三国志平話
潼関の戦い特集




はじめての三国志

menu

執筆者:kawauso

【病は気から?】姜維が諸葛亮に延命祈祷を勧めた理由

この記事の所要時間: 36




諸葛亮

 

西暦234年8月、遠征中だった(しょく)丞相(じょうしょう)諸葛亮(しょかつりょう)は陣中で病に伏せります。

三国志演義(さんごくしえんぎ)では、諸葛亮が天文をみて自分の寿命が残りわずかであると察して嘆いた時に、

武将の姜維(きょうい)諸葛亮延命祈祷(えんめいきとう)を行うことを勧め、

諸葛亮はいそいそと祈祷にとりかかっています。

祈祷は諸葛亮が自ら七日のあいだ毎晩「歩罡踏斗(ほこうとうと)」というステップを踏むというハードなもの。

現代人の感覚からすると、利くかどうか分からない儀式で体力を消耗するよりも

安静にしているほうがいいのではと思いがちですが、

諸葛亮や姜維はこの儀式をどの程度信じていたのでしょうか。

 

はじめての三国志全記事一覧はこちら

関連記事:魏延への嫌がらせ人事に込められた諸葛亮の愛

関連記事:諸葛亮の病状に温度差?二つの三国志演義を比較

 

 

諸葛亮は信じていた

諸葛亮は信じていた

 

姜維が延命祈祷を勧めた時、諸葛亮はこう言いました。

「その方法は知っているが天意がどうであるかは分からない」

祈祷を行っても寿命が延びるかどうかは分からない、と、

祈祷の効果を疑っているような口ぶりです。

 

しかし、そう言いつつもいそいそと祈祷に取りかかっていますので、

うまくいくことも充分考えられると思っていたのでしょう。

祈祷は七日間灯明が消えなければ成功するというもので、

六日目の晩になって灯明が消えずにいるのを見た時、

諸葛亮が心中甚だ喜んだという記述がありますので、

こんなもの気休めだというような諦めモードの取り組みではなかったことが分かります。

 

 

合理主義者のはずでは?

諸葛亮は合理主義者のはずでは?

 

諸葛亮は法に基づく公平な政治を行ったことが有名で、また、

自分のお墓には豪華な副葬品は入れるなと言っていた人です。

そんな合理主義的な人が延命祈祷なんて信じていたのかしらと疑わしくなりますが、

三国志演義の諸葛亮は信じていたはずです。

なぜなら、三国志演義の諸葛亮は自分が妖術使いだからです。

赤壁の戦いの時には七星壇の上で儀式を行い風を吹かせていますので、

星を祭ればいろんなことができるというのは彼にとっては常識だったことでしょう。

 

よかミカンが贈る「黒三国志入門」
よかミカンのブラック三国志入門

 

姜維は祈祷を信じていたのか

姜維は祈祷を信じていたのか

 

正史三国志でも三国志演義でも、姜維が神秘的な術を行ったような記述はありません。

姜維の法術に対する考え方は一般人と同じものであったろうと思います。

時々そういう術を行う人がいるという話を聞いたり

デモンストレーションを見たりする機会があったとしても、

本当かな? 手品じゃないのかな? と半信半疑だったのではないでしょうか。

だとすると、自分が信じていない延命祈祷をなぜ諸葛亮に勧めたのかが気になりますね。

 

病は気から

病は気からな孔明

 

三国志演義に描かれている諸葛亮の病状を見ると、

諸葛亮は精神的にショックなことがあった時に吐血をして体調を崩しています。

五年前にも将来に期待をかけていた若手武将が亡くなった時に

嘆きのあまり同じ症状で体調を崩したことがありますが、

その時はただちに遠征を中止して療養に入り健康を回復しました。

姜維がその情報を知っていたとすれば、こう考えたのではないでしょうか。

 

“この病気は、気持ちを落ち着けて安静にしていれば治る……”

 

ところで、目の前の諸葛亮は天文から自分の寿命が残りわずかであると信じ込んで動揺しています。

姜維が星占いやおまじないを全然信じていないとすれば、こう考えたはずです。

“星がどうだって人の寿命と関係あるものか。星を見て動揺していることこそが体に触るのだ”

 

祈祷の心理的効果

祈祷の心理的効果

 

どうにかして諸葛亮の気持ちを落ち着かせたいと考えた姜維は、

諸葛亮が星占いやおまじないを本気で信じていることを逆手にとって

延命祈祷をすすめたのではないでしょうか。

 

姜維自身はおまじないなんて全然信じていなくても、

諸葛亮が信じているならまじないをさせて、儀式が終了したら

“ああよかった! おまじないをしたからこれで治る!”と

安心してもらって健康を回復して欲しかったのだと思います。

気持ちが落ち着いて吐血が止まり患部がふさがれば、

あとはゆっくり体力を回復すれば元気になるはずだと考えたのではないでしょうか。

 

三国志ライター よかミカンの独り言

三国志ライター よかミカンの独り言

 

この延命祈祷、六日目の晩に事故で灯明が消えてしまい、失敗に終わります。

そこで諸葛亮はがっくりして大量に吐血をして死の床についてしまうのですが、

祈祷が成功していればそうはならなかったのではないかなと思います。

 

おまじないをして寿命が延びるなんてありえないよ、と思いつつも、

心理的な効果で一命をとりとめることは充分ありうるだろうなと思います。

本気で星占いを信じている諸葛亮を見て、おまじないでもしたらと勧めた姜維の心境を慮ると、

祈祷失敗の顛末(てんまつ)はとても切ない気がします。

 

はじめての三国志:全記事一覧はこちら

関連記事:姜維と魏延性格は真反対だけど似ている所があった!!

関連記事:【発見】諸葛亮の軍略の後継者は姜維だけではなかった!

 

【赤兎馬はカバだった説に迫る】
赤兎馬はカバ

 

よかミカン

よかミカン

投稿者の記事一覧

三国志好きが高じて会社を辞めて中国に留学したことのある夢見がちな成人です。

個人のサイトで三国志のおバカ小説を書いております。

三国志小説『ショッケンひにほゆ』

【劉備も関羽も張飛も出てこない! 三国志 蜀の北伐最前線おバカ日記】

何か一言:
皆様にたくさん三国志を読んで頂きたいという思いから わざとうさんくさい記事ばかりを書いています。

妄想は妄想、偏見は偏見、とはっきり分かるように書くことが私の良心です。

読んで下さった方が こんなわけないだろうと思ってつい三国志を読み返してしまうような記事を書きたいです!

関連記事

  1. 諸葛亮孔明の愛に溢れた手紙に感動!歴史に残るほどの親バカぶりに思…
  2. 曹操と劉備はどうしてライバル扱いなの?【三国志の素朴な疑問】
  3. 102話:成長した張飛、計略で張郃を撃ち破る
  4. 三国志の時代の県とはどんな構造なの?県城の生活は快適だった?
  5. 三国志時代の笑い話は腹がよじれるほどシュールだった!?
  6. 楊貴妃(ようきひ)とはどんな人?玄宗皇帝を夢中にさせた世界三大美…
  7. 強力な曹操の脅威に呉・魯粛と蜀・孔明の思惑が一致
  8. 絶対ダメ!三国時代に流行していたドラッグ!?漢方薬を違法ドラッグ…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

おすすめ記事

  1. 【キングダム ネタバレ予想 529話】遼陽城に巣くう連中の正体とは?
  2. 【お知らせ】はじめての三国志メモリーズに周瑜を追加しました
  3. 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース21記事【7/3〜7/9】
  4. 赤壁の戦いに曹操軍が敗北した原因って実は火計じゃなかった!?
  5. 蜀はなぜ北伐に乗り出したの?その目的は?
  6. 大奥の規模はどの位あったの?

三國志雑学

  1. 李儒と三国志
“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

【おんな城主・井伊直虎を見逃した方へ】第26話「誰がために城はある」の見どころ紹介 【三国志由来!】一歳の誕生日占い抓周とはどんなモノ ここを押さえれば大丈夫!NHK大河ドラマ『真田丸』を100倍楽しむ方法! 成蟜(せいきょう)ってどんな人?史実の通り策士な政(始皇帝)の弟 『三国志』をもっと面白く読むためには他の時代も勉強すべき! 孫臏の魔術がスゴイ!どの国からも侮られていた斉兵を強兵に変えた改革 島津久光(しまづ ひさみつ)とはどんな人?西郷隆盛の生涯のライバル? 【優劣対決】戦国武将小早川秀秋 VS 蜀の二代目皇帝劉禅一体どちらが優れていたのか。PART3

おすすめ記事

  1. 【9月の見どころ】9月に公開予定:三国志平話の世界
  2. 【はじさん編集部】第3話 大三国志スキルカイトルで一攫千金の巻!
  3. 【アニメで分かる三国志】劇場版「魔法少女まどか☆マギカ」を見れば「仁」と「義」の言葉の意味が良く分かるってホント??
  4. キングダムネタバレ572話「カタリの仇」レビュー解説
  5. 【応仁の乱】 東軍と西軍の大衝突!東岩倉三宝院の戦い
  6. 郭淮(かくわい)ってどんな人?蜀軍との戦いに明け暮れた魏の重鎮の司令官 魏の旗をバックに戦争をする郭淮は魏の将軍
  7. 【諸葛亮の北伐】精鋭部隊をミエル化
  8. 『論語』に見える親孝行のすすめとは?

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“邪馬台国"

“三国志人物事典"

PAGE TOP