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「仲王朝では数少ない謀臣・閻象」皇帝を自称しようとした袁術を止めた男の末路

2022年8月28日


はじめての三国志_ページネーション

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仲王朝では数少ない謀臣・閻象

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監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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閻象はどこへ行った?

献帝(はてな)

 

ここで少し不思議なのが、閻象の存在です。正直な話、この合間の二年間で何が変わったということはありません。

 

献帝を保護する曹操

 

ちょっと言うなら献帝(けんてい)が曹操に保護されてしまい、しかも曹操は呂布(りょふ)を追っ払って南下し始めてきているということです。

 

つまり袁術様大変ピンチ!

 

なので何とか打開しようという気持ちは分かりますが、どうしてそこで皇帝を名乗ってしまったのか、しかも漢王朝に喧嘩を売る形にしてしまったのか、これは誰にも分かりません。そしてこの時、(かつ)て袁術を引き留めた閻象は、何処へ行ってしまったのか?

 

考えられる道は二つです。

 

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case.1「御止めできなかったか」

怒る袁術

 

一つは、袁術をやはり止めようとして、今度は袁術の不興を買って殺された可能性。

 

三国志演義_書類

 

これは三国志演義(さんごくしえんぎ)ですが、三国志演義でも袁術の皇帝自称を閻象は止める役回りで出てきます。ですが三国志演義では袁術はこの時、閻象に激怒。余計なことを言うと切り捨ててしまうぞ!と閻象を脅し、退けてしまいます。

 

ポイント解説をするセン様

 

ここでは退けるで終わりますが、実は勢いのまま殺してしまった……というのは可能性としてあるのではないでしょうか。耳障りなことを言う配下は遠ざける、落ち目の主によくあることですね。

 

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case.2 閻象「もう付き合ってられんわ」

ピースする閻象

 

そしてもう一つ、袁術に見切りをつけて出奔(しゅっぽん)した可能性。

 

魯粛、周瑜、袁術

 

これは当時の周瑜(しゅうゆ)と袁術の関係ですが、袁術は優秀と評判の周瑜に目を付け、配下として迎え入れようとします。しかし、周瑜は袁術に見切りをつけていました。このために周瑜は袁術の下から離れ、198年に呉に亡命しています。

 

袁術の命令を文章化する閻象

 

同じように閻象も袁術に見切りをつけて、別の道を選んでいたという可能性はあるでしょう。ですが周瑜とは違い、閻象はそれ以降に姿を見せません。歴史に埋もれたのか、それとも……面白そうな人物だったのに、惜しいことですね。

 

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三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

個人的な好みだけで話すと、閻象は袁術に見切りは付けても、他の誰かに仕えたりはしなかった……というのが良いですね。不興を買ってでも袁術を止めたのは閻象だけ、となれば、相応の忠義心があったからのことでしょう。

 

袁術

 

そうなると例え袁術に見切りをつけていたとしても、己が止められなかった不徳を恥じ、世を捨てた……となると、少々閻象を美化しすぎでしょうか?

 

個人的にはここだけでなく、これ以降も見てみたかった人物ですね、閻象は。

 

センさんのとぷんver1

 

ちゃぽーん。

 

参考文献:後漢書袁術伝 三国志魏書袁術伝

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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