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三国志・はちみつ皇帝から読み取る三国時代の料理とは?

2022年7月15日


 

はじめての三国志_ページネーション

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はちみつ皇帝(1P目)

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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更にもう一つ「肉の柔らかさ」

 

そしてここでもう一つ、蜂蜜を肉料理に使った理由を考察してみました。それは「やわらかさ」です。皆さんは自家製の鳥ハム、良く知られる所ではヘルシーな鶏むね肉を利用した鳥ハムを食べたことは、もしくは作ったことはあるでしょうか?

 

この鳥ハムのレシピには基本的にお肉に砂糖、もしくは蜂蜜を塗り込みます。「えっ」と思われるかもしれませんが、こうすることでパサつきやすい鶏肉が柔らかく、美味しく仕上がるのです。

 

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蜂蜜の効能

袁術と一緒にはちみつを楽しむ袁燿(えんよう)

 

一体どうしてかと言うと、まず糖には「親水性」があります。簡単に言うと水分と仲良くしやすい性質ですね、砂糖が保存していると固まるのは、この性質によるものです。このため肉の内部に浸透した糖分が、肉の保水性を高め、料理に使うとしっとり、柔らかく仕上がるのです。

 

更に火を通すことでカラメル化すると、肉の表面が覆われて旨味も逃がさず閉じ込めることができます。なので、蜂蜜を料理に使うというのは化学的にもプラスなポイントということになりますね。

 

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蜀の地

祁山、街亭

 

さて、動物は脂がのっていない、つまり痩せているとどうしても肉質が固くなります。調理すれば肉の水分が飛び、更に固くなって食べにくくなるでしょう。なのでそういう蜀の土地の動物の肉質を補うために、蜜や飴を使うことを蜀の土地の料理人は考えたのではないでしょうか。

 

木牛流馬を使用する蜀兵士

 

そもそも蜀は立地からして外から物資を運ぶのも大変ですし、これが悪ければ代用を、という訳にもいきません。そういった条件の悪さが生み出した料理人の叡智、更に言うと蜀の土地の特色。これを曹丕は詔によって部下たちに伝えた……のかも、しれませんね?

 

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法正

 

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

筆者は鶏肉が大好きなので鳥ハムは良く作ります。しかし砂糖をまぶさずに作ってみると、不思議とパサパサ。最初はそういうものか……と思って調べてみると、親水性という化学の領域であったか……と反省。

 

しかし三国志(さんごくし)の時代には「親水性」というものは発見されていなかったことでしょう。それを考えると蜀の料理人たちはその土地で、旨味が薄く、固い肉を何とか美味しくしようと頑張っていたのでは、なんて考えてしまいました。

 

そういうバイタリティと食の追求性の高さは、魏と違って余り国土に恵まれていなかったから、と思うと、当時の人々の暮らしに何となく触れたような、そんな気がした筆者でした。

 

センさんのとぷんver2

 

ちゃぷり。

 

参考文献:太平御覧

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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