孫権ファンの方も、孫権ファンではないけれど、もう少し彼のことを知りたいという方も、お待たせしました!
今回は、史実の孫権が本来持っていたポテンシャルを最大限に生かし、さらに活躍できる「イフ展開」をがっつり考えてみたいと思います。
とはいえ、そもそも孫権は「無能な三番手」どころか、曹操・劉備のライバルとして何度も鋭い戦略眼と政治手腕を見せた、有能な君主でした。そんな孫権をもっと輝かせる余地はどこにあるのでしょうか?
この記事の目次
晩年の暴君化は精神的疲労が原因だった?と仮定してみる
ここではフィクション色の強い『三国志演義』から離れ、より史実に近いとされる陳寿『正史三国志』の孫権像に注目してみましょう。
演義での孫権は、どうしても「第三の勢力の長」であり、物語上の脇役のように扱われがちでしたが、正史の孫権は名君と評価されており、部下からも深く信頼され、曹操にも一目置かれる存在でした。ただし、史実の孫権には大きな問題があります。
それは、晩年になってからの「暴君化」です。
後継者争い(いわゆる二宮事件)がこじれた結果、孫権は疑心暗鬼に陥り、長年の忠臣を遠ざけたり、場合によっては粛清してしまったりと、国の衰退につながるほどの混乱を招いてしまいました。
それにしても、若き日の名君ぶりと、晩年の暴君化の落差は、どう見てもあまりに極端です。
あくまで個人的な見解ですがこれは現代で言えば、鬱状態やストレス障害が進行したケースに似ており、曹操・劉備との長年の死闘や後継者問題の重圧が、孫権の心をむしばんだのではないでしょうか。
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もし孫権が現代的な「早期引退と休養」を選んでいたら?
ここで本題のイフ設定です。突飛な発想とは百も承知ながら、もし呉の宮廷に「現代の心療内科」が存在していて、孫権がそこを受診していたら?
医師はこう言うでしょう。「長年のストレスで、性格が変わるほどの病が進行しています。孫権さん、後継者に職務を引き継ぎ、しっかり休んでください。」
もし孫権が、後継者争い(二宮事件)が本格化する直前にこの診断を受けたとしたら。
「そうか!もう休むべきなのだ!それなら私は潔く引退しよう!」
そう決断したかもしれません。こうして現代風の医師に説得された孫権は、暴君になる前に宮廷を離れ、「隠居と旅」の第二の人生に入るわけです。
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史実と異なり、ベテラン重臣たちが後継者問題をうまく収める!
孫権の後半生がこのように変化したら、歴史はどう変わるでしょうか?まず、史実ともっとも大きく異なる点は、「そもそも孫権が暴君化しない」点です。この一点だけで、呉の未来にとっては大きなメリットです!
おそらく、医師の忠告を素直に受け入れた孫権は、重大な決定を自身で抱え込まず、張昭や陸遜といったベテラン重臣に後継者問題を一任することでしょう。
「精神的に休養する環境に入るには、信頼できる人に権限や仕事を委譲する」は現代精神医学でも鉄則のアドバイスです!
この場合、有能なベテラン重臣たちの談合と根回しで、後継者は自然に孫和に決まり、史実のような泥沼の争いにはならないでしょう。安心した孫権は、わずかな供回りを連れて隠居生活へ!そして心身を癒すため、呉の国内をゆっくり旅し始めます。
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引退した孫権、太平洋と東南アジアの神秘に触れる!
ここから、孫権の「第二の人生」が大きく動きます。呉の国内を回るうちに、孫権はふと気づくのです。
「我が呉は、海に開かれた国ではないか。長江を渡れば、そこには別の世界がある。」
事実、この時代(三世紀前半)、太平洋と東南アジアには強力な海上勢力が次々と台頭していました。
・東南アジアには扶南(カンボジア)という王国が海上交易で栄えていました
・台湾には、高度な航海技術をもったオーストロネシア海洋民が栄えていました
・フィリピンやインドネシアにも、船と海を中心とした諸民族が勃興していました
孫権は「君主時代には見えなかった世界の広がり」に心を動かされ、こうした海洋民族や南方王国を好奇心のままに訪ね歩きます。すると、どの国・どの民族も、「呉の前皇帝が訪ねてきた!」と驚きをもって迎え、歓迎の宴を開き、友好関係を結ぼうとするでしょう。孫権は中国大陸の争いから解放され、南方世界の神秘に触れ、海洋民族と友情を結びながら、穏やかで幸福な晩年を過ごします。
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まとめ:孫権の旅が、呉のピンチを救う!
このイフ展開には、さらに重要な「未来への影響」があります。史実では、孫権の死後しばらくして、魏を継いだ「晋」が大水軍で南下し、呉は滅亡してしまいました。
しかし、もしその際、
・太平洋の海洋民
・東南アジアの新興王国
などが、孫権とのよしみから、それぞれの水軍を率いて、滅亡の危機にある呉の長江へ、続々と援軍として現れたら?晋の艦隊は大軍とはいえ、所詮は陸戦中心の国が建設した海軍。プロの航海士たちを揃えた南方連合水軍があっけなく撃破してくれるかもしれません!
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三国志ライターYASHIROの独り言
すなわち、まさかの「第二次・赤壁の戦い(南方連合版)」=呉の勝利!という結果すら見えてきます。
孫権が暴君にならず、旅によって心を救われ、その旅そのものが国を救う外交となる!
今回は、そんな夢のあるイフ展開を今回考えてみました。多少都合のよい部分もありますが、私を含めた孫権ファンにとって、「孫権大活躍編」として楽しんでいただければ幸いです!
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