費禕の悲劇的な死因とは?諸葛亮亡き後の蜀を支えた費禕の最期

2022年3月18日


 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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蜀の実権を握り、はやる姜維を抑える

多忙でも常人の数倍の速さで理解、記憶する費禕

 

諸葛亮が亡くなった後は「蔣琬(しょうえん)」が蜀の政治を担当しますが、246年に彼が亡くなると、費禕が国政を担当することになりました。費禕は北伐などの積極策は極力抑え、内政に力を注いでいました。

 

北伐したい姜維を止める費禕

 

しかし軍事を担当する姜維(きょうい)は常に北伐を大軍で行おうとしていましたが、費禕は「我々の才能は丞相(諸葛亮)に遠く及ばない。今は国を保ち民を治め、能力ある人物の出現を待つべきだ。」と、姜維には1万人の兵しか与えなかったといいます。

 

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姜維特集

 

 

 

費禕の死因とは?

費禕の宴会に呼ばれて毒を塗った刀で暗殺に成功した郭修(かくしゅう)

 

蜀を守っていた費禕でしたが、その死は悲劇的なものでした。魏から降伏してきた「郭循(かくじゅん)」という武将に宴会の場で刺殺されてしまったのです。郭循はその場で殺されますが、のちに彼は魏に表彰されていますので、わざと降伏させ敵将の命を狙ったとも考えられます。

 

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英雄の死因

 

 

 

費禕の死後

費禕の没後、北伐の準備に取り掛かる姜維

 

費禕が亡くなった後、蜀の実権は先述の姜維が握ることになります。彼は費禕と違い積極策を取り、連年の北伐を大軍で行います。しかし、成果はあまり上がらず、国力を疲弊させるばかりでした。

 

黄皓

 

一方、朝廷内では劉禅を監視する董允も亡くなっており、劉禅は宦官(かんがん)の「黄皓(こうこう)」を信頼してしまい、政治も混乱してしまいました。

 

降伏する劉禅

 

そこに魏が侵攻し、劉禅はあえなく降伏。蜀は滅亡してしまいます。費禕の死からわずか10年足らずで蜀は滅びてしまうのです。彼の死は蜀の滅亡を早めたといってもいいのではないでしょうか。

 

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黄皓

 

 

三国志ライターみうらの独り言

みうらひろし(提供)

 

歴史に「もし」は禁物とよく言われますが、もし費禕がもう少し生きていたら、蜀も違った展開を迎えていたのかもしれませんね。でも人物が一人亡くなっただけで傾いてしまう国はいずれにせよ、命運は尽きていたのかもしれません。

 

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みうらひろし

歴史が好きになったきっかけはテレビの再放送で観た人形劇の三国志でした。そこから歴史、時代小説にはまり現在に至ります。日本史ももちろん好きですよ。推しの小説家は伊東潤さんと北方謙三さん。 好きな歴史人物: 呂蒙、鄧艾、長宗我部盛親 何か一言: 中国で三国志グッツを買おうとしたら「これは日本人しか買わないよ!」と(日本語で)言われたのが思い出です。

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