降もずっとそれを続けていけるように画策したんじゃないでしょうかね。

 

三国志ライター よかミカンの独り言

 

歴史シミュレーションゲーム三國志では、九品官人法が施行されると

内政値が上がるバージョンがあります。

世間一般の評価でも、九品官人法が整備されたのは

曹丕の素晴らしい業績であるかのように思われがちですよね。

でも私ぁそうは思いませんぜ。

曹丕はね、後漢の権力層から力を奪うことに失敗したんですよ。

パパの曹操が目指していた能力主義の方針が水の泡。残念!

※この記事における九品官人法批判は、はじ三で準備中の

企画「はじめての九品官人法」とは一切関係ございません。

「はじめての九品官人法」、乞うご期待っす!

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:陳羣(ちんぐん)ってどんな人?画期的な人材採用法を確立させた魏の政治家

関連記事:試験に出ます!九品官人法(きゅうひんかんじんほう)の理想と弊害

 

■古代中国の暮らしぶりがよくわかる■

 




 

よかミカン

よかミカン

投稿者の記事一覧

三国志好きが高じて会社を辞めて中国に留学したことのある夢見がちな成人です。

個人のサイトで三国志のおバカ小説を書いております。

三国志小説『ショッケンひにほゆ』

【劉備も関羽も張飛も出てこない! 三国志 蜀の北伐最前線おバカ日記】

何か一言:
皆様にたくさん三国志を読んで頂きたいという思いから わざとうさんくさい記事ばかりを書いています。

妄想は妄想、偏見は偏見、とはっきり分かるように書くことが私の良心です。

読んで下さった方が こんなわけないだろうと思ってつい三国志を読み返してしまうような記事を書きたいです!

関連記事

  1. 呂布の武力100以上あっても天下は取れなかった理由
  2. 三国志演義が詳細に描く諸葛孔明の病状とはどんなモノ?
  3. 【諸葛恪の栄光と破滅】最初の成功が人生を狂わせた呉の最高指導者
  4. クーデターが遅すぎた?司馬懿の晩年が満身創痍な件
  5. どもりが酷い鄧艾の隠れた才能!優れた農業政策「済河論」を分かりや…
  6. 曹操の妻はどんな人達だったの?13人を紹介 Part2
  7. 【三顧の礼】孔明トコの天才童子が劉備に冷たすぎる件
  8. 【保存版】三国志に登場する兄弟をドーンと紹介!!【三國志兄弟物語…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 黄忠や厳顔のような老兵は実際に戦争では最前線に立っていたの?
  2. 月刊はじめての三国志2018年2月号 (桃園出版 三国舎)を出版しました
  3. 【はじめてのスキッパーキ】船乗り犬?それとも牧羊犬?意外に謎の多い犬種だった?【第2話】
  4. 諸葛恪は父諸葛瑾に期待されていなかった?
  5. 【シミルボン】びっくり!三国志の時代の役人は役所に五日間缶詰だった?
  6. 蒼天航路では王?正史三国志よりも活躍していた夏侯淵をご紹介

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報

朝まで三国志 三国志最強のワルは誰だ (桃園出版 三国舎)

著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

キングダム 514話 ネタバレ予想:王翦の進路変更の理由とは? 西郷隆盛は大家族!幕末ビッグダディを解説 劉備は本当に大器だったの?三国志演義の主役を斬る 楽進はチビだけどスゴイヤツ背が低いのは不利じゃない! 魏の夏侯惇・許褚・龐徳の息子達は優秀だった?気になる将軍たちの息子事情 本格三国志小説『三国夢幻演義 龍の少年 第3話』7/29(日)配信決定! 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース16記事【9/5〜9/11】 【山内容堂と坂本龍馬】2人の関係は「理想の上司と部下」だったのか?

おすすめ記事

  1. 【武田鉄矢に怒られろ!】坂本龍馬は本当はこんな人だった?
  2. 【孔門十哲】子游(しゆう)とはどんな人?ドヤ顔といえばやっぱりこの弟子
  3. 125話:何で孔明や姜維の北伐は街亭や祁山にこだわったの?
  4. 復讐に燃える曹操は三国鼎立を早める
  5. 黄蓋は苦肉の策だけではない!レッドクリフでも大活躍した黄蓋の逸話
  6. 「文永の役」を超簡単にわかりやすく説明!アンゴルモア元寇合戦記がさらに楽しめる!
  7. 荀攸(じゅんゆう)とはどんな人?地味だけど的確な献策を行った軍師
  8. 実子劉禅(りゅうぜん)と養子劉封(りゅうほう)の明暗

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“西遊記"
PAGE TOP