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キングダム590話最新ネタバレ雑学「必殺!兵糧燃やしは史実なの?」

2019年2月16日


 

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キングダム53巻

 

キングダム589話は、衝撃の必殺兵糧燃やしで幕を開けてしまいました。

まるで橑陽(りょうよう)の戦いの意趣返しのように、避難民の列に紛れた王翦(おうせん)の配下の十二名が苦心の末に東西南北にある兵糧倉庫を焼き払ったのです。

これであっさり、李牧の優位は根底から崩れてしまいました。

しかし、兵糧を燃やして戦況を逆転させるという以下にも都合のよい戦法は史実に本当にあるのでしょうか?

 

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム590話最新ネタバレ雑学 桓騎も兵糧取られて負ける!

 

二度も兵糧ネタで戦争の決着が着く事で、或いは読者の皆さんは食傷気味かも知れません。

しかし、この兵糧ネタ、二度ある事は三度あるになりそうです。

それというのも、この朱海平原の三年後、桓騎(かんき)は趙の領地である()を攻めている時に李牧(りぼく)によって、抑えていた拠点の宜安(ぎあん)を襲撃され、

そこに置いてあった兵糧をすべて奪われてしまうのです。

 

万事休止の桓騎は、ヤケクソで軍勢を取って返し宜安を再奪還にかかりますが、すでに準備万端を整えていていた李牧は、

宜安の兵に桓騎の兵を相手に、わざと迎撃して城門を開くように命じ、浮足立った桓騎は陽動に乗ってしまい

背後の伏兵に気づかず、完全に包囲されて殲滅させられます。

平たく言ってしまうと、桓騎もまた兵糧ネタで負けてしまうのです。

これこそ、二度ある事は三度あるではないでしょうか?

 

キングダム590話最新ネタバレ雑学 奪えないなら焼いてしまえ

 

兵糧に限らず敵の物資を焼き捨てるという行動は手間いらずで有効な手法でした。

キングダムの時代ではありませんが、三国志の時代には董卓(とうたく)という男が、漢の帝都であった洛陽を焼き払って、西の長安に撤退し

戦利品を目当てに頑張っていた反董卓連合軍の士気を大きく挫く事に成功しました。

 

元祖、兵糧焼き捨てとしては、西暦200年の官渡(かんと)の戦いで圧倒的に物量で不利だった曹操(そうそう)が、袁紹(えんしょう)軍の食糧倉庫がある烏巣(うそう)の情報を得て

ここを軽騎兵5000で急襲して焼き払い、奇跡の逆転勝利を収めます。

 

西暦222年から223年にかけて行われた夷陵(いりょう)の戦いでは、蜀帝、劉備(りゅうび)が呉の領地の奥深くまで大軍を進めて補給線が伸び切ったところを

呉の陸遜(りくそん)が火攻めで幕舎を焼き払い、劉備は命からがら落ち延びて白帝城で病没する事になります。

 

このように可能であれば敵の物資を奪い、それも無理なら焼き払うのは特に不利な戦況におかれた側の常とう手段で何度も行われています。

 

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キングダム590話最新ネタバレ雑学 ナポレオンも兵糧攻めで負けた

ナポレオンと曹操

 

中国ばかりではなく、ヨーロッパでも派手に全てを焼かれて敗北した武将がいます。

フランス皇帝、ナポレオン・ボナパルトは、1812年の9月14日、ロシア遠征の途中で大都市であるモスクワを陥落させます。

当時、ナポレオンは60万という史上空前の大軍を率いていましたから、モスクワを落とす事で、大量の軍需物資を得られると楽観していたのです。

ところが、ロシア軍はそれを逆手に取り、4日間にわたりモスクワの各地に火をかけて木造建造物も食料も焼き払い、

兵士をまとめて逃げてしまいました。

 

モスクワを陥落させれば物資も手に入り、ロシアも降伏させられると信じたナポレオンは徹底した焦土作戦により全ての前提がひっくり返り、

やがてやってきた冬将軍に負け撤退を余儀なくされます。

退却するナポレオンに、ロシアはコサック騎兵により容赦ない追い打ちをかけ38万人という空前の戦死者を出して敗北したのでした。

これなどは、董卓と曹操の作戦を足したような戦術ですが、相手が大軍であればあるだけ補給に困っていればいるだけ、効果を発揮する作戦と言えますね。

 

 

キングダム590話最新ネタバレ雑学 水があるように見せかける

 

兵糧以上に必要不可欠なのは水です、ですので、水を断たれた軍隊は崩壊寸前にあると言えるでしょう。

しかし、逆にそれを利用して敵を退却させた話もあります。

琉球の戦国時代、安慶名城(あげだじょう)は敵の包囲を受けて落城寸前でした。

こちらの城には井戸がなく水を近くの天顔川に頼っていたので、包囲軍は包囲を続けていれば、やがて飢えと渇きから

城は落ちると楽観していたのです。

 

この作戦は的中していて、安慶名城の城主、大川按司は渇きに悩み降伏を考えますが部下に知恵者がいて一計を案じました。

彼は、城の中で飼っている馬を外に連れ出し水浴びをさせている風で米をかぶせたのです。

これを遠目から見た包囲側は、

「ダメだ、安慶名城には馬に水浴びさせる程に水があるぞ」と落胆し包囲を解いて撤退してしまったそうです。

 

キングダム590話最新ネタバレ雑学 兵糧は生命線

棗祇(そうし)食料・兵糧担当

 

キングダムでは、物語の都合上、度々成功する兵糧焼き捨てですが、実際にはそう簡単に成功するものではありません。

当時の軍隊というのは、食べさせてやる事が最低条件でしたから、食えなくなれば、あっというまに崩壊してしまうのです。

まあ、崩壊するだけならまだしも、食わせてやる事を条件に味方兵が丸ごと敵に寝返る可能性だってあるわけで、

食糧が途切れれば、司令官は戦争どころか自分の首を心配しないといけない事態になるのです。

ですので、実際には、そうそう簡単に兵糧を焼かれるようなヘマは起きないと考えた方がよさそうです。

 

キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言

 

兵糧焼き払いについて、中国のみならずヨーロッパや琉球の事例について紹介しました。

人間は食べていかないと生きていきませんから、その食糧や水を奪えば、容易に敵軍を撃破できるという事です。

しかし、実際には相手も、そうならない為に必死ですから、漫画のように、早々簡単に兵糧が焼かれる事はないと考えてよさそうです。

 

前回記事:キングダム589話最新ネタバレ予想vol2「河了貂の戦術大予想」

 

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kawauso編集長

kawauso編集長です。 はじ三の中の人です。 様々なトピックを立てますが 盛り上がらない時には ごめんね。 大体、咬まないので 気軽にからんでもらえると 嬉しいです。

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