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架空の人物、関索という存在の面白さを語ります。

2021年2月27日


 

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関羽と関索

 

関羽(かんう)の息子には実子でありながら何故か三国志演義では養子にされた関平(かんぺい)。実子で諸葛亮(しょかつりょう)にも期待されていたけれど早逝してしまった関興(かんこう)。そして架空の存在である関索(かんさく)がいます。

 

今回はこの関索について、ちょっと色々と考察しつつ、お話していきたいと思います。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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関索という存在

関索

 

先にも言った通り、関平、関興とは違い、関索は実子、養子問題どころか実際には存在しないという架空の存在です。

 

水滸伝って何? 書類や本

 

関索は主に「花関索伝(かかんさくでん)」という物語に出てくる人物。この花関索伝はざっくりと言うと、関索という関羽の実子が南蛮征伐で蜀軍を助けて大活躍して各種美女たちを奥さんに向かえるモテモテさを見せつけた後に戦死します(とてもざっくり)。

 

では関索はあくまで花関索伝で出てくるだけで他には出てこないのか?

というとそうではないのが面白い所なのです。

 

関連記事:義兄弟・張苞と関興はどこまでが三国志演義の創作なの?

関連記事:謎多き登場人物、関索って何者?

 

三国志演義の関索

三国志演義_書類

 

実は三国志演義にも関索は登場してきます。しかしこの三国志演義の関索、というのが一言で説明するのがとても難しい。何故なら主に三国志演義の関索はいきなり諸葛亮の南蛮征伐時に出てきたと思うとそのままフェードアウトする存在だからです。

 

三国志平話

 

しかし三国志の元になったと言われる三国志平話(さんごくしへいわ)でも登場時にちょっと活躍したと思ったらその後は特に触れられない、と少しながら扱いが違うのです。これについても少しご説明しましょう。

 

 

 

三国志演義の改訂者

三国志演義の作家 羅貫中

 

私たちが良く見ている三国志演義というと、主に羅貫中(らかんちゅう)によって改訂された三国志演義です。

 

ただし三国志演義は他にも改訂者がおり、その一人に毛宗崗(もうそうこう)という人物がいます。こちらの三国志演義はかなり史実を重視しており、あまりにも荒唐無稽な話などは削られています。

 

このため史実とは異なり過ぎる関索の登場、活躍は大幅に削られ、関索という存在が関羽の息子という立場でありながら、良く分からない存在となってしまったのではないかと思われます。

 

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関索の存在

張良と劉邦が楚漢戦争のゲームをプレイ

 

さて現在に至り、ゲームや漫画ではその良く分からなかった関索の存在はどうなったかというと。色々なゲームや創作で、関索の存在は見かけることができます。

 

花関索伝で生まれ、三国志平話では少し受け入れられ、しかし三国志演義に至るまではいかなかった関索。どうして現代において関索は取り入れられるようになったのでしょうか?

 

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両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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