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この記事の目次
本当に孟獲は七回も戦ったのか?
と、ここで気になるのが三国志演義では七回も戦ったようになっていること。実際に兵を率いて七回も戦ったのでしょうか?
というか本当に何回も戦ったのでしょうか?
と、ここで筆者の妄想なのですが、正史で見ると孟獲自身も中々頭が良い人物です。そして諸葛亮も南中の統治が難しいことも分かっていたでしょう。そこで敢えて、信頼できて話が分かる、しかも南中ではそれなりに信頼の高い孟獲と諸葛亮が手を組んだ説!
七回も戦ったふりをしながら蜀に従わない、もしくは後々不穏を引き起こしそうな人物は処断。敵と味方から見た信頼できる人間だけを残し、最後は孟獲が南中を管理しやすいようにした……つまり七回の戦いは見せかけであり、あくまで諸葛亮と孟獲は手を組んでいた……というのはどうでしょうか?
それを転じて七縱七禽が三国志演義で生まれたのではないかと思います!
そう思うと孟獲、中々やり手でかっこいいですね!
三国志演義での南蛮平定
と、三国志演義の話も交えて行いましたが、筆者はこの三国志演義での南蛮の王である孟獲と諸葛亮の戦い、結構好きです。
というのもここに至るまで関羽が死に、張飛が死に、劉備はその仇も討てないまま大敗北して亡くなり……合間に曹操までも亡くなっています。
主要人物がどんどん死んでいき、話は暗くなり、あの日の桃園の誓いを思い出すと何だか辛くなってきて来る当たりなんですよ、この孟獲との戦いは。
突拍子もない戦いが次々に起こるものの、未知との遭遇にワクワクする、そんな場面です。このシーンたちがあるからこそ最後まで読める、そんな重要さを担っているところだと思います。
その後……孟獲の孫・孟彪と孟豹
最後に余談を。三国志演義の続編設定の三国志後伝に、孟獲の孫である孟彪、孟豹というキャラクターが出てきます。実際に孟獲の孫という人物は歴史には確認できないので、あくまで創作人物でしょう。
彼らは漢王朝復興のために戦う劉備の孫、劉淵に仕え、晋との戦いの中で果敢に戦い、最期は二人とも命を落とします。その戦死を聞いた劉淵の子はその忠誠と、死を哀しみ嘆くのです。
あくまで創作ではありますが、三国志演義で諸葛亮に心服した孟獲。そしてその孫たちまでその忠誠は続いている……当時の人々もそう考えていたと思うと、またひと際、感動しますね。
三国志ライター センのひとりごと
南蛮編は、読むのが辛くなってきた気分を上げ直してくれる良い場面です。特に横山三国志では魏延や趙雲が活躍して、南蛮軍と戦っているのが見ていてとてもワクワクしました。吉川三国志でも少しコメディタッチというか、コミカルな場面になっているところですね。
しかしそんな明るい気分にさせてくれる孟獲は、実はクレバーキャラクターだった……そう思うと、良くこれをここまで面白くまとめたな……そんな謎の感動を与えてくれる、南蛮軍たちでした。
参考文献:蜀書諸葛亮伝 華陽国志 三国志後伝
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