夏侯尚の死と司馬氏の台頭はもしかして歴史の転換期?

2022年8月16日


 

はじめての三国志_ページネーション

こちらは2ページ目になります。

夏侯尚の死と司馬氏の台頭

1ページ目から読む場合は、上記の緑ボタンからお願いします。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


【誤植・誤字脱字の報告】 バナー 誤字脱字 報告 330 x 100



【レポート・論文で引用する場合の留意事項】 はじめての三国志レポート引用について



後から悔やむ

ツンデレ曹丕

 

その後、曹丕は夏侯尚の有り様を見てか後悔するようになります。元通り厚遇しようとするのですが、既にことは起こった後。夏侯尚の病は治るどころか悪化し、都に帰還。

 

曹丕は何度も夏侯尚を見舞っては、手を取って涙を流したと言われています。しかし夏侯尚はそのまま亡くなり、悲嘆した曹丕は詔勅(しょうちょく)を出して夏侯尚の死を惜しみました。

 

こちらもCHECK

曹丕を生涯恨む丁儀
丁儀の結婚を曹丕は邪魔できない?曹丕より遥かに年上だった清河長公主と丁儀の謎

続きを見る

 

はじめての三国志Youtubeチャンネル2

 

 



夏侯尚の死が……

病気で床につく夏侯尚

 

さて心を病んで、そのまま夏侯尚は立ち直ることなく亡くなりました。その後を継いだのは夏侯尚の息子にして、曹真の甥、夏侯玄(かこうげん)です。が、ここでもう一つ。225年に仮節、撫軍大将軍、録尚書事(ろくしょうしょじ)に叙せられた司馬懿(しばい)が、五千人の兵権を与えられたのですが、この兵権が実は夏侯尚が亡くなったために与えられたというのです。

 

この辺りから司馬一族の権力が高まっていくのですが、その理由の一つにこの夏侯尚の死があった可能性があるのですね。

 

こちらもCHECK

騎兵を率いる夏侯尚
夏侯尚とはどんな人?曹丕の親友でもあり数々の功績を残した夏侯尚

続きを見る

 

よかミカンのブラック三国志入門

 

 

後の実権、司馬氏の台頭

司馬懿

 

後に司馬懿、というか司馬一族が魏の実権を握っていく布石はもしかしたら夏侯尚の死から始まっていた可能性もあります。

 

司馬懿の墓

 

その後、曹丕が崩御、頼りの曹真も亡くなり、よりによってその後を継いだ曹爽(そうそう)がやらかすので、その司馬氏の立場は魏に置いて揺るぎないものとなってしまうのですが……もし、まだここで夏侯尚が生きていたら?

 

夏侯尚

 

とは言っても、下手をすると夏侯尚の行動で夏侯家と曹家の仲が悪化していた可能性もありますし、中々政治と言うのは難しいものです。どちらかと言うと夏侯尚がもう少し己の行動を鑑みるか、精神的に強ければ……何か変化があったかもしれませんね。

 

こちらもCHECK

司馬懿
司馬懿の「野心家」イメージはどこから生まれた?

続きを見る

 

三国志とりかへばや物語

 

 

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

時代背景を考えると、別に愛妾を持つことはおかしなものではありません。正室を省みず、愛妾に入れ込むというのも珍しいことではないのです。ただ、時期と立場を考えると、夏侯尚の行動は目を瞑れるものではなかったと思われます。

 

三国志を語るセンさん

 

夏侯尚のはっきりした年齢は分かってはいませんが、曹丕らの年齢から考えるともしかしたら老いらくの恋、だったのかもしれません。その恋一つで色々なものが変わってしまった、そう考えると……何とももの悲しいものに見えてきますね。

 

センさんのとぷんver2

 

ちゃぽーん。

 

参考文献:魏書夏侯尚伝 文帝記 魏書 蜀書劉封伝

 

こちらもCHECK

曹操と虎豹騎
曹操の親衛隊「虎豹騎」とは?曹休と曹真が所属した虎豹騎はその後どうなった?

続きを見る

 

帝政ローマvs三国志

 

 

  • この記事を書いた人
  • 最新記事
セン

セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

-三国志の雑学
-