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キングダム891話ネタバレ考察|李牧がカイネに語った「雁門に勝利はない」理由
宴の空気を破ったのはカイネでした。今の状態を勝利と呼ぶことに強く反発し、敵が来るたびに逃げるのは匈奴に屈しているのと同じだと訴えます。家族を殺された日を思い出してほしい、生き残れたことを喜んでいていいのか、と。
人々が黙り込むなか、カイネは席を離れ、城壁の上で一人身を伏せます。そこへ李牧がやって来ました。
李牧は、雁門にはもともと勝利がないと告げます。匈奴の勢力圏はカイネたちが思うよりはるかに広く、討って勝つには少なくとも十万以上の大軍が要る、という見立てです。勝てる条件がない以上、李牧が選ぶのは、守りに徹して人々を逃がすことでした。匈奴は馬上の戦いに強くても城攻めは苦手で、臆病者と呼ばれても味方に敵の手を触れさせないことが自分の役目だと語ります。
カイネはまだ納得しません。趙人として、雁門の民としての誇りはどうなるのか。殺された家族の無念はどうなるのか。敵に背を向けて生き延びても、魂が死んでしまうのではないか。李牧は少し間を置いて、昔のある若者の話を始めます。
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キングダム891話ネタバレレビュー|李牧が語る「行角の戦い」の若者と、更迭の知らせ
その若者は、今のカイネと同じ目つきをしていたと李牧は言います。若者も戦争で親や兄弟を失っており、その怒りは身内を失った部隊の若者たちに広がりました。彼らは将の命令を聞かず、敵の大将めがけて無謀な突撃をします。
全滅したのかと尋ねるカイネに、李牧は、敵将の首を取ったと答えます。劣勢を若い小隊がひっくり返した「行角の戦い」でした。回想のコマでは、若者が我を忘れたように矛を振るい、矢や槍や剣で傷つきながら前に進み、ついに敵の総大将を討ち取ります。
ところが、若者が仲間に呼びかけても、答える者はいませんでした。従兄弟も、幼なじみの兄弟も、入隊したころからの仲間も、その突撃で命を落としていたのです。若者を襲ったのは、家族の恨みを晴らした達成感ではなく、耐えがたいほどの失意でした。
カイネはその若者が誰なのかに思い当たりかけますが、李牧は自分だとは明言しません。代わりに、家族の仇のために死をも顧みない気持ちは、家族を深く愛し、雁門の民としての誇りを持っているからだと認めます。そのうえで、命はカイネが思う以上に重く、何よりも守られるべきもので、そこにはカイネ自身の命も入っていると伝えました。カイネは目を見開いて聞いていますが、復讐をやめるとも、李牧に従うとも口にはしません。
場面は草原の丘へ移ります。岩の上に座るカイネのもとへ、風慈が馬で駆けつけ、李牧が北部司令官を更迭され、邯鄲へ強制送還されると告げました。匈奴と戦っていないことが趙王の耳に入り、激怒した王が李牧を捕らえさせたのです。趙国の誇りを傷つけたとして、邯鄲で斬首されるかもしれない、という知らせでした。兵に囲まれた李牧の姿も描かれ、言葉を失うカイネを、風慈は急いで来るよう促します。邯鄲への到着やその後の裁きは描かれないまま、第891話は終わります。
命は何よりも守られるべきものだと語った李牧が、自分の命を危うくしたところで終わりました....。えぇ、守られるべきもののリストに、ご本人は入っていなかったようです....。次は著者(おとぼけ)の考察に入りますよ!
李牧は、あの若者が自分だとは言いませんでした。そして命の重さを説いた本人が、今度は斬首の知らせとともに邯鄲へ送られようとしています。
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