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匈奴とは何?彼らと三国志の繋がりについて解説

2020年8月28日


はじめての三国志_ページネーション

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匈奴とは何?(1P目)

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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三国志の匈奴

蔡琰

 

そんな匈奴は異民族として三国志にも出てきます。有名なところで言うと魏の蔡文姫(さいぶんき)、彼女を一時期妻としていた左賢(さけんおう)劉豹(りゅうひょう
)
、そしてその息子である劉淵(りゅうえん
)
がかなり重要人物として出てきますね。そしてこの名前に違和感を持った人もいることでしょう。劉豹の代から部族名を捨て、劉姓を名乗っていたのです。

洛陽城

 

そしてこの劉淵、洛陽(らくよう)で育った匈奴のプリンスがかなりどでかいことを成し遂げます。そう、彼は「初めて中華に異民族が皇帝の王朝を打ち立てた」人物なのです。

 

天は匈奴を見捨てなかった!

漢王朝として独立した劉淵

 

劉淵は匈奴のプリンスですが、その生涯は洛陽で過ごしたものです。なので異民族でありながら漢民族の文化や政治に精通しており、自らを「太祖(たいそ
)
劉邦(りゅうほう)の義兄弟の後裔」であるとし、国号を「漢」と定めるなど、かなり漢の形式に精通、悪く言えば良く利用していることが伺えます。

 

司馬昭の質問に回答する劉禅

 

因みに劉禅(りゅうぜん)にも「孝懐(こうかい)皇帝」と諡号(しごう)していますね。そんな劉淵(りゅうえん
)
は気前が良く、労わり深い人物で人気があり、五部の匈奴の内でも満場一致でリーダーと認められるだけでなく「天が匈奴を見捨てているならば劉淵のような英雄が生まれることはなかった」とまで言われる好漢でした。

 

そんな劉淵がまさかの!

三国志平話

 

さてそんな劉淵、面白い話があります。三国志演義の下敷きとなったとも言われる、三国志平話(さんごくしへいわ)。なんとここで劉淵は劉禅の実子という設定で出てきて、関羽(かんう)張飛(ちょうひ)の子孫たちと共に晋を討ち果たして見事に漢室復興!というナイス展開というかすごい発想というか……とにかくそんな設定で登場します。

関羽、劉備、張飛の桃園三兄弟

 

ただこれを見るとやはり劉関張の三兄弟は民間で人気があり、そのイメージが色濃く反映されているのだなぁ……と思えて、桃園結義(とうえんけつぎ)と合わせてしみじみとせずにはいられなくなりますね。

 

三国志平話

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

今回は匈奴について、かなりざっくりとですがご紹介させて頂きました。匈奴は三国志だけでなく、その前の時代から深く関わってきた民族です。そしてその中でも劉淵は三国志平話に出てくる存在であり、当時としてもかなり認知されていた人だったのでしょう。三国志だけだとどうしても他の武将に目を奪われがちですが、こう言った異民族たちにも長い歴史と面白い背景があるのは興味深いですね。

 

参考文献:漢書匈奴伝 後漢書南匈奴列伝

史記秦本紀 秦始皇本紀、高祖本紀 匈奴列伝

晋書劉元海載記 三国志平話

 

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晋王朝のマイナー武将

 

 

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セン

セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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