キングダム640話ネタバレ予想「函谷関の戦いの原因は蒙驁?」


 

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函谷関

 

大人気春秋戦国時代漫画キングダム。いよいよアニメの第3シリーズも開始されキングダム史上空前の激闘五カ国合従軍(がっしょうぐん)による函谷関(かんこくかん)の戦いが放送されました。それはそうとして、皆さんは史実の函谷関の戦いどうして発生したかご存知でしょうか?

 

秦が強大だから六国で力を合わせ滅ぼそうとした?では半分しか正解ではありません。実は、函谷関の戦いは白老蒙驁(はくろうもうごう)のせいで引き起こされた可能性が高いのです。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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キングダム640話ネタバレ予想祝アニメsp「合従軍は秦だけを攻撃したのではない」

キングダム 戦国七雄地図

 

私達は合従軍と言うと、秦vs他の六国の戦いと無意識に思い込んでいますが、実際には合従軍は常に秦を標的にしたものではありませんでした。

 

実際、紀元前284年には、、趙、、韓、秦の五ヶ国が合従して斉を攻撃して崩壊寸前まで追いやっていますが、この時には燕の楽毅(がくき)が盟主として傍若無人な斉の(びんおう)を討つとして秦も合従軍に加わっているのです。

楽毅

 

ただ、紀元前280年以後は、合従軍と言えば、もっぱら秦を倒す為の連合軍を意味するようになります。そしてその切っ掛けは白老蒙驁の戦いなのです。

 

キングダム640話ネタバレ予想祝アニメsp「蒙驁の魏攻めが合従軍の引金」

炎上する城a(モブ)

 

司馬遷(しばせん)の史記秦始皇本紀によると、紀元前242年、蒙驁が魏を攻めて、酸棗(さんそう)、燕、(きょ)、長平、雍丘(ようきゅう)山陽(さんよう)を攻めて、みな、これを陥れ、20カ城を取って初めて東郡を置いたという記録が出てきます。

簡単に言えば蒙驁が魏を攻めて、その主要な城を落としたというそれだけの意味なんですが、この魏という国は大きくはないものの、中華のど真ん中に位置し、燕を除く五カ国と国境を接しているという難しい局面に置かれている国でした。

蘇秦(そしん)は合従連衡を行った

 

蒙驁は、この魏を攻めて20カ城を取り、そこを秦の領地に組み込んで東郡を置いたわけですから、それは取りも直さず、秦が燕以外の五カ国と国境を接したという意味になります。この事が秦に対して融和的な斉以外の五カ国の警戒心に火をつけ、合従軍結成の引金になったのです。

内容に納得がいかないkawauso様

 

秦としては五カ国に喧嘩を売るつもりで東郡を置いたのではありませんが、少々不用意な行動で、蒙驁は(やぶ)を突いて蛇を出してしまったわけですね。

 

キングダムネタバレ考察

 

キングダム640話ネタバレ予想祝アニメsp「史実では燕は不参加だった?」

「燕」の旗を持った兵士

 

アニメキングダムの函谷関攻防戦では、燕もオルド将軍を派遣しているのですが、史記の始皇本紀には燕の名前は見られません。逆に(えい)という滅亡寸前の小国の名前が記されています。ちょっと考えると、衛なんて小国が合従軍に参加して何の意味があるのだろう?と疑問に思ってしまいそうですが、実は意味がない事もないのです。

幕末 魏呉蜀 書物

 

というのも衛は弱小国ながら、その建国の歴史は古く、周の武王の同母弟の康淑封(こうしゅくふう)が先祖でした。すでに秦の昭襄王により周王室が滅ぼされている今、五カ国が担げるとすれば、次に歴史が古く周王室に連なる衛が適任なわけで、合従軍に箔をつけようと従軍させた可能性はあります。

 

ホウ煖(龐煖)

 

ただ、始皇本紀の記述は、やはり燕で衛とはただの誤字の可能性もあります。

というのも、同じ頃の趙世家という趙の歴史書では龐煖(ほうけん)が趙・・魏・燕の四カ国軍の精鋭を率いて秦を攻め、(さい)を包囲したが攻め落とせなかったと記録されるからです。

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kawauso

台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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