キングダム
濡須口の戦い




はじめての三国志

menu

春秋戦国時代

戦国策【燕策】人の弱みに付け込み交渉を有利に進めるの巻




戦国七雄の地図

 

戦国の七雄、(かん)()(ちょう)(えん)(せい)()(しん)のうち最弱と言われている韓。

韓は秦や楚といった強国に囲まれており、いつもビクビクしていたと言われています。

しかし、たしかに最弱でビクビクしていたかもしれませんが、韓にも様々な遊説家たちが集まっていました。

今回は韓での遊説家たちのエピソードを『戦国策』韓策よりご紹介します。

 

関連記事:【キングダムを更に楽しむ】六国で秦を倒せるような国はあったの?

関連記事:【キングダムで話題】戦国七雄の神武将7人を紹介

 

 

私は嘘つきだと思われているから

 

ある日、韓の相・公仲(こうちゅう)に周の臣である顔率(がんそつ)が会いに来ました。

 

ところが、公仲は顔率と会おうとしません。

 

そこで顔率は取次役に次のように話しました。

 

「公仲殿は私のことを嘘つきだと思っているからお会いしてくれないのでしょう。

公仲殿は婦人を好みますが、私は公仲殿のことを立派な士がお好きな人だと言ってきましたし、

公仲殿は度を過ぎた倹約家ですが、私は公仲殿のことを太っ腹な人だと言ってきましたし、

公仲殿は平気で道に外れたことをする人ですが、私は公仲殿のことを義を好む人だと言ってきました。

これからは正直にありのままに話すことにしようかな。」

 

さて、取次役が公仲に顔率の言葉を伝えると、公仲はそそくさと立ち上がって顔率に会いに行ったのでした。

 

これは韓ではなく、周の臣・顔率のお手柄話ですね。

 

それにしても顔率の言葉に動揺するあたり、公仲はかなり困った人みたいですね…。

 

 

秦を軽んじてはいけない

秦

 

ある人が韓の相・公叔の外交の姿勢について次のように諫言しました。

 

「舟に乗り、舟が漏るのを塞がないで放っておけば舟はいずれ沈んでしまいます。

しかし、漏る舟を塞いでも、大波を軽んじていれば舟はひっくり返されてしまいます。

今、公叔さまは斉の相・薛公と同盟を組むことばかりに気をとられ秦を軽んじてしまっています。

まさに漏る舟を塞いで大波を軽んじている状態です。

なにとぞご推察くださいますように。」

 

ある人というのは韓の臣、もしくは韓の将来を真剣に思う遊説家(ゆうぜいか)でしょう。

韓の最高位に就く人物に巧みな比喩を用いて諫言する姿勢は大変立派なものですね。

 

—熱き『キングダム』の原点がココに—

春秋戦国時代  

カササギをカラスと言うことは…

カラス

 

韓の臣・史疾(ししつ)が使者として楚に出かけました。

楚王は史疾と会うと次のように尋ねました。

 

「あなたはどのような道に従い、何を貴ばれていらっしゃるのかな?」

 

史疾は

列子(れつし)の教えを修め、正しいということを貴びます。」

と答えました。

 

すると楚王は

「正しいということで国が治められるかな?

楚の国には賊が多いが、正しいということだけで賊が防げますかな?」

と尋ねました。

 

これに対し、

「できます。」

と答える史疾。

 

本当かよと思った楚王は(いぶか)し気。

 

そんな楚王に

今度は史疾から次のように質問をしました。

 

「楚の人は、あの鳥を何と呼んでいますか?」

 

楚王は

「カササギと呼んでいる」

と答えました。

 

史疾は更に

「あれをカラスと呼ぶのはいかがですか?」

と畳みかけます。

 

「それは正しくない」

と答える楚王。

 

この楚王の返事を聞いた史疾は楚王を次のように諭しました。

 

「楚王さまのお国には柱国(ちゅうこく)令尹(れいいん)司馬(しば)典令(てんれい)といった官職があり、これらを任じるにあたっては

廉潔(れんけつ)にして任にたえる』とおっしゃるでしょう。

しかし、今では盗賊が横行していてしかもそれらを取り締まることができない。

これはカラスがカラスでなく、カササギがカササギではなくなってしまっているということです。」

 

史疾は楚王が重要な官職に就ける人物選びを間違っているから国を脅かす賊を取り締まることができていないとバッサリ言い切っています。

韓の使者としてナメられないように軽くジャブを入れてやったつもりなのでしょうがなかなか強烈ですね。

 

その後、韓と楚の交渉がどのように進んだか気になるところです。

 

秦に美人と黄金を贈ったら…

後宮の階級

 

外交上手かに思える韓ですが、こんな失敗エピソードも。

 

韓は秦が目障りで仕方がありません。

大国・秦は存在しているだけで脅威ですからね。

 

しかし、ある時韓は秦によしみを通じようと考えます。

そのためにはやはり金が必要だと考えた韓は美人を売りに出して金を稼ぐことにしました。

 

しかし、その美人を買ったのは秦。

 

その上、韓は美人を売った金をそのまま秦に献上するという珍プレーを見せます。

これで秦の信頼を得られたのであれば、まぁ良い買い物をしたくらいのものだったのかもしれませんが、なんと売られた美人が

「韓が秦が大っ嫌いなんですのよ」

なんて喋りまくっていたために韓は結局秦の信頼を得ることができず、

かえって不信感を抱かれることになってしまったのでした。

 

三国志ライターchopsticksの独り言

三国志ライターchopsticksの独り言

 

優秀な人も多かったようですが、どこか抜けた人も多かったらしい韓。

七雄の中で最弱と言われた所以は悪い意味での人材の豊かさにあったのかもしれませんね…。

 

関連記事:キングダムでついに韓非子の名が!韓非子ってなに?

関連記事:これであなたも知ったかぶり!春秋時代をザックリ紹介!

 

【劉邦 vs 項羽】
楚漢戦争

 




chopsticks

chopsticks

投稿者の記事一覧

清朝考証学を勉強中。
銭大昕の史学考証が専門。
片田舎で隠者さながらの晴耕雨読の日々を満喫中。

好きな歴史人物:
諸葛亮、陶淵明、銭大昕

何か一言:
皆さんのお役に立てるような情報を発信できればと思っています。
どうぞよろしくお願いいたします。

関連記事

  1. 【秦の最強武将・白起】無敵の白起将軍の残念な最後
  2. 冒頓単于(ぼくとつぜんう)とはどんな人?漢帝国の宿敵で匈奴の名君…
  3. 秦の始皇帝の時代ってどんな時代?分りやすく解説するよ
  4. 【戦国四君にまつわる逸話】趙の貴公子・平原君って人を見る目がなか…
  5. 周瑜はナルシスト 戦国時代の詩人屈原に学ぶ自分大好きメンタル開発法
  6. 春秋戦国時代初期の名軍師・范蠡の名言:狡兎死して走狗煮らる
  7. 呉起(ごき)とはどんな人?各国を渡り鳥のように移った天才兵法家
  8. 【キングダムネタバレ】ちょ~先読み!桓騎(かんき)李牧(りぼく)…

google検索フォーム

過去記事を検索できます

ピックアップ記事

  1. 三国志ライター黒田レン

おすすめ記事

  1. 司馬昭(しばしょう)とはどんな人?三国時代終焉の立役者でもあり司馬懿の次男
  2. 【水滸伝】こいつらが憎っくき悪役達だ!!
  3. 曹操が嫌われた本当の理由は価値観の相違だった
  4. 【週間まとめ】はじめての三国志ニュース19記事【11/14〜11/20】
  5. 的盧は名馬なの?凶馬なの?劉備と龐統(ホウ統)の死
  6. 三国志は2つある!正史と演義二つの三国志の違いとは?

三國志雑学

“はじめての三国志150万PV" はじめての三国志コミュニティ総合トピック
“広告募集"

はじめての三国志 書籍情報


著:kawauso 価格480円
※Kindle読み放題対応

ピックアップ記事

おすすめ記事

三国志の時代のお祭りは、どんな様子だったの? 呂不韋の成功哲学!自ら立てた計画とは? 15話:神をも畏れぬ暴虐非道後漢をブッ壊した独裁者・菫卓 日本で一番すごい武将?敵中を突破して帰国した猛将・島津義弘の武勇伝 明智光秀は鉄砲の名人 麒麟がくる 明智光秀が初陣?で籠城した田中城とは?米田文書は信用できる? 潘濬(はんしゅん)とはどんな人?劉備から孫権に主を代えるも孫権に忠義を尽くした硬骨漢 連環の計って、どんな作戦? スケベには回避不能?董卓を滅ぼした貂蝉の連環の計

おすすめ記事

  1. 諸子百家って何?春秋戦国時代に花開いた思想の数々をご紹介
  2. 【リアルチート】光武帝・劉秀(りゅうしゅう)ってどんな人?優れた政策と逸話 Part.3
  3. 武田信玄の経済政策は領民にも支持されていた! 真田丸 武田信玄
  4. 幾島とはどんな人?篤姫の尻を叩いて将軍後継者問題を進めた女スパイ
  5. 曹操のテストを見事クリアした王族・劉曄(りゅうよう)の逸話
  6. キングダム541話 ネタバレ予想「藺相如側近 堯雲の実力は?」
  7. 曹操の徐州大虐殺の真相には諸説あり?
  8. 陸遜と趙雲は本当に有能だったの?英雄を徹底分析

はじさん企画

袁術祭り
李傕祭り
帝政ローマ
広告募集
まだ漢王朝で消耗してるの?
HMR
ライフハック
君主論

ビジネス三国志
春秋戦国時代
日常生活
曹操vs信長
架空戦記
ライセンシー
北伐
呂布vs項羽
編集長日記
はじめての三国志TV
“曹操孟徳" “黄巾賊" “赤壁の戦い" “THE一騎打ち" “夷陵の戦い" “kawausoのぼやき記事" “よかミカンのブラック三国志"
“邪馬台国"

“三国志人物事典"

PAGE TOP