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関羽にちなむ人物は水滸伝には多い
ただ関羽の子孫である、青龍偃月刀を振り回すのは関勝ですが、関勝以外にも関羽を思い起こさせる登場人物が多いのも水滸伝の特徴と言えます。
例えば立派なお髭の「美髯公」に、顔色が悪い風采の良い人物が「病関索」など……関索はまた別の登場人物とは言え、それでも関羽の影響が強いことは確かです。水滸伝には多くの民間伝承も取り込まれているので、民衆に関羽がどれだけ人気だったのか、というのが分かる作品ですね。
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魯智深の錫杖は最初百斤の予定だった
さてさて関羽の影響が強いというお話をしましたが、青龍偃月刀はまた別の場面でも出てきます。それは水滸伝の有名な暴れん坊、花和尚こと魯智深のお話。
魯智深は愛用の武器である錫杖を作って貰う時に、「重さは百斤で!」と言います。
豪胆で力自慢なことが分かりますが、お師匠さんから「関羽の青龍偃月刀だって82斤だよ」と言われて最終的に62斤の錫杖になりました……というお話です。関羽だって百もの重さじゃないんだから止めなさい、ということでしょうかね。
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青龍偃月刀の重さは18㎏?49㎏?
最後に小話を。
三国志時代、一斤の重さは約220gでした。つまりこの時代で考えると、関羽の青龍偃月刀は大体18㎏ということになります。これだけでも片手で振り回す重さと言えばかなりのものですが、意外と軽い?と思う人も多いでしょう。
ですが三国志演義は明時代の歴史小説、水滸伝も同じくです。この時代の重さは一斤が約600g、つまり関羽の青龍偃月刀は約49㎏となり、とてもじゃありませんが片手で持つような得物ではありません。
まぁこれを言ってしまうと「じゃあ扱えていた潘璋もすごいじゃん、そりゃあ孫権も中々お咎めしにくいわね……」となりますが、まぁあくまで三国志演義、ということでお納め下さいね。
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因みにもっと言うと魯智深の武器は約37㎏。最初の希望だと60㎏、もう人一人分です。そんな武器を抱えて歩くだけでも大変そうなのに、振り回していたらそりゃあ強いわ……となりますね。というか、持って振り回しているだけで間違って死人が出そうですよね……それはお師匠さんも止めるでしょう。
今回はそんな魯智深の力自慢と、関羽と青龍偃月刀のお話でした。
ちゃぽーん。
参考文献:水滸伝 三国志演義
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