大人気春秋戦国時代漫画キングダム。いよいよアニメの第3シリーズも開始されキングダム史上空前の激闘五カ国合従軍による函谷関の戦いが放送されました。それはそうとして、皆さんは史実の函谷関の戦いどうして発生したかご存知でしょうか?
秦が強大だから六国で力を合わせ滅ぼそうとした?では半分しか正解ではありません。実は、函谷関の戦いは白老蒙驁のせいで引き起こされた可能性が高いのです。
この記事の目次
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- キングダム640話ネタバレ予想祝アニメsp「合従軍は秦だけを攻撃したのではない」
- キングダム640話ネタバレ予想祝アニメsp「蒙驁の魏攻めが合従軍の引金」
- キングダム640話ネタバレ予想祝アニメsp「史実では燕は不参加だった?」
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- キングダム640話ネタバレ予想祝アニメsp「合従軍の盟主は楚の孝烈王」
- キングダム640話ネタバレ予想祝アニメsp「史実では具体的な戦いの記録がない」
- キングダム640話ネタバレ予想祝アニメsp「函谷関は4度も攻められていた」
- キングダム640話ネタバレ予想祝アニメsp「本当の敵は函谷関ではない?」
- キングダム640話ネタバレ予想祝アニメsp「蕞攻めは焦った合従軍最期の賭け」
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- キングダム(春秋戦国時代)ライターkawausoの独り言
キングダム640話ネタバレ予想祝アニメsp「合従軍は秦だけを攻撃したのではない」
私達は合従軍と言うと、秦vs他の六国の戦いと無意識に思い込んでいますが、実際には合従軍は常に秦を標的にしたものではありませんでした。
実際、紀元前284年には、燕、趙、魏、韓、秦の五ヶ国が合従して斉を攻撃して崩壊寸前まで追いやっていますが、この時には燕の楽毅が盟主として傍若無人な斉の湣王を討つとして秦も合従軍に加わっているのです。
ただ、紀元前280年以後は、合従軍と言えば、もっぱら秦を倒す為の連合軍を意味するようになります。そしてその切っ掛けは白老蒙驁の戦いなのです。
キングダム640話ネタバレ予想祝アニメsp「蒙驁の魏攻めが合従軍の引金」
司馬遷の史記秦始皇本紀によると、紀元前242年、蒙驁が魏を攻めて、酸棗、燕、虚、長平、雍丘、山陽を攻めて、みな、これを陥れ、20カ城を取って初めて東郡を置いたという記録が出てきます。
簡単に言えば蒙驁が魏を攻めて、その主要な城を落としたというそれだけの意味なんですが、この魏という国は大きくはないものの、中華のど真ん中に位置し、燕を除く五カ国と国境を接しているという難しい局面に置かれている国でした。
蒙驁は、この魏を攻めて20カ城を取り、そこを秦の領地に組み込んで東郡を置いたわけですから、それは取りも直さず、秦が燕以外の五カ国と国境を接したという意味になります。この事が秦に対して融和的な斉以外の五カ国の警戒心に火をつけ、合従軍結成の引金になったのです。
秦としては五カ国に喧嘩を売るつもりで東郡を置いたのではありませんが、少々不用意な行動で、蒙驁は藪を突いて蛇を出してしまったわけですね。
キングダム640話ネタバレ予想祝アニメsp「史実では燕は不参加だった?」
アニメキングダムの函谷関攻防戦では、燕もオルド将軍を派遣しているのですが、史記の始皇本紀には燕の名前は見られません。逆に衛という滅亡寸前の小国の名前が記されています。ちょっと考えると、衛なんて小国が合従軍に参加して何の意味があるのだろう?と疑問に思ってしまいそうですが、実は意味がない事もないのです。
というのも衛は弱小国ながら、その建国の歴史は古く、周の武王の同母弟の康淑封が先祖でした。すでに秦の昭襄王により周王室が滅ぼされている今、五カ国が担げるとすれば、次に歴史が古く周王室に連なる衛が適任なわけで、合従軍に箔をつけようと従軍させた可能性はあります。
ただ、始皇本紀の記述は、やはり燕で衛とはただの誤字の可能性もあります。
というのも、同じ頃の趙世家という趙の歴史書では龐煖が趙・楚・魏・燕の四カ国軍の精鋭を率いて秦を攻め、蕞を包囲したが攻め落とせなかったと記録されるからです。
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