丁儀の結婚を曹丕は邪魔できない?曹丕より遥かに年上だった清河長公主と丁儀の謎

2022年5月4日


 

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曹丕に結婚を妨害された丁儀

 

むかーしむかし、ある所に、丁儀(ていぎ)という男がおりました。大変才能に溢れる人物でしたが、見た目が良くありませんでした。このため曹操(そうそう)の息子、曹丕(そうひ)に嫌われてしまい、曹丕の姉との縁談を邪魔されました。

 

曹丕を生涯恨む丁儀

 

この一件を丁儀はずっと恨んでいたと言います。めでたしめでたし。では終わりませんが、今回のテーマはこの丁儀と曹丕と公主の一件を考えてみようということです(前置き)。

 

 

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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丁儀は豫洲沛国に生まれる

 

さて丁儀は豫州沛国(よしゅうはいこく)の出身でした。父親の丁沖(ていちゅう)は曹操の竹馬の友であり、また曹操の夫人の一人、丁夫人(ていふじん)の一族とも言われています。

 

丁儀

 

丁儀には弟、丁イという弟がおり、後に弟や曹操の心を読み過ぎて恨みを買ってしまう楊脩(ようしゅう)と共に、曹植(そうしょく)の四友として有名になります。また丁儀は詩才があり、その事から曹操からの評価が高かったとも言われています。

 

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斜視だった丁儀

縁談を邪魔された丁儀

 

この丁儀、斜視であったと言われています。斜視とは現代でも有り得る目の症状の一つであり、目が寄っている状態のこと。これは遺伝性であったり、事故や怪我などでもなることもある症状ですが、このため丁儀は片目が寄ったような状態で、目が小さく見えてしまい、このため「醜い容貌」である、と言われていました。これが丁儀の運命を変えます。

 

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曹丕が姉と丁儀の縁談に反対

曹丕

 

曹操は前述したように、丁儀の父親と仲良しでした。また詩才のある丁儀の才能を買っており、娘の清河長公主(せいかちょうこうしゅ)を丁儀に嫁がせようと考えました。

丁儀の詩才を愛する曹操

 

しかしこれを聞いた曹丕が曹操に言います。「丁儀は醜いのに、そんな奴に嫁がさせられるなんてお姉ちゃんかわいそう!(だいぶ意訳)」

 

これで曹操も納得したのかどうかは分かりませんが、ここから公主は女癖が悪くてケチで有名な夏侯楙(かこうぼう)に嫁がされるという悲惨な結果に終わり、曹操は後で「やっぱり丁儀に嫁がせれば良かった……」と後悔し、丁儀もこの件で曹丕を恨むようになったと言います。

 

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曹丕を憎み曹植に肩入れする丁儀

曹丕が嫌いで曹植に付く丁儀

 

さて多方面に禍根(かこん)を残した公主の一件。丁儀は曹丕への恨みからか曹植に肩入れし、曹丕と曹植が後継者争いをするようになると弟と共に曹植擁立へ尽力。

 

賈詡

 

しかし結局は()ク先生の一言が効いたのか、後継者は曹丕に。曹植もかの有名な七歩(ななほ)の詩いじめなどを受ける始末。もちろん曹植に肩入れしていた丁儀たちを曹丕が許す訳もなく、丁儀は処刑されたと言います。

 

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曹丕が丁儀の結婚を邪魔した事実はない

詩才がある丁儀

 

見れば見るほど不幸な丁儀。容貌が少し悪かったという自分ではどうしようもない状況で、曹丕に謗りを受け、公主との縁談を潰され、肩入れした曹植は失脚、果てに全ての発端の曹丕から処刑。この流れはとても有名であり、曹丕の人の好き嫌いの激しさを良く表現しているものだと思います。

 

が!今回はこの曹丕の一件、実はデマでは?という一石を投じてみたいと思います。

 

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両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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