趙雲が万能として劉備や諸葛亮に愛されたわけ

2020年4月25日


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趙雲が諸葛亮に愛されたわけ(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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趙雲の立場とは

蜀志(蜀書)_書類

 

繰り返しますが、実際に趙雲の記述は正史にはほとんどありません。多くは趙雲別伝のものであり、注釈を除いてから正史を見ると趙雲の記述はとても簡素なものです。

 

五虎大将軍の趙雲

 

また三国志演義では五虎将軍にも任命されている趙雲ですが、実際に正史を追っていくとこの頃の趙雲の立場は他の人物よりも低いのではと推測されます。意外かもしれませんがこの頃には魏延(ぎえん)漢中(かんちゅう)太守(たいしゅ
)
に任命されていることもあり、彼よりも下の地位にあるんですね。

 



趙雲別伝の信ぴょう性

三国志演義_書類

 

さて度々趙雲別伝と出てきますが、実はこの趙雲別伝は信ぴょう性が疑われています。というのも趙雲別伝と正史三国志を比べて見てみると、重要な箇所であるはずの趙雲が劉備に仕えた時期が違っている、北伐で降格されたのに褒章(ほうしょう
)
を受けて諸葛亮に褒められている、趙雲別伝ではやたら活躍しているなど、齟齬(そご)が大きく、この趙雲別伝は趙雲の家伝を改編したのでは……という意見も少なからずあるのが現状です。

 

趙雲の「万能さ」

劉備を徹底サポートする趙雲

 

と、書いてくると「趙雲は万能なの?」と思われることでしょう。しかし蜀史にはちゃんと趙雲に対して「重厚な性質で、選り抜きの兵士を率い、何度も勲功をたてた」との記述もしっかりとあります。つまり個人的には趙雲は地位などでの評価はあまりされていなかったが、それでも(しょく)に良く尽くしていた人物だったのではないでしょうか。

 

桃園の誓いをする劉備、張飛、関羽

 

蜀は難しい国です。関羽(かんう)張飛(ちょうひ)は劉備と付き合いが長く、黄忠や馬超(ばちょう)魏延(ぎえん)らは新参(しんざん)と言えど重要箇所で評価されるべき働きをしている。そういった意味で趙雲の評価はどうしても後回しに、目立たないようにされていたのではないでしょうか。

 

孔明(諸葛亮)から重宝される趙雲

 

しかしそんな中でも忠義を尽くした趙雲は、他の武将たちよりも諸葛亮(しょかつりょう)にとってありがたく、信頼できる武将だったのかもしれません。そういう意味ではどんな注文にも答えてくれる柔軟さが趙雲という武将にはあったのではないか、そう思わずにはいられないのです。

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

因みに全く関係はありませんが、戦国武将で万能の武将と言われると丹羽長秀(にわながひで
)
さんが一番に思いつきますね。

 

織田信長から信頼を受ける丹羽長秀

 

何が起こっても信長の思うように適切に対処できる、そんな武将だと思います。そういう使い勝手の良さが趙雲にはあったのかもしれませんね。

 

参考:蜀書趙雲伝 趙雲別伝

 

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蜀のマイナー武将列伝

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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