145話:合肥新城の敗北と諸葛恪の没落のはじまり【全訳三国志演義】


 

諸葛恪流れ矢を受けてふんだり蹴ったり

洛陽城

 

張特「ヒャッハー!引っ掛かったか!あのロバ顔のお人好しめが!」

 

張特は大喜びで城内の民家を壊して、破壊された城壁を修復すると、城壁の上に登って散々に諸葛恪をバカにしました。

 

公孫淵

 

張特「引っ掛かったな、呉の猿どもが!我が城には、まだ後半年分の食糧の備蓄があるわ誰が好き好んで呉の野蛮人共の軍門に下ろうか?悔しかったら我が城を落としてみよ。おしーりぺーんぺーん!やーい!やーい正直者の正助(しょうすけ)さーーんw」

 

敗北し倒れている兵士達b(モブ)

 

騙されたと知った諸葛恪は怒り狂い、兜もつけずに前線に出て烈火のごとく新城を攻撃させますが、たまたま飛んできた魏兵の流れ矢が諸葛恪の額に命中し馬から転げ落ちます。

 

「ああっ!将軍を助けよ」

 

朝まで三国志2017 観客 モブ

 

諸葛恪は救助され、幸いに命に別状はありませんでしたが、敵の前で醜態をさらした上あまりの不甲斐なさに、自軍の将兵の士気を下げてしまいました。

 

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諸葛恪、退却要請を拒否

兵士 朝まで三国志

 

季節は猛暑であり、食糧ばかりか水も乏しくなった呉の陣営では衛生環境が極端に悪化します。諸葛恪は少し傷が癒えるとまた前線に出ようとしますが、部下たちは「兵士は皆、病み(おとろ)えており、とても城を攻める所ではありません」と止めました。

 

諸葛恪は腹を立てて「今後、病の事をあげつらう者は斬首とする」と命令しましたので、兵士たちは呆れ果て、毎日のように脱走兵が続出するようになりました。

 

そして、とうとう、都督(ととく)蔡林(さいりん)が手勢を率いて魏に投降したという情報が諸葛恪にもたらされます。驚いた諸葛恪は自ら馬に乗り、陣営を回ると兵士の顔は全て黄色く腫れ上がり、いずれも病気に冒されている様子です。

 

病気になった兵士

 

(これでは、とても戦うどころではないわい…)

諸葛恪はようやく敗北を悟り退却の準備を開始しますが、その情報はすぐにスパイにより魏にもたらされました。

 

カン丘倹(毌丘倹)

 

毌丘倹は、「今こそ東興の千倍返しだ」と士気の欠片もない呉軍に襲い掛かり、散々に撃ち破ります。こうして諸葛恪は僅かな手勢を率いて惨めな姿で建業に引き上げたのです。

 

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全訳三国志演義ライターkawausoの独り言

kawauso 三国志

 

東興の大勝利で有頂天になった諸葛恪は不吉な兆候も無視してイケイケドンドンで、孫権も落とせなかった合肥新城の攻略に挑みます。

 

しかし、実戦経験に乏しく坊ちゃん育ちの諸葛恪は、ただ刑罰をちらつかせて威張るだけで現状を把握する能力が弱く、張特の偽降伏に引っ掛かって攻略の足掛かりを潰した上、疫病がまん延した自軍の現実を直視する事も出来ず、やっと退却した時には、魏の追撃を受けて20万の軍勢の大半を失う結果となりました。

 

諸葛瑾に無茶振りを言う孫権

 

かつて、父の諸葛瑾が危惧した通り諸葛恪は呉の命運を誤らせ、同時に一族を窮地に追い込む事になります。次回の全訳三国志演義では、真夏に相応しい諸葛恪の死にまつわる怪奇現象を紹介します。

 

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関羽

 

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台湾より南、フィリピンよりは北の南の島出身、「はじめての三国志」の創業メンバーで古すぎる株。もう、葉っぱがボロボロなので抜く事は困難。本当は三国志より幕末が好きというのは公然のヒミツ。三国志は正史から入ったので、実は演義を書く方がずっと神経を使う天邪鬼。

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