二虎競食の計とはどんな計略?荀彧が提案した最凶策略をわかりやすく解説

2022年4月30日




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献帝を保護する曹操

 

後漢の「献帝(けんてい)」を手中におさめた曹操(そうそう)は絶大な権力を握ります。飛ぶ鳥を落とす勢いの曹操でしたが、民衆の支持を集める「劉備(りゅうび)」と、武力に優れた「呂布(りょふ)」はとても邪魔でした。

 

荀彧と曹操

 

そこで曹操は参謀の「荀彧(じゅんいく)」に意見を求めます。そこで荀彧が提案したのが「二虎競食(にこきょうしょく)」の計です。今回の記事ではそんな「二虎競食の計」について解説しましょう。ちなみに「二虎競食の計」は小説「三国志演義(さんごくしえんぎ)」のオリジナルエピソードです。

 




 

二虎競食の計が誕生するきっかけ

献帝を傀儡化する曹操

 

曹操は献帝を手中にし、絶大な権力を手に入れると、大宴会を開きました。そこで前述の「呂布と劉備」についての懸念を口にし、集まった家臣に対応策を提案させます。

 

史実では許褚(許チョ)に敗れる張衛

 

最初は武将の「(きょ)チョ」が「私に兵を与えてくれれば、劉備と呂布など蹴散らしてしまいましょう。」と大言をします。

 

荀彧

 

しかしそこで荀彧が「許チョ殿の武力は頼もしいですが、今は都を手中にしたばかりで安易に兵を動かすのは危険です。そこで私に提案があるのですが。」

 

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荀彧特集

 




 

「二虎競食の計」とは?

荀彧

 

荀彧は「二虎競食の計」を提案します。「2頭の虎の間に肉を投げ込めば、虎は戦いを始めるでしょう。そうなると二頭の虎は死ぬまで戦い、勝った方も手負いなので、狩るのは簡単です。そこで、劉備と呂布を戦わせ、消耗している所をつぶしましょう。これが“二虎競食の計”でございます。」

 

荀彧の二虎競食の計

 

曹操はこの提案を受け入れます。そうなると、呂布と劉備を戦わせる「肉」が必要となってきますね。

 

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曹操孟徳

 

 

劉備に肉を与えるが・・・

呂布と劉備

 

そこで曹操は朝廷を握っていることを利用し、劉備に「肉」を与えます。それは劉備に「徐州(じょしゅう)」の太守(県知事のような感じ)に任命し、加えて「呂布の討伐」を命じます。

 

劉備 呂布 肉取り合い

 

劉備は放浪生活が長いですから、この案に乗ってくると曹操は睨んだのでしょう。また、当時呂布は劉備の元に身を寄せていましたから、討伐の絶好のチャンスだったのでしょう。

 

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呂布

 

 

 

「二虎競食の計」は成功したのか?

三国志の主人公の劉備

 

そして劉備の元に呂布討伐の密書が届きます。劉備は家臣たちと協議をし、張飛(ちょうひ)などは呂布を殺すことに賛成します。

 

劉備

 

しかし劉備は「頼ってきているものを殺すわけにはいかない。」と、呂布討伐命令を拒否することを決断します。翌日、呂布が徐州太守就任の祝いに訪ねてきます。そこで劉備は呂布に密書を見せ、これを見た呂布は「これは我々を戦わせようとする曹操の罠ですぞ。」と見抜きます。

 

劉備は「曹操の命令には従いません、ご安心ください。」と語り、結局「二虎競食の計」は失敗してしまうのです。

 

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あきらめない荀彧、次なる計は

荀彧

 

作戦が失敗したことを聞いた荀彧は、次なる計略を曹操に提案します。それは「駆虎呑狼(くこどんろう)の計」と言います。これは「豹(袁術(えんじゅつ))に虎(劉備)を襲わせ、留守になった虎の穴を狼(呂布)に襲わせる」という作戦です。

 

劉備を僻む袁術

 

そこで曹操は勅命(皇帝の命令)を使い、袁術と劉備を戦わせます。劉備はさすがに勅命には逆らえず、袁術を討つべく出陣をします。その際に城の留守は張飛に任せていたのですが、張飛は酒に酔いつぶれてしまいます。

 

騙し合う呂布と袁術

 

その隙をついたのがなんと呂布。呂布は城を奪い、「駆虎呑狼の計」は成功したかのようにみえました。しかし、呂布はのちに袁術と組むのですが揉め、結局は劉備と講和することになり、駆虎呑狼の計も大成功とは言えませんでした。

 

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袁術祭り

 

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みうらひろし

歴史が好きになったきっかけはテレビの再放送で観た人形劇の三国志でした。そこから歴史、時代小説にはまり現在に至ります。日本史ももちろん好きですよ。推しの小説家は伊東潤さんと北方謙三さん。 好きな歴史人物: 呂蒙、鄧艾、長宗我部盛親 何か一言: 中国で三国志グッツを買おうとしたら「これは日本人しか買わないよ!」と(日本語で)言われたのが思い出です。

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