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曹操の死因は本当に脳腫瘍だった?実は現代でも恐ろしい歯周病が起因?


 

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魏王に就任する曹操

 

今回のお話は曹操そうそうの死因です。曹操そうそうのみならず、三国志さんごくしの時代の有名武将たち、歴史上の人物たちの死因については多くの人々が様々な記述から色々な推測を立てて議論がされており、中には「これでは?」と思われる死因も挙げられております。

 

死期を悟る曹操

 

そこの今回は恐縮ながら、筆者の考える曹操そうそうの死因について、も述べさせて頂きたいと思います。どうぞよろしくお願いしますね。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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曹操の死因は脳腫瘍

頭痛に悩む曹操

 

さていきなりぶっこんでいきますが、曹操そうそうの死因について一番良く触れられているのが「脳腫瘍」であります。元々曹操そうそうは頭痛持ちであったとされますが、これが腫瘍によるもの、それもかなり悪性のもので、あの時代においては手の施しようがなかったのではないか、とも囁かれてますね。

 

曹操頭痛

 

実際に、医学の発達した現代においても悪性の腫瘍というのは厄介で、それもその腫瘍ができた場所によっては手のほどこしようがないとされるケースも少なくはありません。

 

 

曹操の死因=脳腫瘍説は古来よりあった?

曹操の頭痛の原因は関羽?

 

この曹操そうそうの死因=脳腫瘍説、実は古くから考えられてきました。それも中国ちゅうごくの明代から。というのも、実際に記録として残されています……皆さんもご存知、三国志演義さんごくしえんぎですね。

 

三国志演義_書類

 

三国志演義さんごくしえんぎは三国時代を基にして書かれた小説ではありますが、全てが全て荒唐無稽なものではありません。何らかの下敷きがあり、そして書かれたものです。そして三国志演義さんごくしえんぎでは、曹操そうそうの死因……というか、ある意味、名医である華佗かだの死因として、曹操そうそうの脳腫瘍の話が出てくるからです。

 

 

華佗医師、曹操の頭を開こうとする

華佗(華陀)

 

経緯は省きますが、三国志演義さんごくしえんぎでは曹操そうそうは頭痛に悩まされていました。そこに呼ばれたのが名医である華佗かだです。華佗かだ曹操そうそうの状態を見ると、手術をする必要があると告げました。

 

華佗(華陀)と曹操

 

頭の中にこの病気の根本があるので、それを切除する必要がある……そのため、頭を切り開くと言うのです。一応、華佗かだも麻酔のようなものを施してから手術を行うというのですが、時代が時代、曹操そうそうはびっくりです。

 

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華佗の死因=(曹操の)脳腫瘍

華佗(華陀)

 

当たり前ですがこの時代に先進的すぎる手術方法、曹操そうそうでなくともドン引きでしょう。曹操そうそうが怒ってこれを拒絶すると、つい目の前の患者に華佗かだは零してしまいます。

 

華陀の治療を受けながら碁をうつ関羽

 

関羽かんう将軍も同じように腕を切り開いて骨を削って病を治しましたが、そのように動じることはございませんでした」

 

華佗(華陀)

 

これに曹操そうそうは激怒「腕と頭が同じである訳があるか!」と、それもそうだというような反論をし、嘗て関羽かんうと親しかった華佗かだが病にかこつけて曹操そうそうを殺す気だ!と華佗かだを捕らえ、最終的に処刑してしまったのでした。

 

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関羽

 

 

華の死を後になって悔やんだ曹操

華陀と麻沸散

 

三国志演義さんごくしえんぎで処刑された華佗かだですが、正史においても経緯こそ違うものの曹操そうそうに処刑されています。

 

曹沖が亡くなり悲しむ曹操

 

曹操そうそうは後に名医であり、自分の頭痛を治せた華佗かだ、そしてその処刑の果てに失ってしまった我が子、曹沖そうちゅうの一件もあり、深く悔やんだとされています。

 

華佗(華陀)と双子

 

と、曹操そうそうは頭痛に悩まされていたことは三国志の時代から、後の時代にまで伝わり、その死因の一つとして考えられてきました。そしてここでもう一つ、曹操そうそうの死因として挙げたい病気があります。

 

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英雄の死因

 

 

曹操の死因…実は歯周病だった?

曹操のお墓(曹操高陵)

 

2018年、とある陵墓りょうぼから見つかっていた遺骨が曹操そうそうのものであると報じられた一件がありました。この曹操そうそうのものと見られる遺骨、上あご部分の歯が虫歯で失われていたりしており、曹操そうそうがかなり重度の虫歯、歯周病に悩まされていたと考えられています。つまり曹操そうそうは頭痛ではなく、歯の痛みに悩まされていたのでは、という考察も挙がってきているのです。

 

歯痛に悩む陸遜

 

そして筆者はもう一つ、この「歯の痛み」から別の症状も考察されるのではないかと考えました。歯の痛み、虫歯はただ歯が痛い、という問題だけではありません。

 

歯磨きをしている陸遜

 

進行することによって、虫歯を引き起こす細菌、咥内えんないに存在する歯が神経にまで到達することで、激しい痛みだけでなく血液の感染、敗血症はいけつしょうを引き起こすリスクも存在しているのです。そしてこの敗血症はいけつしょう生命せいめいの危機にまで瀕することがあるのですが、のうの血管内皮が障害されると脳浮腫のうふしゅが起こりえるのです。曹操そうそうの頭痛、それは脳腫瘍のうしゅようだった。

 

しかしただ脳腫瘍のうしゅようだっただけでなく、その原因として重篤な虫歯があり、その進行によって敗血症はいけつしょうが引き起こされていて、脳浮腫のうふしゅ……脳内のうないにむくみが起こっていた。

 

華佗(華陀)

 

そして華佗かだ医師いしはその治療ができた……麻沸散まふつさんという麻酔を取り入れていた彼は、実は歯医者としての治療ができていた……

 

処刑を下す曹操

 

 

しかし曹操そうそうが処刑してしまったことにより曹操そうそうの虫歯は悪化の一途を辿ることになった。という、曹操そうそうの死因と共に、華佗かだ医師いし医療いりょうスキルまで想定してみましたが、いかがでしょうか?

 

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歯痛の歴史

 

 

三国志ライター センのひとりごと

三国志ライター セン

 

 

歯医者の治療、進行すると本当に痛いですよね。まあ神経がむき出しになって治療するとなると、その痛みも当然と言えますが。その治療をできるだけ苦痛なく、やりやすくするために麻酔が用いられます。華佗かだ医師いしの麻酔はもしかして外科手術だけでなく、歯の治療にも用いられていたのではないか?

 

三国志を解説するセンさん

 

だからこそその手腕が、あの時代に神医とまで称えられたのではないか……と、曹操そうそうの死因と合わせて考察してみました。華佗かだ医師いしの死因は三国志さんごくし演義えんぎにおいて、曹操そうそうの死因をなる脳腫瘍のうしゅようを切除しようとしたから。

 

曹操

 

しかし正史を追いかけてみると、実は華佗かだ医師いしを処刑したからこそ曹操そうそうの死因である脳腫瘍のうしゅようが生まれてしまった……そう考えると、不思議な因果を感じる筆者でした。どぼーん。

 

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セン

両親の持っていた横山光輝の「三国志」から三国志に興味を持ち、 そこから正史を読み漁ってその前後の年代も読むようになっていく。 中国歴史だけでなく日本史、世界史も好き。 神話も好きでインド神話とメソポタミア神話から古代シュメール人の生活にも興味が出てきた。 好きな歴史人物: 張遼、龐統、司馬徽、立花道雪、その他にもたくさん 何か一言: 歴史は食事、神話はおやつ、文字は飲み物

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