孫権の好み
何だかんだ最後の落ちがちょっと後味悪いですが、孫権はこういうタイプの武将が好きですよね。思い起こせば甘寧もこういう激情型というか、カッとなってやらかすタイプの人物です。
そこでちょっと思い出して欲しいのが孫権の性格です。孫権自体も結構、カッとなったらやらかしてしまうタイプなんですよね。
そういう「やってしまう」ことについて理解があったからこそ、孫権は朱桓のようなタイプでもゆっくりと諭して向き合っていけたのかもしれませんね。
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孫権の理解
因みに孫権はかつて、勉強嫌いの呂蒙を諭した話があります。元々は字も読めないほど勉強嫌いだった呂蒙に、孫権は「ちょっと勉強しなよ」と声をかけます。しかし勉強をしたくない呂蒙は忙しいから……と逃げようとしますが、そこは孫権
「主君である自分だって忙しいけど勉強できたんだよ。呂蒙もできるよ!」とエールを送り、後に呂蒙は関羽を討ち取るほどの名将にグレードアップしました。
これも良く見れば勉強の素晴らしさを語っているのではなく、自分も同じ立場であることを匂わせて励ましています。孫権は若くして呉の国を背負っていかなればならない立場でしたが、だからこそ等身大の立場から何人もの武将たちを鼓舞してきたのかもしれませんね。
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三国志ライター センのひとりごと
朱桓、呉の武将たちの例にもれずというか何というか結構苛烈な逸話持ちです。ただ他の武将たちもそういう逸話があるということは、孫権ももしかしたらそういう苛烈な性格だったからこそ、上手に彼らを扱えたのかもしれません。
こういう所、若くして後継者となった孫権の成長と人心掌握の巧みさを感じて好きですね。
どぼん!
参考文献:呉書朱桓伝 呂蒙伝
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