関羽の息子には実子でありながら何故か三国志演義では養子にされた関平。実子で諸葛亮にも期待されていたけれど早逝してしまった関興。そして架空の存在である関索がいます。
今回はこの関索について、ちょっと色々と考察しつつ、お話していきたいと思います。
この記事の目次
関索という存在
先にも言った通り、関平、関興とは違い、関索は実子、養子問題どころか実際には存在しないという架空の存在です。
関索は主に「花関索伝」という物語に出てくる人物。この花関索伝はざっくりと言うと、関索という関羽の実子が南蛮征伐で蜀軍を助けて大活躍して各種美女たちを奥さんに向かえるモテモテさを見せつけた後に戦死します(とてもざっくり)。
では関索はあくまで花関索伝で出てくるだけで他には出てこないのか?
というとそうではないのが面白い所なのです。
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三国志演義の関索
実は三国志演義にも関索は登場してきます。しかしこの三国志演義の関索、というのが一言で説明するのがとても難しい。何故なら主に三国志演義の関索はいきなり諸葛亮の南蛮征伐時に出てきたと思うとそのままフェードアウトする存在だからです。
しかし三国志の元になったと言われる三国志平話でも登場時にちょっと活躍したと思ったらその後は特に触れられない、と少しながら扱いが違うのです。これについても少しご説明しましょう。
三国志演義の改訂者
私たちが良く見ている三国志演義というと、主に羅貫中によって改訂された三国志演義です。
ただし三国志演義は他にも改訂者がおり、その一人に毛宗崗という人物がいます。こちらの三国志演義はかなり史実を重視しており、あまりにも荒唐無稽な話などは削られています。
このため史実とは異なり過ぎる関索の登場、活躍は大幅に削られ、関索という存在が関羽の息子という立場でありながら、良く分からない存在となってしまったのではないかと思われます。
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関索の存在
さて現在に至り、ゲームや漫画ではその良く分からなかった関索の存在はどうなったかというと。色々なゲームや創作で、関索の存在は見かけることができます。
花関索伝で生まれ、三国志平話では少し受け入れられ、しかし三国志演義に至るまではいかなかった関索。どうして現代において関索は取り入れられるようになったのでしょうか?
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