ここから考察です。まずは、893話の予想の答え合わせから。
予想第1弾では、本命を「夜明けの『時間』は、カイネが牢を去る刻限の合図。カイネが去り、河了貂は一人で趙忽の帰りを待つ」としていました。ここはドンピシャ!(ドヤ顔)カイネは夜明けに牢を去り、河了貂は趙忽の帰りを待つ身のまま残されました。燕隼が見張りに残ったので、完全に一人ではありませんでしたが、そこはご愛嬌です。対抗の「信の斥候が河了貂の居場所をつかむ」は外れ。信は出てきましたが、河了貂のことを知っているかは、まだ描かれていません。
そして第2弾。「893話で河了貂の過去編が始まる」「11月は回想で終わる可能性」と書きましたが....いやー、清々しいほどに外れました。893話は夜明けの牢から一直線に現在の戦場へ進み、最後には信まで登場です。
過去編が長いと感じていた兄弟を、さらに不安にさせてしまいました。ここで深くお詫び申し上げます。kawauso編集長の「牢番が二人を逃がす」も外れでしたが、牢に残って河了貂を見張ったのが、カイネの部下の燕隼だったのは少し近かったかもしれません。
前回の記事には、「今回はサクサク話が進んで本当に良かった」「史実とこれまでの巻に描かれた話をリンクさせる形で、シンプルにまとめた」というコメントをいただきました。この流れを読んでいたのは、おとぼけではなく読者の兄弟のほうでした。原先生、893話もサクサクでしたねー。
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この記事の目次
キングダム893話考察|李牧はなぜ三千騎を待たずに自ら先行したのか
あの李牧が、後続を置き去りにして森を駆けていく姿には驚きました。総大将が一人で先に飛び込むのは、普通なら危ない判断です。それでも李牧は、北上する本軍と救援の三千騎を分けたうえで、自分だけ先に走っています。軍の指示は出し終えてから、という順番は守っていました。
おとぼけは、ここに892話までの雁門編がそのまま効いていると読んでいます。雁門で、李牧はカイネが生き残っていたことを何より喜びました。命は何よりも守られるべきもので、そこにはカイネ自身の命も入っていると891話で語った人です。そのカイネが包囲されたと聞いて、三千騎がそろうのを待っていられなかった。李牧パイセン、雁門の頃から変わっていません。
逆に、李牧ほどの人が、相手が誰かも確かめずに飛び込んだのは、少し危うさも感じます。待っていたのは秦の残党ではなく、信でした。総大将が最前線に立ってしまった今、李牧はどう動くのか。ここは894話で一番見たいところです。みなさんは、あの先行をどう見ましたか。
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キングダム893話考察|カイネはなぜ短刀を突き立てられなかったのか
三つ数える場面は、読んでいて息が止まりそうでした。カイネは、河了貂に止められなくても刺せなかったと認めています。理由は、妹カイヤを思い出して手が動かなくなったから。888話でカイネは、河了貂に妹の面影を重ねていると打ち明けていました。腕の中の河了貂に、カイヤを重ねてしまったのだと思います。
カイネの「最後の助け」は、拷問から守るための、カイネなりのやさしさでした。ただ、河了貂が選んだのは、苦しくても最後まで生きることです。雁門で李牧から「命は守られるべきもの」と教わったカイネが、今度は敵の軍師から、同じ答えを返されたようにも見えます。カイネは牢を出たあとも、殺してあげるべきだったと悔やんでいました。それでも、河了貂の命はまだつながっています。
カイネの後悔が晴れるとしたら、河了貂が本当に生き延びたときなのかもしれません。みなさんは、カイネが刺せなかったことをどう受け止めましたか。
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キングダム893話最新話考察|サブタイトル「最後の助け」は、誰から誰への助けだったのか
「最後の助け」は、まずカイネが河了貂に差し出した短刀のことです。逃がしてやれない以上、せめて苦しまずに死なせてやる。カイネにできる助けは、それしか残っていませんでした。
ところが後半では、助けを必要とする側が次々に入れ替わります。カイネはソルン隊を助けに走り、そのカイネが包囲され、今度は李牧がカイネを助けに走る。そしてたどり着いた先にいたのが、河了貂がいちばん会いたいはずの信でした。カイネが河了貂に差し出せなかった本当の助けが、信という形で近くまで来ている。原先生は、そんな皮肉を最後のページに置いたのかもしれません。どうですかね。
キングダム894話予想|信がカイネを捕らえ、河了貂との人質交換へ
ここからは894話の予想です。おとぼけの本命は、信がカイネを捕らえ、河了貂との人質交換に持ち込む展開です。カイネは李牧の側近で、李牧軍の将軍。趙にとっては、敵の軍師と並べても釣り合う重さがあります。しかもカイネは、河了貂がどこにいて、まだ生きていることを知っている、ほぼ唯一の趙の将です。
おとぼけが気になっているのは、カイネの側の気持ちです。カイネは牢を出たあと、河了貂を救えなかったことを悔やんでいました。目の前に信がいて、自分が捕らえられれば、河了貂と交換する道が開ける。軍律に背いたと責められても、趙の中で罰を受けることになっても、河了貂を助ける手段はこれしかないと、カイネのほうから受け入れる可能性もあると思っています。888話で趙備明に軍律違反を責められたカイネです。罰を受ける覚悟は、もうできているのかもしれません。
もちろん、壁は大きいです。河了貂を捕らえているのは、郭開の息がかかった趙忽軍で、李牧の言うことを素直には聞きません。交換を成り立たせるには、李牧が趙忽軍から河了貂を引き取る必要があります。カイネを取り戻すために、李牧がどこまで趙の内側で無理をするのか。ここが交換の成否を分けそうです。
信はまだ、河了貂が生きていることを知らないかもしれません。カイネの口から「河了貂は生きている」と聞かされたとき、信がどんな顔をするのか。894話で、そこまで描かれてほしいと願っています。人質交換、ありえると思いますか。
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キングダム894話予想|李牧と信、崖の戦場で何が起きるのか
もう一つの見どころは、李牧と信が同じ戦場に立ったことです。邯鄲の戦いで、飛信隊は李牧の包囲で大きな傷を負いました。その李牧が、今度は三千騎を後ろに引き連れ、しかも先頭に一人でいます。信の側から見れば、千載一遇の機会にも見えるはずです。
それでも、おとぼけは、894話で二人の一騎打ちまではいかないと読んでいます。李牧の後ろからは足の速い三千騎が迫っていて、信の兵は邯鄲の敗戦で数を減らしたままです。長く戦えば信の側が囲まれる。信も、ここで李牧を討てるほど甘い相手ではないことは、邯鄲で身にしみているはずです。
なので894話は、李牧と信が言葉を交わすところまでではないかと予想しています。李牧はカイネを取り戻したい。信は、河了貂の消息を知りたい。お互いに相手の欲しいものを握っていると気づいたとき、本命の人質交換の話が動き出すのかもしれません。崖に挟まれた戦場で向き合う李牧と信。来週がこわくもあり、楽しみでもあります。二人が向き合ったら、最初に口を開くのはどちらだと思いますか。
みなさんはキングダム893話どう読みましたか?
今週、意見が分かれそうなところが二つあります。一つは、カイネの「最後の助け」です。苦しませないために命を絶とうとしたカイネを、やさしさと見るか、早すぎる諦めと見るか。河了貂が拒んだことで、読み方が変わった兄弟もいると思います。
もう一つは、894話の行方です。信がカイネを捕らえて人質交換になるのか、李牧と信がぶつかるのか、それともカイネが自分から交換を申し出るのか。コメントで教えてください。次回の記事で紹介させていただきます。
キングダムライターおとぼけの独り言
今週、雁門騎馬隊の兵でも李牧に追いつけない、という場面がありました。そこで、史実の李牧と騎馬の話を一つ。『史記』の李牧伝によれば、雁門にいた李牧は、毎日のように牛を潰して兵にふるまい、騎射を鍛えさせていたそうです。
匈奴との大決戦の前には、選び抜いた騎馬を1万3千もそろえたと書かれています。原文では「選騎得萬三千匹」。数えているのは兵ではなく馬で、それだけ良い馬をそろえることが大事だったのでしょう。892話までの雁門編を読んだあとだと、あの騎馬隊の後ろには、李牧が雁門で積み重ねた年月があるように見えてきます。
その雁門仕込みの騎馬隊ですら置いていかれる速さで、李牧はカイネのもとへ駆けていきました。史実の李牧が育てた騎馬が、作中では李牧の心の速さに負けているのかと思うと、なんだか、胸が熱くなりますね。
▶ 参考:『史記』巻81 廉頗藺相如列伝(李牧伝)(維基文庫)
それでは兄弟たちよ、また次週でお会いしまっせ!
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