もし蜀が南征をせず、孟獲を荊州にけしかけて呉や魏と戦わせていたら?南方勢力を囮に使うおそるべし諸葛亮の深謀遠慮!

2026年6月17日


 

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北方謙三風ハードボイルドな豪傑(曹操・劉備・孫堅)

 

・呉・蜀の三国が天下覇道をかけてしのぎを削り合ったのが、有名な三国時代。

 

山越族(異民族)

 

ですがこの時代においては、メインとなったこの三国以外にも、辺境の異民族や武装集団が、しばしば現れ、天下取りの脇役として重要な役割を担っていたことをご存じでしょうか?

 

 

孟獲

 

 

そうした辺境勢力の中でも、三国志ファンにとりわけ有名なのが、孟獲(もうかく)がひきいる南方勢力です。たとえ「孟獲」と言われてすぐにピンとこなくても、『三国志演義』およびそれを基にしたアニメや小説で、象を操ったり、妖術みたいなものを使ってきたりする、謎の「南方の軍勢」が諸葛亮孔明の前に現れるエピソードは、覚えているのでは?

 

 

7回捕まり孔明にボコボコにされる孟獲

 

 

そうです、孟獲とは、蜀に対して南から何度も挑んだものの、諸葛亮に七度、捕らえられては寛大に釈放されたことで、最後には諸葛亮に心腹した、あの人物です。もちろん象軍団やら妖術やらは、後世の創作ですが、諸葛亮が魏との決戦の前に、後顧の憂いを絶つために南方勢力に対する軍事行動を起こしたことは史実のようです。

 

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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蜀の南征という選択は、本当に最善だったのか?

孔明君のジャングル探検

 

 

ですがここで、あえて意地悪な見方をしてみましょう。諸葛亮の南征は、本当に最善の戦略だったのでしょうか。なるほど、結果としては南方勢力を屈服させ、蜀に対する反乱のリスクを軽減させました。しかしこの南征は以下のようなリスクを抱えていました。

 

孔明

 

・諸葛亮自身が長期間、成都を留守にする

・蜀の貴重な兵力と物資を消耗する

・いくらリーダーの孟獲を心服させたとはいえ、壊滅させたわけではないので、戦後も南方への警戒のために兵力の一部を割き続けることになる

・本来のライバルである魏と呉に対しては、南征は何のダメージも与えられない

 

孔明

 

結果として成功したからよかったとは言えますが、これだけ準備しても結局、そののち、諸葛亮は魏を攻め切れませんでした。それならば!

 

 

孔明君のジャングル探検

 

 

今回は、空想の翼を広げて、思い切ったイフ展開を考えてみましょう。諸葛亮が、南征をせず、本来の目標である魏や呉との戦いを有利にするために、むしろ孟獲を利用する戦略はなかったのでしょうか?はっきり言えば、孟獲に、魏や呉を襲撃させることはできなかったのでしょうか?

 

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南蛮征伐特集

 

 

南方勢力、蜀を通り越していきなり荊州を奇襲!

帯来洞主(南蛮族)

 

もちろん、これはあくまでイフシナリオの空想です。現実的には孟獲が中国本土に乱入し、魏や呉と対決するのは難しいでしょう。ですが「あえて」空想をたくましくすると、唯一、可能そうなターゲットがあります。荊州です!

 

蜀軍に勝利する木鹿大王(南蛮族)

 

ただし、これは、蜀と孟獲との同盟が必須です。たとえば、こんなイフシナリオはどうでしょう?

 

呉の諸将を論破する諸葛亮孔明(セリフなし)

 

蜀の武将たちが、「魏との北伐の準備として、南方の孟獲と戦いましょう」と提言をしてきたとき、諸葛亮が、やおらハタと扇を振り、「いや待て!私にもっと良い考えがある!」と遠大な戦略を閃きます。

 

呉の孫権は皇帝

 

それは、孟獲に使者を送り、呉によって奪われていた荊州について、「あそこはもともと蜀の土地だったが、呉の孫権という者が居座って困っている。蜀としては、領内の通行権と、兵糧の援助を約束するから、孟獲殿、ぜひ荊州をお取りなさい。そうすればあなたも立派に、魏呉蜀に続き、皇帝を名乗れるでしょう」と吹き込むのです。

 

悪い顔をしている諸葛亮孔明

 

「オレが皇帝に?!」その可能性に心を躍らせた孟獲は、夫人を伴って、大軍勢で蜀の領内を通過し、荊州遠征を開始します。

 

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三国志と異民族

 

 

祝融夫人やら象やらがまさかの孫権軍に襲い掛かる!

ポイント解説をするYASHIRO様 ポイント

 

実は、孟獲の勢力圏は、現代でいう雲南省付近。蜀を通行さえできれば、荊州への乱入は、不可能ともいえません。

 

董荼那(南蛮族)

 

そして、呉の孫権にとっては、魏や蜀への警戒はしていても、南方の異民族の乱入はまさに想定外!突然、山岳地帯から現れた孟獲の大軍!

 

孟獲とラブラブな祝融

 

しかも、象やら妖術やら、祝融夫人という勇ましいご婦人やらがご同行!まったく想定外の敵の陣容に、孫権軍はうろたえることでしょう。

 

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魏VS呉VS孟獲で、蜀はホクホクの漁夫の利!

炎上する城b(モブ)

 

この諸葛亮の戦略は、かなり深いものです。というのは、荊州は史実でも、魏呉蜀の三か国が、しばしば争奪戦を繰り広げた激戦地。三国それぞれにとって、手に入れておきたい要衝だったのです。ここに孟獲軍が乱入し、荊州の南部に拠点を設けてしまったら?

 

南蛮異民族をボコボコにする潘濬(はんしゅん)

 

とうぜん、呉は荊州平定のために必死に大軍を投入します。いっぽう、魏も、この混乱に乗じて荊州に遠征軍を送り込んでくるでしょう。そして荊州は、魏と呉と孟獲が入り乱れる、大混戦に!

 

諸葛亮(孔明)の養育を受ける若き諸葛攀

 

その間、諸葛亮はじっくりと、蜀の内政と軍備拡張に専念できるのです。

 

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諸葛亮

 

 

まとめ:このシナリオなら孔明の北伐も有利に?

三国時代の弓兵(兵士)

 

荊州がこのように大荒れとなり、魏も呉も、荊州方面に大軍を繰り出して消耗してくれれば、チャンスをうかがっていた諸葛亮はいよいよ、軍を率いて北伐を開始、魏に二正面作戦を強制することになります。これならば、史実よりも、後の北伐の成功率は上がるでしょう。南方の異民族をあえて中国本土に招き入れることで、まんまと漁夫の利を得る諸葛亮、なんという深謀遠慮でしょう!?

 

憤死する麋竺(モブ)

 

ただし、このシナリオでは、ほぼ確実に孟獲は滅亡してしまいます。いかに珍しい軍勢を率いていたとしても、魏の司馬懿や、呉の陸遜を相手に、長期にわたりあえるはずもありません。諸葛亮のおとりに使われた孟獲は、荊州の山地に追い詰められ、すべてが罠だったことを知り、諸葛亮への呪いの言葉をつぶやきながら力尽きることでしょう。

 

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孫権

 

 

三国志ライターYASHIROの独り言

三国志ライター YASHIRO

 

さて、そんな諸葛亮と孟獲の関係は、いかがでしょう?嫌でしょうか?たしかに、私も、だんだん嫌になってきました・・・。やはり諸葛亮と孟獲は「七度捕まえて七度生かす」、有名な「七縱七擒」の美談でまとめてほしいものです。

 

孟獲

 

私はそのように感じましたが、孟獲を利用しつくす深謀遠慮の諸葛亮と、寛大な心で孟獲の心を溶かした諸葛亮、どちらが皆さんのイメージに、あいますでしょうか?

 

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とにかく小説を読むのが好き。吉川英治の三国志と、司馬遼太郎の戦国・幕末明治ものと、シュテファン・ツヴァイクの作品を読み耽っているうちに、青春を終えておりました。史実とフィクションのバランスが取れた歴史小説が一番の好みです。 好きな歴史人物: タレーラン(ナポレオンの外務大臣) 何か一言: 中国史だけでなく、広く世界史一般が好きなので、大きな世界史の流れの中での三国時代の魅力をわかりやすく、伝えていきたいと思います

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