NHKの名作「人形劇三国志」面白いけど呂蒙の扱いが酷い?




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テレビを視聴するkawauso編集長

 

「人形劇三国志」は1982年10月から1984年3月までNHKで放送された人形劇です。当時から大人気で、この作品が三国志の入り口という方も多いといいます。

 

しかし、ストーリーは「三国志演義」を基にしているものの、オリジナルな部分も多い作品です。なかでも呉の武将「呂蒙(りょもう)」の扱いがとても酷いという話もあります。今回の記事では「人形劇三国志」の特徴と、呂蒙の扱いについて探ってみようと思います。




「三国志演義」が原作で蜀が正義

 

「人形劇三国志」の物語は基本的に小説「三国志演義」を原作に作られています。扱うのは「桃園(とうえん)の誓い」から「五丈原(ごじょうげん)の戦い」までです。しかし、特に蜀や劉備(りゅうび)を正義の味方としてストーリーが進行しており、魏や呉は悪役として扱われています。なかでも関羽(かんう)は一点の曇りもない聖人君子です。

 

五虎大将軍の関羽

 

これはこの番組が当初子供をターゲットにしていることから、ストーリーのわかりやすさ、そして勧善懲悪を強調して作ったと考えられます。そのあたりが後述する呂蒙の酷い扱いにつながってくるのです。

 

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独自のオリジナル要素

司馬朗と董卓

 

ストーリー、特にキャラクターにはオリジナル要素が多く加えられています。例えば、董卓が知恵の輪に熱中していたり、呂布の弟「呂王(りょおう)」(海賊)など人形劇独自のオリジナルキャラクターも登場します。

 

また、物語の進行役には当時大人気だった漫才コンビ「紳助・竜助」の島田紳助さん、松本竜助さんの二人が担当し、劇中にも二人が登場します(シンシン、ロンロン)。彼らは唯一物語の最後まで登場し、見ている人が感情移入しやすいキャラです。

 

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美しく、表情豊かな人形たち

 

人形の造形は日本を代表する人形アニメ監督「川元喜八郎(かわもときはちろう)」さんが担当しています。本物の水や炎を使ったり、人形の操演にコンピュータが用いられるなど斬新な演出も取られています。

 

人形の声は、先に収録し、後にその声に合わせて人形を動かすという「プレスコ」という技法(後から声を付けるのがアフレコ)が使われており、その人形の動きはまるで実写のように豊かです。

 

声は一人の声優が複数のキャラクターを演じています。例えば主役の劉備の声の谷隼人(たにはやと)さんは他に典韋(てんい)程昱(ていいく)、関羽の石橋蓮司(いしばしれんじ)さんは張角(ちょうかく)袁紹(えんしょう)も演じています。

 

他のメインキャラクターは張飛(ちょうひ)がせんだみつおさん、孔明(こうめい)は森本レオさん、曹操(そうそう)岡本信人(おかもとのぶと)さんが演じています。本職の声優ではなく、俳優さんが多く起用されています。せんだみつおさんは演技の印象の薄いコメディアンですが、意外と違和感はありません。

 

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呂蒙の扱いが酷い!

関羽の呪いで殺される呂蒙

 

キャラクターにオリジナルな要素が加えられがちな本作ですが、なかでも呂蒙の扱いは酷いです。呂蒙は史実では孫権(そんけん)の配下で、領民の事を思いやり、同僚武将の評価も大変高い名将です。無学でしたが、懸命に勉強し学者も驚くほどの知識を得たことが有名です。

 

このエピソードが「もう“呉下(ごか)阿蒙(あもう)”ではない」(呉の町の蒙ちゃんではない)という故事につながっています。しかし、こちらの人形三国志では白髪の老人に変更され(当時41歳くらい)、関羽をおびき寄せるために領民を惨殺し、「もうこれ以上は死者を出したくない」と投降した関羽をいきなり刺し殺すなど、悪逆非道な人物として描かれています。

 

諸葛瑾

 

同僚の諸葛僅(しょかつきん)にも「なんでそんなことをするんだ!」と言われるほどです。また、関羽の愛馬「赤兎馬(せきとば)」を手に入れようと欲を出し、馬と共に谷底に落下して死ぬという悲惨な最期を迎えています。

 

 

これには「岳飛伝(がくひでん)」「銀河英雄伝説(ぎんがえいゆうでんせつ)」などで知られる作家田中芳樹(たなかよしき)さんも著書で批判しています。ちなみに呂蒙の声は森本レオさんで、憎々しい話し方が素晴らしいです。

 

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