『国盗り物語』は、NHKの大河ドラマとして最も有名な作品の1つです。昭和48年(1973年)に放送されました。
え!?産まれてないですって?
でも、大丈夫です。まさに今、令和2年(2020年)に放送されている大河ドラマ『麒麟がくる』と主な登場人物が同じなのです!
そう、斎藤道三、織田信長、明智光秀。この3人を軸に描かれました。今回は、そんな『国盗り物語』を観ていない人にも分かりやすくご紹介していきます。
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『国盗り物語』はダブル主演だった。
『国盗り物語』は、前半の主人公が斎藤道三、後半が織田信長と主役が交代していく構成になっています。また、明智光秀は、斎藤道三の甥とされ、手塩にかけられ育てられます。
織田信長は斎藤道三の後継者というポジション。斎藤道三亡き後、明智光秀は織田信長の家臣となりますが、最終的には本能寺で殺してしまうという流れですね。このように、明智光秀は、全体を通して重要な脇役となっています。現在の大河ドラマ『麒麟がくる』では、その明智光秀が主人公です。主役と脇役を入れ替えて、物語を裏側から見てみるという感じでしょうか。
国盗り物語の原作は司馬遼太郎
『国盗り物語』の原作は司馬遼太郎です。「竜馬がゆく」「燃えよ剣」「坂の上の雲」などの名作を書いた大作家ですね。そのタイトルどおりの「国盗り物語」を中心にしていますが、エピソードしては、「新史太閤記」「功名が辻」「梟の城」「尻啖え孫市」などの作品からも採用されているとのことです。
小説でも同じように、前半が斎藤道三、後半が織田信長を中心に描かれています。が、テレビ版の大河ドラマでは、どちらかというと織田信長がメインです。なぜでしょうか。
斎藤道三よりも織田信長の方が人気があったから
当然の考え方でしょうね。日本人が最も好きな戦国大名の織田信長。それに比べて、斎藤道三はあまり有名ではありませんでした。しかも、下克上を行ってのし上がっていくという斎藤道三のダーティーなイメージは万人受けしにくいように思ったのでしょう。
また、美濃一国というスケール感も、信長の天下統一の壮大さにはかないませんね。戦国ファンや、ダークヒーロー好きからは人気なんですが。司馬先生も、力を入れて書いたのは斎藤道三編だったようです。まあなんのかんのありまして、後半を厚くして織田信長メインで行こうとなりました。そして、キラキラした若手俳優たちを多く配役したのです。
国盗り物語の配役一覧(キャスト)
織田信長は高橋英樹さんで当時29才。
明智光秀を演じた近藤正臣さんは31才。
豊臣秀吉の火野正平さんは23才。
濃姫(斎藤道三の娘で織田信長の妻)には松坂慶子さんが21才で抜擢されます。
これにより、老いて力を失っていく斎藤道三に対して、新しい時代を切り開いていく若者たちというイメージがさらに強くなったのです。
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