五虎将軍との相違点(?)
では残りは新参者と老将とちょっと位が低い武将だな!と思うかもしれませんが、こちらは三国志の五虎将軍とは少し違います。まず一人は秦明。やや短期で直情な性格で、声がとても大きい人物。こちらもちょっと張飛を伺わせます。
次は呼延灼。天子からの賜りものの名馬に乗っており、嘗ては敵として梁山泊を苦しめました。何気に北宋建国の功臣、呼延賛の嫡流の子孫という凄い経歴の持ち主です。
最後は董平。二本の槍を巧みに使う所から双槍将と呼ばれていますが、彼の才は武勇のみに留まらず、音楽にも通じる才能を持つ風流人、故に「風流双槍将」とも呼ばれる才人です。他四名が席次が連続しているのに対して、ちょっと離れて15席なのもポイントかな?
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こういうのが好き!
さてさて水滸伝には五虎将、メンバーに関羽の子孫と張飛に酷似した人物がいる所を見ると、間違いなく五虎将軍を意識して呼ばれたものでしょう。また五虎将軍と同じく、魏にも張遼を筆頭として魏の五将軍と呼ばれるメンバーがいます。こちらも蜀の五虎将軍と同じく、一つの巻にまとめられている人物たちを呼んだものです。
水滸伝には五虎将だけでなく八驃騎なども出てきますが、四天王などの例にもあるように、古代から「こういう」役職、呼び名は多くの読者に好まれてきたのだなぁと感じさせますね。そう考えると、三国志演義も水滸伝も、時を同じくした英雄たちの物語、として並び立つものなのかもしれません。
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三国志ライター センのひとりごと
さて最後の余談として、全く関係ないお話をしましょうか。余談も余談ですが筆者は某場所で横山先生の五虎将軍が壁画になっているのを見て狂喜乱舞した経験がございます。
実はそこに行ったのはたまたま偶然で、そんな壁画があるとは一切知らず、驚き喜びスマホをパシャパシャしたという有様。「五虎将軍!?五虎将軍!!」とはしゃぐ筆者は、さぞかし奇異な存在だったことでしょう。
でももしかしたら過去にも、水滸伝や三国志演義を読んで多くの人々が「五虎将軍!」「五虎将!」と喜んでいたのかな、なんて思った次第です。
ざぶーん。
参考文献:水滸伝 三国志演義
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