三国志の時代にウハウハ本はあったの?大昔の叡智なお話について

2021年7月15日


 

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月刊人妻を購読する曹操

 

思春期を迎えた男子の心をつかんで離さないモノ、それはウハウハ本です。

 

若者の無駄に多いエネルギーをハッスルする事で蕩尽(とうじん)させてしまうウハウハ本ですが、三国志の英傑達の時代にはウハウハ本があったのでしょうか?

 

今回は、面白半分で調べてみたら意外に奥が深かった三国志ウハウハ本を解説します。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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三国志の時代にウハウハ本はあったのザックリ!

曹操 耳で聞いて覚える三国志

 

では、最初に三国志の時代にウハウハ本があったかどうかについて簡単に説明します。

 

1 前漢の劉向(りゅうこう)列女伝(れつじょでん)孽嬖(げつへい)伝によると(いん)紂王(ちゅうおう)

男女のウヒョ!を絵師に描かせたのがウハウハ本の始まり

2 光武帝が宴会で部下にふざけてウハウハ本を見せたとする記述が光武帝紀にある
3 ウハウハ本は春宮画(しゅんぐうが)と言い、陰陽(おんみょう)二元論に基づき、

男女のウヒョで健康を増進させる房中術(ぼうちゅうじゅつ)の教科書

4 後漢の科学者で文人の張衡(ちょうこう)同声歌(どうせいか)には、漢の時代の上流階級の新婦が新婚初夜に

春宮画を持参し勉強する様子が描写される

5 安土桃山時代頃に明から印刷物の春宮画が日本に輸入されやがて春画へ変化した。

 

ここまでがザックリしたウハウハ本の解説です。以下では、さらに詳しく各項目を見ていきましょう。

 

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酒池肉林でございます!

漢自慢の弁舌臣下を黙らせる紂王

 

古代中国では、いつ頃からウハウハ本が登場したのでしょうか?前漢の劉向「列女伝」孽嬖伝によると、あの、酒池肉林でございます!で有名な殷紂王は、男女のウヒョ!図を絵師に描かせていたのだとか…

 

そう言えば封神演義の紂王も、女媧廟(じょかびょう)の美しい女媧像を見てハッスル!

 

落書きをする宋江(水滸伝の主人公)

 

「もしも女媧娘々(にゃんにゃん)(ちん)のジョカノだったら、あーんな事やこーんな事を…」と

 

妄想力全開でイヤーンな詩を廟の中に書き残したせいで女媧の怒りに触れ、九尾の狐を送り込まれて暴君化し殷を滅亡に追いやりました。

 

もしかすると封神演義の紂王イメージには、「列女伝」の孽嬖伝も影響を与えているのかも知れませんね。

 

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時代を超えて愛される中国四大奇書「はじめての西遊記はじめての西遊記

 

光武帝もウハウハ本を見て家臣に叱られた

何でもできちゃう光武帝

 

時代は下って西暦1世紀。

 

王莽と戦う光武帝

 

王莽(おうもう)によって(あさ)の如く乱れた中国を再統一したチートな英雄光武帝(こうぶてい)ですが、彼は皇帝に即位しても、かつての仲間と飲み会をする事が好きであり、泥酔して秘蔵のウハウハ本を仲間に披露して、家臣に厳しく叱られたという逸話があります。

 

 

皇帝ほどの権力があれば、美女なんて中国全土からよりどりみどりのはずですが、やはり生身の女性と2次元のウハウハ本は違うという事なのでしょうか?

 

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古代中国ウハウハ本の正体とは?

鱸魚を釣る左慈

 

実は、古代中国のウハウハ本は現在のウハウハ本とは存在する意味合いが違いました。古代中国のウハウハ本は正確には春宮画と言い、房中術の解説書だったのです。

 

 

房中術は、陰陽二元論の影響を受けた考え方で、世の中が陰と陽で分かれて調和しているように、男は陽で女は陰でありお互いが正しい作法を守り、ウヒョ!する事により体内のバランスが保たれて、より健康になると説きました。

 

ちなみに春宮画でウヒョ!する男女のモデルは、中国最初の人型帝王である黄帝(こうてい)とその侍女であった素女(そじょ)だそうです。日本では滋養強壮ドリンクとして知られるユ〇ケル黄帝液の黄帝はこちらの黄帝ですが、うーん、色々な意味で効き目がありそうな名前なんですね。

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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