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曹爽に協力しないように暗に助言
弟に相談された辛憲英は、こう言いました。
「司馬懿様がこのようなことを起こしたのには、そうせざるを得ない理由があったはず。曹叡様は曹爽様と司馬懿様、両名に後事を託したのに曹爽様は専横をなさっておいででした。このことは臣下の道に外れたもの。お二人の才覚を比べれば、いずれ司馬懿様が勝ち、曹爽様には然るべき沙汰が下ることでしょう」
「では司馬懿殿に協力するべきですか?」
「それでは貴方が臣下の道に外れます。臣下とはいかなる時も主君に魏を……コホン、義を果たすべきなのです」
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一族のピンチを救った判断
姉である辛憲英のアドバイスをしっかり実行した辛ショウは、兵を率いて曹爽の元に駆けつけました。しかし曹爽は司馬懿にすっかり怯え上がっていて、あっさり司馬懿に降伏してしまいます。果てに曹爽たちは三族皆殺しとなるのでした。
辛ショウは「火急の際に主君に忠義を尽くした人物」と評価され、処刑を免れたと言います。余談ですが辛ショウ、頼りなく見えますがしっかり姉に相談して、返された返答を全うしているので、ちゃんと有能な人物だと思いますね。
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鍾会がいずれ謀反すると予言
後の鍾会の蜀攻略の際、辛憲英は鍾会の野心を見抜き、甥の羊コに話したと言います。また彼女は鍾会に同行することになった羊琇にもしっかりと忠告し、事実、鍾会は反乱を起こしました。しかし母親の忠告を聞いていた息子は常に鍾会を警戒していたため、混乱することなく無事に家族の元に帰ってこれたと言います。
いつでもいかなる時も、彼女の忠告は家族を救ったのでした。
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三国志ライター センのひとりごと
辛憲英、割と物事をはっきりと言い、間違いなく有能な女性です。しかしそれと同時に、愛情も持ち合わせている女性だと思います。苛烈な烈女、というとイメージではないですが、才能あふれる女性ですね。
個人的には彼女の言葉を女性の言葉とか論じることなく、アドバイスをしっかり聞き入れる弟や息子も凄いと思いました。何となく、辛家は家族の絆が強い印象がありますね。
ちゃぽーん。
参考:魏志辛ピ伝 烈女伝
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