こちらは2ページ目になります。1ページ目から読む場合は、以下の緑ボタンからお願いします。
この記事の目次
盤蛇谷で兀突骨は焼き殺される
孔明は、盤蛇谷という谷にわざと蜀軍の軍需物資を配置して、そこに火薬を詰め込んだ木箱を適当に配置、谷の上には弓兵を伏兵させておきました。
こうしておいて、孔明は魏延に、わざと兀突骨に負けた振りをして盤蛇谷まで誘導するように命じます。そうとは知らない兀突骨は逃げる魏延を調子に乗り追い駆け盤蛇谷まで来ると、そこには蜀軍が放置した軍需物資が山積みになっていました。
兀突骨は、それを罠とも知らずに数万の藤甲兵と夢中で略奪していると、谷の上から火矢が射かけられ、火薬箱に命中して爆発。火に弱い藤甲を着ている烏戈国の兵士は、一斉に炎に包まれます。兀突骨も火で焼かれて黒こげになり焼死してしまうのです。
関連記事:本当に三国志なの? 何でもありな南蛮のビーストテイマー木鹿大王が凄い
関連記事:インテリ朶思大王が蜀軍を苦しめる?ワシが南蛮一の軍師ダシ!
孔明にトラウマを残した兀突骨
烏戈国の藤甲兵が焼け死ぬ断末魔を孔明は見ていました。そして、自分のやった余りに悪魔的な計略に恐怖して後悔。
いまさらのように、「こんな悪魔の所業をなした以上、私は報いで長生きできないであろう」と言い出します。
これが三国志演義における五丈原での孔明の病没に繋がる伏線らしいのですが、兀突骨は、死に際の断末魔の苦しみにより、孔明をビビらせ寿命を縮めさせたと言えるかも知れません。ただ、孔明は53歳で死んでいて、当時の平均寿命は何とか超えているので、兀突骨のせいで特別早死にしたとは言えないと思います。
関連記事:【危篤の孔明そっちのけ!】始まっていた五丈原の権力争い
関連記事:びっくり!五丈原の戦いの戦費、現在で換算すると、なんと○○円!
三国志ライターkawausoの独り言
南蛮には、毒の泉を使う朶思大王や、猛獣を使う南蛮ムツゴロウ木鹿大王など、怖くて愉快なイロモノキャラが出てきますが、その中でも兀突骨のキャラは異彩を放っています。
兀突骨は孟獲が最後にすがった助っ人南蛮キャラで、兀突骨の死後、孟獲は万策尽きて孔明に降伏しています。その関係もあり、兀突骨には派手に焼け死んでもらい、孟獲の抗戦意識にダメを押す思惑もあったと考えられます。派手に登場し悲惨な最期を迎えるのは、いかにも南蛮のラスボス兀突骨らしいですね。
参考文献:三国志演義
関連記事:烏戈国の王・兀突骨はなぜ食性まで描かれたの?三国志演義の異質な存在
関連記事:土安とはどんな人?兀突骨の右腕としても愛された烏戈国の精鋭