張飛と関羽人気があるのはどっち?時代ごとの人気を検証

2021年5月21日


 

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張飛、劉備、関羽の桃園三兄弟

 

張飛(ちょうひ)関羽(かんう)は史実においては劉備(りゅうび)の兄弟分、演義においては義兄弟として描かれる人物です。それぞれ豪傑という共通する点と真逆とも言える性格であることから、どちらも人気があります。

 

張飛の男気人生

 

現在では媒体によってキャラ設定が異なりますし、ファン層も多様化していることもあって人気があるのはどちらかと言っても甲乙つけるのは難しいでしょう。

 

三国志演義_書類

 

しかし、三国志演義などに出てくる限られたエピソードしかなかった時代は人気もどちらかに偏っていたので、どちらが上だったのかを判断することができます。そこで今回は時代ごとに人気があるのはどちらだったのか、その理由は何だったのかを紹介していきたいと思います。

 

監修者

ishihara masamitsu(石原 昌光)kawauso編集長

kawauso 編集長(石原 昌光)

「はじめての三国志」にライターとして参画後、歴史に関する深い知識を活かし活動する編集者・ライター。現在は、日本史から世界史まで幅広いジャンルの記事を1万本以上手がける編集長に。故郷沖縄の歴史に関する勉強会を開催するなどして地域を盛り上げる活動にも精力的に取り組んでいる。FM局FMコザやFMうるまにてラジオパーソナリティを務める他、紙媒体やwebメディアでの掲載多数。大手ゲーム事業の企画立案・監修やセミナーの講師を務めるなど活躍中。

コンテンツ制作責任者

おとぼけ

おとぼけ(田畑 雄貴)

PC関連プロダクトデザイン企業のEC運営を担当。並行してインテリア・雑貨のECを立ち上げ後、2014年2月「GMOインターネット株式会社」を通じて事業売却。その後、「はじめての三国志」を創設。戦略設計から実行までの知見を得るためにBtoBプラットフォーム会社、SEOコンサルティング会社にてWEBディレクターとして従事。現在はコンテンツ制作責任者として「わかるたのしさ」を実感して頂けることを大切にコンテンツ制作を行っている。キーワード設計からコンテンツ編集までを取り仕切るディレクションを担当。


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三国時代〜隋、唐代は張飛の方が人気

朝まで三国志2017 周瑜、陸遜、郭嘉、荀、法正、孔明、司馬懿、袁術

 

人気度合いを測る尺度として支持率の高さがあります。特に中国では死後に英雄や偉人を祀る風習があるので、いつから祀られていたか、どのくらいの規模で祀られていたかで人気度の比較が可能です。

 

関帝廟と関羽

 

まず故人を祀る際に建てられる(びょう)が建てられた時期を比べてみます。最も古い関帝廟(かんていびょう)は隋代に建てられたとされるものが現存していますが、それに対して張飛廟(ちょうひびょう)は張飛の死後間もない三国時代から存在していました。

 

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張飛が早期に祀られた理由

司馬昭の質問に回答する劉禅

 

劉禅(りゅうぜん)は260年に関羽や張飛など主だった人物に(おくりな)を追号していて、関羽は「壮繆候(そうぼくこう)」、張飛は「桓候(かんこう)」と呼ばれるようになります。

 

五虎大将軍の張飛

 

追号された事実だけを見ると大したことでは内容に思えるのですが、その諡に注目をすると張飛が関羽よりも先に祀られた理由が見えてきます。

 

関帝廟で関羽と一緒に祀られる周倉

 

関羽の壮繆候とは「名はあるものの実が伴わない」という微妙な意味であるのに対し、張飛の桓候とは、荒っぽい性格ではあるものの困った時には民衆を助けてくれる雷を司る神様の名前です。この諡のおかげで張飛は以降、「張桓大帝」などと呼ばれて民間で神様として祀られるようになります。

 

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唐代に張飛を中心とした物語が多く生まれる

張飛の男気人生

 

神様として祀られるようになった張飛は民衆の中で人気の存在となりました。唐代の長期的な平和の中で三国志に関する様々な物語が生まれていくのですが、その際に張飛に関するものも増えていきます。

 

同年小録(書物・書類)

 

例えば、唐詩の「驕児詩(きょうじし)」の中でもその名前が詠まれていますし、唐代の戯劇を研究した「唐戯弄(とうぎろう)」という本でも唐代に張飛を題材とした劇があったことが記載されています。こうした話が元になって後の三国志平話や演義へと繋がっていきました。

 

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TK

TK

KOEIの「三國無双2」をきっかけに三国志にハマる。
それを機に社会科(主に歴史)の成績が向上。 もっと中国史を知ろうと中国語を学ぶために留学するが 後になって現代語と古語が違うことに気づく。


好きな歴史人物:
関羽、斎藤一、アレクサンドロス大王、鄭成功など

何か一言:
最近は正史をもとに当時の文化背景など多角的な面から 考察するのが面白いなと思ってます。 そういった記事で皆様に楽しんでもらえたら幸いです。

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